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一部引用
カセットテープは1970年代から80年代にかけて音楽用の記録メディアとして人気を集めたが、ご存じの通り、その後は衰退していく。90年代に入ってCDやMDが台頭し、2001年にiPodが登場したことで、カセットテープやデッキの生産を打ち切るメーカーが相次いだ。
「レコードやテープはオワコン。いまはスマホで音楽データを楽しむ時代でしょ」と言われているなかで、カセットデッキをつくり続けている会社がある。「TEAC(ティアック)」だ。3月末にダブルカセットデッキ「W-1200」(店頭価格:5万円前後)を発売したところ、「2018年にもなってカセットデッキの新商品が出るなんて」「カセットテープの魅力を改めて堪能できる」といった驚きのコメントが目立った。
1968年に国産初のカセットデッキ「A-20」を発売しました。フィリップ社が62年にカセットテープを開発して、それを聞いた当社の創業者、谷勝馬が「音楽を聴くのに最適の記録媒体だ」と考え、再生用のカセットデッキを開発しました。
その後、カセットテープ市場はどんどん大きくなりました。ただ、CDが登場して、MDが台頭して、デジタル音源が主流となったいまでもカセットデッキをつくり続けています。なぜつくり続けているのかというと、儲(もう)かっているからではなく、流行っているからでもなく、お客さんがいる限り最後までつくり続けるのが当たり前だと思っているから。
CDやMDを使って音楽を聴く人も減少していますが、当社はいまでもCDレコーダーやMDデッキを発売しています。これらも儲かるから、流行っているからつくり続けているのではなく、発売したからには最後まで扱うのが当たり前だと思っているから。
カセットデッキについて言えば、まだまだお客さんはいます。お客さんは高齢者が多いのですが、いまの高齢者は元気なので、この先、10年、15年もまだまだカセットテープを使い続けるのではないでしょうか。
広報T: お客さんは高齢者だけでなく、若い層でも増えてきているんですよね。若い人は「カセットテープ=オシャレ」といった感じで、新しいモノとして受け止めている。実際、海外では若い人の間でカセットテープ市場が伸びているといったデータがあります。
土肥: 市場が縮小していくなかで、「そろそろ撤退しようか」といった話はなかったのでしょうか?
加藤: ないですね(きっぱり)。カセットデッキを発売する前に、オープンリール(テープを巻いたリールが単体で存在する形態)にチカラを入れていました。
ただ、カセットテープの登場などで、市場は縮小していきました。競合他社が撤退していくなかで、最後まで残ったのが当社だったんです。
繰り返しになりますが、お客さまがいる限り最後までつくり続けるといった考え方なので、「撤退」の二文字は出たことがありません。
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