コンサルタント伊藤のつぶやき

コンサルタント活動を振り返り

新型コロナ感染対策として自転車を活用、まさかの業務災害に

2020-07-27 14:18:46 | 日記
現在、新型コロナは、終息は全く見えず、毎日、感染が増加しています(令和2年7月27日現在)。
最近、感染を避けるために電車は使わず、自動車・自転車通勤を会社が勧めたり、飲食店で直接、食事をせず、
宅配食事サービスをお願いする会社、個人が増加しています。

通勤・業務等での自転車活用の増加に伴い、事故も増加しているようです。
原因は、スマホを見ながらの運転等、ルールを守らないことによる事故がほとんどで、毎日、ニュースでも取り上げられています。
私のお客様も得意先訪問を電車から自動車、自転車に変えているところも出てきました。
当然、安全運転には注意していたようですが、先日、自転車による事故が起きてしまいました。

早速、サービス業である会社、社長から電話がありました。
「困ったことが起きました。今日の午前中、わが社の女性社員が、お得意先から自転車で、会社に戻る途中、
自動車と接触しそうになり、ブレーキをかけたところ、横転してしまいました。その際、右肩、右肋骨、右足首を強打、救急車で運ばれたとの情報が入りました。」

「相手方、いわゆる第三者を巻き込んだ事故ですか?」と聞いたところ、
「いいえ、第三者を巻き込んだ事故ではなかったようです。女性社員の方が、少しスピードを出しすぎていたようで、
相手側の自動車との距離を保とうと、急ブレーキをかけ、雨でスリップしたそうです。相手側に非はなく、相手との接触もありません。」

「本人の様態はどうですか?」
「意識はしっかりとしていますが、治るまでに半年くらいかかると総務の女性が言っていました。」

第三者行為災害ではなかったので、揉めるよう案件ではないと判断をし、今後の対応について社長に伝えました。
「まずは、労働災害として労働基準監督署に療養給付請求書(5号様式)を提出しますので、
病院に労災での治療のお願いしてください。」
と伝え、一旦、電話を切りました。

数日後、療養給付請求書(5号様式)を記入し、会社に送付、療養給付請求書(5号様式)を病院に提出するよう話をしました。
次に労働者私傷病報告を記入し、労働基準監督署へ提出したことを報告。

後日、会社から手術をするため転院するとの報告があり、
指定病院変更届(6号様式)を記入後、会社から病院に提出するようお願いをしました。

さらに数週間後、休業補償の申請をするため、3か月分の負傷した従業員の賃金台帳、出勤簿を確認の上、
休業補償請求書(様式8号)、装具費用の請求をするための費用請求書(様式7号)を記入、会社から病院への証明をお願いしました。

結構、労働災害が起きると大変な作業が発生しますが、労災事故となると従業員の病院での治療費は無料、
賃金は月額給与のおおよそ8割程度を国が補償してくれます。また、障害が残った場合も年金が支給されます。

私は社会保険労務士として、企業に多くのアドバイス等を実施するコンサルタントですが、
一方で社員教育、社員間のコミュニケーション、労働問題、キャリア相談、メンタルヘルスなど、
企業が抱える課題改善対策に取り組む、組織活性化コンサルタントでもあります。

最近は、コロナによる感染症予防のため、会社での研修、コンサルを控え、電話、メール等での相談を主にしています。

このようななかで、今回、自転車での事故が起きたのですが、労働災害の処理も社会保険労務士として大切な業務であり、
会社が悩まないよう、労働基準監督署等への手続きを素早く行うよう心掛けています。

女性社員の現在の状況を改めて聞くと、「体はまだ、思うように動かないようですが、口は以前と同様、元気」とのことです。
十数年前、労働災害で、障害年金の請求をしたことがありますが、今回はそこまでいかないと思われ、一安心です。

また、第三者行為災害になると相手側との事故割合を巡り、トラブルに発展するケースも多々あります。

今回は、第三者行為災害でなく、良かったのですが、コロナで良かれと思ってとった行動が、まさか労働災害になるとは予測できませんでした。
社長ともこれを機に、自転車保険の加入、自動車・自転車の規程、その他コロナによる休業の取り決め等、
就業規則等の見直しについて今後、検討していくことを確認しました。 

コロナの終わりが見えないなか、これからもコロナとの共存、戦いは、長期戦になっていくでしょう。

来年の今頃、オリンピックに夢中になっている自分、オリンピックで活躍し、表彰台
で歓喜している日本人選手、さらには日本をはじめ、世界中のみんなが、
オリンピックに感動している姿を見てみたい。絶対、実現しますように。心から祈っています。

最後までお読みいただき、有難うございました。 
伊藤経営労務コンサルタント事務所 ito-hiko@mua.biglobe.ne.jp


新型コロナ対策に伴う雇用調整助成金、給付金について

2020-05-18 14:45:35 | 日記
現在、新型コロナによる感染は、一時より、落ち着いた感じになっていますが、
完全な終息となるには、まだ時間がかかることが想定され、これから長い闘いになっていくと思われます。

また、新型コロナにより、休業を余儀なくされている飲食店等中小零細企業の方々について、
家賃支援、助成金等の援助が一刻も早く、いきわたるよう、政府、行政には、頑張ってほしいと思います。

従業員に休業手当を支払った企業に対しては、国から雇用調整助成金が支払われますが、
未だほとんどの企業は、受給できておらず、非常に心配しています。

私の顧問先でも数社から相談を受け、うち1社が、計画届後の支給申請を今後していく予定ですが、
休業対象者を決定し、出勤簿に労働日、休業日、休日を明確に区分し、賃金台帳で、休業手当の日数分の金額(平均賃金の60%以上)を
支払い、明記、現在、ようやく申請する段階となりました。

その他、就業規則、雇用契約書等の添付書類が必要で、多くの就業規則等の規定と書類の不備があれば、
助成金は不支給となることから、これらについても確認中です。不備がなければめでたく支給決定となります。

雇用調整助成金は、中小・零細企業では、社会保険労務士等の外部のアドバイザーがいなければ、
申請そのものが非常に困難との認識を改めて感じています。
書類の簡素化、早く受給できるような仕組みを一刻も早く、政府、行政に実施していただきたいものです。

また同時に、中小・零細企業で、労働基準法の休業手当とは、どういうものなのか、
私自身、多くの企業で説明をさせていただきましたが、休業手当について認識がなかったのには、軽く驚きを覚えました。

休業手当とは、労働基準法第26条「使用者の責に帰すべき事由による休業の場合においては、
使用者は、休業期間中、当該労働者に、その平均賃金の100分の60以上の休業手当を支払わなければならない」と規定されています。

当然、経営難等により、従業員を休ませる場合については、「使用者の責に帰すべき事由」に該当し、従業員に対して休業手当を支払う必要があります。
雇用調整助成金の申請は、休業手当の支給が大前提となっています。

しかしながら、今起こっているコロナにより、休業を余儀なくされている飲食店等は、「使用者の責に帰すべき事由による休業」に
当たるでしょうか。
私は、今回のコロナに関して、行政の要請による場合は、「使用者の責に帰すべき事由による休業」に該当しないと思っています。

お店の衛生管理等の環境により、新型コロナを感染させてしまった場合は、
「通常の経営者としてなし得る最善の努力」及び「あらゆる手段を講じた」か、両面で考えるべきで、
これらについて、なされていない場合は、経営者に責任が生じます。

しかしながら行政の要請による休業については、「使用者の責任」による休業ではありません。
行政の要請とは別に、厚生労働省の通達でも「自然現象による休業」は、「使用者の責任」に該当しないとあります。

今回の新型コロナも「自然現象による休業」に準ずるのではないでしょうか。
しかしながら、今回の事態で、休業を余儀なくされた従業員を救うため、
私は、顧問先に対して、労働基準法の休業手当の考え方を説明したうえで、休業手当を支給するようアドバイスしています。

今後は、就業規則上で、休業手当に関する規定をどうすべき、前向きに検討することにしています。

以上、休業手当の考え方をお話ししましたが、休業手当を払いたくても払えるお金がない等、
払えない中小零細企業は飲食店等をはじめ、数多くあります。

この場合は、雇用調整助成金には該当せず、経営者、従業員にとっては、非常に不幸なことです。
私もなんとも歯痒い思いでいましたが、ようやく政府が動き、休業手当が払われない従業員に対して、失業給付ではなく、
従業員が直接に申請する給付金を検討することが明らかになりました。

今日現在(令和2年5月18日)では、詳細が不明ですが、休業手当が払われない従業員にとっては朗報です。
ぜひ、雇用保険未加入者、外国人の方々等、幅広い人を対象に支給してもらいたいものです。

政府、行政は、スピード重視で融資、助成金、その他の補助を進めることが国民にとって今、一番大切な事だと切に感じています。

最後までお読みいただき、有難うございました。 
伊藤経営労務コンサルタント事務所 ito-hiko@mua.biglobe.ne.jp



能力を伸ばす「教え方の基本」―2 「俺の背中を見て仕事を覚えろ」?

2020-04-08 11:34:06 | 日記
現在、新型コロナウイルスで休業を余儀なくされている企業様、従業員の皆様、そして国民すべての方に対し、
この事態が早期に収束するよう切に願います。皆で一致団結、この苦難を乗り越えていきましょう。

さて、
前回、教え方についての以下の4つのポイントのうち、1及び2の2つまでご説明させていただきました。
1.なりたい将来像の把握
2.客観的な評価基準
3.自分自身に対する客観的評価
4.自立を促す

今回は、上記3及び4についてお話ししていきます。

自分自身に対する客観的評価について、人は、他人から評価されることにより、自分を客観的に見ることができます。
例えば、空手、剣道では、級から始まり、「段位」をとる段位認定となっています。
自分は今、何級なのか、何段なのかにより、自分の強さを知ることができます。

そして、目標も明確になります。私も学生時代、空手をやっていましたが、初段を取得したときは、人一倍、歓喜したことをよく覚えています。
他人から自身の強み、弱みを受け入れること、認知することにより、主体的に物事を考える能力が高まります。
この自分自身を客観的に認知する能力を「メタ認知」といいます。

メタ認知能力をアップできれば、自分自身を冷静に見られるようになり、高い目標の設定やそれを達成する力、
問題解決能力などを引き上げることができるようになります。
メタ認知能力がないと、失敗したときの原因、他人を怒らせたときの原因などを分析しないまま、年齢を重ねていくことになります。

現在、メタ認知能力がない中高年の方も増えています。このような方は周りの人から相手にされなくなります。
会社で教える側の人もこれらをよく認識して早い時期に部下等にメタ認知能力、客観的評価を身に着けられるよう、指導をお願いいたします。

また、教えられる側は、客観的評価に加えて自己肯定力、簡単に言えば、自分に自信を持つ能力を如何に持つかが大きな課題となってきます。
これについては、一つ一つ成功体験を積んでいくことが大切となってきます。
もちろん、失敗を経験し、それを分析し、成功事例に結び付けていくことも重要になってきます。

教える側もこれらを意識して、時には成功を体験させ、
失敗したときには、原因を分析、モチベーションが下がらないようフォローすることなども必要となってきます。
自分自身を客観的に評価することができ、自分に自信が持てるようになれば、最後は自立をする、させることができるかです。

企業内においての自立とは、成長させるための段取り、メニューが組める状態をいいます。
自分で自分を見つめ、考え、成長していくことです。

では、どうすればよいでしょうか。
具体的には毎日指導している状態から月1回程度の指導にし、自分で考えていく時間を増やしていくことです。
指導の内容ついては、業務の進み具合、状況、今後の課題等についてお互いが、話し合うような関係が良いと思われます。

また、自立し、業務をうまくこなすことは、人により違ってきます。
野球でいえば、守備がうまい人、ホームランバッター、足が速い人など、自分の得意は皆、違います。
また、好きな事と、得意な事も違います。好きであっても、得意でない場合もあります。
得意、不得意、好きな事、苦手な事など、これらを教える側と教えられる側が、良く認識し、
目標達成に向けての実施方法等について、コミュニケーションを密にし、共有していくことが自立するうえで大切です。

自立をさせていくうえで、成功したときのイメージ、失敗しそうなとき、失敗したときのフォローアップなど、
教える側はそのポイントで、どのような助言をするか、ある程度の考え、イメージを持って、進めていく必要があります。

私の経験ですが、若い頃、日常的に大量の仕事を上司から命令されたことがありました。
最初は何をしているのか、意味も分からずにやっていた仕事もありましたが、量をこなすことにより、仕事全般が見えるようになりました。       
また、最初はきつく感じたハードな仕事量も、難なくこなせるようになってきました。

これは、弁証法では量質転化の法則といいます。
量的な変化が質的な変化をもたらし、また質的な変化が量的な変化をもたらします。
少しずつ質をあげること、さらには個別の業務を繋げていく意識を少し持てれば、人は変われます。
自分が変われることに気づけば、また質が上がります。質が上がれば、また量もこなせるようになります。
自分で考え、自分で自分を伸ばせることができれば、教えることの最終目標が達成できた、自立したということです。

参考までに、「量質転化の法則」のほか、「否定の否定」、「相互浸透」等の弁証法の法則がありますが、
これは、エンゲルスやヘーゲルといった哲学者が唱えた理論で、
私も学生時代、空手家の南郷継正氏を通じて教えていただいた理論です。
今でも、企業での人材育成などで、参考にさせていただいております。

弁証法は難解で、私には全てを理解することは出来ませんが、より学びたい人は、
三浦つとむ氏が書かれている弁証法に関する本を購入することをお勧めします。

さて、ここまで能力を伸ばす教え方の基本をご説明させていただきましたが、
教える側も教わる側も本当の「自分らしさ」を失わないよう、自分らしさとは何か、をもう一度、心に聞いてみましょう。

無理やり、他者(両親、上司等)に押し付けられていないか、例えば、○○さんのようになることを期待されたり、
自分自身が過去の成功体験を通じて自身のスキルや強みにこだわりすぎ、
本来の姿でなく、思い込みのキャリアになっていないかなど、
自分自身を冷静に分析してみてください。

また、同時に上司等の教える側が、教わる側の過去の行動、スキル、強みをよく知り、本人が納得できるようなアドバイス、
例えば、一見、長期的なキャリアと今の業務に繋がりがないように見えても、
将来のキャリアに役立つことが説明できれば、違ったキャリアも可能となります。

思い込み、間違ったキャリアになっていれば、今後のキャリアは大変苦しいものとなります。
思い込みのキャリアではなく、本当にモチベーションが上がるよう、自分の価値観と一致できるよう目標になれば、
必ず人は成長し、変わることができます。

このような考えに基づき、上司、管理職は、部下指導していただきたいものです。

最後までお読みいただき、有難うございました。 
伊藤経営労務コンサルタント事務所 ito-hiko@mua.biglobe.ne.jp


能力を伸ばす「教え方の基本」 ~俺の背中を見て仕事を覚えろ?

2020-02-04 11:54:23 | 日記
先日、顧問先の管理職の方から相談がありました。中高年社員と若手社員との間で、教育、育成についての考えにギャップがあり、
どうすればよいか、アドバイスがほしいとのことです。

7,8年ほど前から、毎年、この企業で新入社員研修を実施しています。研修内容はビジネスマナーをはじめ、
「キャリア教育」についても実施しており、
ここ数年、入社した若手社員は、自身の将来像等、キャリアについての意識は高くなっています。

一方、勤続年数が多い中高年社員は、未だに「俺の背中を見て仕事を覚えろ」という考え方を持っている人が大半です。
結果、若手社員と間で、教育、指導方法等でのトラブルが多くなってきているようです。

このような会社、皆さんの周りにまだあるのではないでしょうか。昔は当たり前の教え方でも現在では、通用しません。
お互い、コミュニケーションを密にしながら仕事を教えていく必要があります。

教え方については、以下の4つのポイントがあると思います。
1.なりたい将来像の把握
2.客観的な評価基準
3.自分自身に対する客観的評価
4.自立を促す

最初にまずは、教える側は、教わる側のなりたい将来像を把握することが必要となります。
憧れの人、対象をイメージ化させることです。なりたい自分を明確化することにより、モチベーションも上がります。
憧れの人、対象が教える側と教わる側で同じであれば、言うことありません。
「あのようになりたいよね。」「絶対、あそこに行ける」など、お互いが同じ方向、同じ情熱があればいうことなしです。
例えば、スポーツの世界、マラソン、ボクシング、野球等コーチと選手が一体となって、
目指すことが決まっていれば、成長の度合いは著しいものになります。

しかしながら企業内で教えていくことは、容易ではありません。教える側の情熱がある程度なければ、当然に上手くはいきません。
情熱もあまりなく、やむなく部下を持ってしまった人もいるでしょう。その時は、自分が好きなこと、得意な事を教えていくと良いと思います。
また、教える側が手本になる事が最良ですが、自分でない場合は、社内の誰かを憧れの対象にしていくよう指導、アドバイスが必要です。

人材育成を積極的に実施している企業では、階層別、年代別にロールモデルを作成しているところもあります。
具体的な行動や考え方の模範となる人物「ロールモデル」を選ぶことにより、その影響を受けながら人は成長していきますので、
ロールモデル、憧れを持つことは人材の成長に欠かせません。

次に、教える側は、教わる側のレベルを客観的に評価することができるかどうかが、非常に重要となります。
あくまでも好き、嫌いでなく、客観的な評価基準を設け、指導していくことです。

最近では、ヒューマンスキルとして「コンピテンシー」(高い業績や成果につながる行動特性と言われています。)等を用いた評価基準、
さらには知識・技能に対する客観的な評価基準を用いている企業が増加しています。

これにより、いろいろな観点から評価することが可能となります。ただ、「こいつはダメだ」ではなく
「どこが不得意」で「どこが良い」のかを具体的・個別的に判断していくことができます。

興味ある方は一度、厚生労働省で「職業能力評価基準」というツールを公開していますので、ご覧になってください。

評価は賃金を決定するだけでなく、相手を成長させるために評価することが重要です。そのために評価をします。
評価することで、相手の良いところまでダメにしてしまうことは、評価の意味をなくしてしまいます。
教える側は再度、評価の意味を考えてみてください。

そして、客観的な評価基準に基づき評価していく中で、良いところ、改善するところを見極めていきます。
良いところを伸ばし、悪いところを改善していくためには、教える側のコミュニケーション能力が問われます。

一番大切なことは教わる側が、客観的に自身を見つめることができるようなアドバイスを実施していくことです。
「この段取りは素晴らしいよ。」「ここは工夫の余地があるよね。」等具体的なコメントを発していくことで、
相手側が自身を客観的に評価する能力が培われることになります。

この積み重ねにより、レベルアップを図っていきます。どのレベルかにより、教え方も変わってきます。
レベルによる教え方については、部下のレベルを「開発レベル」でとらえるSL理論(状況対応理論)が参考になると思います。

また、相手のタイプによって、教え方、コミュニケーションの取り方も違ってくると思います。
相手によって教える側も言い方を考え、成長につながるための最適なコメントをすることが求められます。
対話を重ね「良いところ」「改善点」、さらには「悪いところの原因」を探り、
人を成長させることができる人は今後、貴重な人材に、企業にとって欠かせない人財になるはずです。

これができない人は企業にとって人罪となってしまいます。
 
最後に。人を育てる、能力を伸ばすには、教える側、教わる側の気持ち、伸びよう、伸ばそうとの気持ち、
お互いの感情を大切に、しっかりとした考えを持ち、接していくことが大変重要だと思います。

次回、残りのポイントについてお話をさせていただきます。

最後までお読みいただき、有難うございました。 
伊藤経営労務コンサルタント事務所 ito-hiko@mua.biglobe.ne.jp


メンタル不調者とキャリアコンサルティング

2019-11-25 14:02:40 | 日記
先月、顧問先でお世話になっている企業からキャリアコンサルティングを依頼され、実施させていただきました。
キャリアコンサルティグとは、個人にとって望ましい職業の在り方、方向性等のキャリア開発を支援していくことです。
また実施することにより、自己を理解するための気づきを促すことを目的とします。

今回、相談を実施するのは、若手のA君。事前にキャリアシートを提出、見せていただいた後、相談を実施しました。
最初に私から守秘義務ついて、話しをしましたが、何か様子が変で、「目がうつろ」、「額からは汗」、暫く、沈黙が続きましたが、咄嗟にメンタル不調者だと感じました。
普通にキャリアコンサルティングを実施することは困難だと思い、

私は、最初の質問で、
「体に不調を感じていますか」と質問。
A君「はい」、暫く沈黙が続きました。ここで沈黙も善しとし、傾聴に徹しようと決めました。
沈黙・・・・・・・。ようやく、
A君「最近、何事もやる気が起きないんです」
私「やる気が起きない」暫く沈黙・・・・・・・・。
私「家族、会社の誰かに相談した?」沈黙・・・・・・・・・。
A君「誰にも」沈黙・・・・・・・・・。
私「私から体の不調について社長へ一言、伝えましょうか。」
しばらく沈黙後、
A君「おそらく会社の皆は、うすうす気づいているかもしれません。社長へ伝えてもらっても構いません。私も病院へ行こうと・・・・・・。
そして、先生に相談してきます。」

予定は1時間でしたが、15分程度で終了しました。
終了後、社長に簡単に結果について報告しましたが、数日後、A君本人と社長が話し合い、
医者の判断を仰ぎ、「休職」となったようです。

キャリアコンサルティングを実施していくなかで、このようなメンタル不調者とは知らずに面談をするケースは良くあることです。
このような場合は本来の目的を達成することが困難ですので、無理に面談をすることはお勧めしません。
面談を切り上げ、場合によっては専門家へつなぐことも必要になってきます。

また、メンタル不調者に対しては特に「傾聴」が重要となってきます。メンタル不調者は一般的に自らの話をすることに消極的です。
沈黙を恐れずに傾聴を続けていけば、本人の心理的負担が軽減され、本人が自らの言葉で話したい気持ちになることがあります。
今回も傾聴したことによって、本人が改善に向けて一歩踏み出すことができました。私も傾聴に徹して本当に良かったと思っています。

専門的にカウンセリング等を勉強せずに、メンタル不調者とキャリアコンサルティング及びキャリア面談を行なった場合の失敗事例としては、
「叱咤激励」したり「根性がないと批判」したり、「説教」してしまうケースがあります。

今回も社長、管理職等にA君との面談等について、くれぐれもこのようなことがないようアドバイスもしました。

キャリアコンサルティングを実施する者は、必ず受容的な態度で「傾聴」する心構えを身につけておく必要がありますが、傾聴に徹すると必ず「沈黙」が続く状況になります。
相談を受ける方々は、出来れば、余裕を持って、「沈黙」を受けて立つ心構えが必要です。参考までに「沈黙」といってもいろいろあります。
・何かを考えている。
・相手の言葉を待っている。
・相手の言葉を味わっている
・怒っている。
・悲しんでいる。
・感激、喜んでいる。
・疲れている。
・話題がなくなった。
・言えない雰囲気がある。
・話したくない。
・訊かれても分からない。
・理解はしているが、答えて良いのか分からない。

まだ、あると思いますが、キャリアコンサルティングを実施する方々「なぜ、相手が沈黙しているのか」

沈黙の理由を考えてみてください。自分のコミュニケーションの取り方、相手の気持などが理解できるかもしれません。

キャリアコンサルティングに限らず、相手の本音を聞きたいのであれば、時には「沈黙」も恐れず、相手の話を聴く。このような基本的な態度も時には必要です。

最後までお読みいただき、有難うございました。 
伊藤経営労務コンサルタント事務所 ito-hiko@mua.biglobe.ne.jp