
▼【最新作公開記念】映画「パディントン」の素晴らしさを知って欲しいので1・2をまとめて紹介
世界中に溢れる「kawaii」の中でもトップクラスの可愛さを誇る
パディントンの最新作がいよいよ2025年5月9日より公開。
前2作も好みど真ん中だった私は「とにかく見て!」とあちこち布教活動をしていたのを思い出す。
しかし「2」ですらもう7年前と知り、シリーズ未見の方も増えてきたはずなので
公開目前の応援企画として、過去2作の公開当時の紹介記事を1本にまとめて以下に再掲する。(一部加筆・改稿済み)
シリーズ初心者の予習と、シリーズファン向けの復習に役立てていただければ。
▼1年分の”可愛い”を凝縮した映画「パディントン」(2016年1月)

配信中■Amazonプライムビデオ:パディントン 関連商品一覧
配信中■Amazonプライムビデオ:ベン・ウィショー 関連商品一覧
マイケル・ボンドの児童小説を実写映画化した家族向けのコメディが「パディントン」。
人間の言葉を話す紳士的なクマを主人公にした心温まる作品で
出演はヒュー・ボネヴィル、サリー・ホーキンス、ジュリー・ウォルターズ、ジム・ブロードベント。
パディントンを剥製にせんとする悪役にはニコール・キッドマン。
パディントンの声には「007 スペクター」で一躍世界からも注目されたベン・ウィショー。
日本語吹き替え版では松坂桃李が担当している。
私ぐらいの年齢になると「kawaii」に対するアンテナ感度は鈍くなっていて少々のことではビクともしない。
むしろ見え透いた手段で「kawaii」を多用した作品を観ると不快感を覚えるぐらいに歪んでいる。
そんなひねくれ世代を取り込むには、毒舌xテディ・ベアの「テッド」のような変化球が有効だった。
真っ直ぐ飛んで来る「可愛い」をしっかりと受け止めるには、私は歳をとり過ぎたとばかり思っていた。
どうしてくれようか、このパディントンの可愛さ。
一挙手一投足、全てが「kawaii」に満ちている。
両手の指をしっかりと組み、瞳に星を散りばめながら
「可愛いぃー!」と言ってしまいそうなほどの愛らしさに開始5分でノックアウトされてしまった。
なんだこの生き物は。
最新技術がパディントンの可愛さ増幅のためだけに注がれていて、眺めているだけで幸福感に包まれる。
同じ人間の言葉を話すクマでも、「テッド」は「ブライズ・メイズ」や
「ハング・オーバー」に繋がるアメリカ製の笑いであり、
「パディントン」は「ペネロピ」や「ミス・ポター」のラインに属するイギリス製の笑い。
どちらのタイプが好みかは個人差によるもので優劣はないが私の好みは圧倒的に後者である。
ファミリー向けの作品と思わせておいて、家の壁に描かれた桜の木や
ハットに隠された秘密とサンドウィッチ、姉が語学力に長けていることや
父親の職業まで全てに伏線があり、わずか90分ほどの本編でそれら全てを回収する脚本。
家族全員が絶妙な連携プレーを見せつつ、ひとりひとりにきっちり見せ場まで用意されては
ブラッド・バード(「Mr.インクレディブル」)も形無しであろう。
ディズニーとしても、アトラクションを映画化した「カントリー・ベアーズ」が
この監督とならもっと上手くやれたのにと歯ぎしりしているに違いない。
この脚本は一体誰かと調べてみたら、何と監督と兼任だった。
ポール・キングの名は今後しっかりと覚えておかなくてはならない。
パディントンの愛らしさを増幅させる最終兵器はベン・ウィショー。
彼の持つ繊細さ、そこはかとなく漂う品格、茶目っ気がパディントンと重なって
屈指の名キャラクターに押し上げたことは間違いない。
やり過ぎなほどの悪戯やミステイクを笑って許せてしまうのは、彼の穏やかな声色があればこそ。
日本語吹き替え版は観ていないのだが、松坂桃李はいいところから持ってきたなと思う。
時間があれば吹き替えでも観てみたい。
大の大人をも悶絶させる「パディントン」。
実写もアニメも含めた「しゃべる動物の映画」の中でもトップクラスの出来映え。
赤い帽子と青のダッフルコートを着たクマが、まだ始まったばかりの
2016年の「可愛い」を1年分先取りしてしまった。
デートムービーとしてはもちろん、同性の友達同士でも、ファミリーでもどんと来い。
ありとあらゆる組み合わせで楽しめる傑作だ。
映画「パディントン」は2025年5月現在、Amazonプライムビデオ、U-NEXT、Netflix、Hulu、TELASAで見放題配信中。
▼映画「パディントン2」観た人全てを幸せにする魔法(2018年1月)

配信中■Amazonプライムビデオ:パディントン 関連商品一覧
配信中■Amazonプライムビデオ:ベン・ウィショー 関連商品一覧
2016年公開映画で「忍的カワイイ大賞」を受賞した映画「パディントン」の続編。
人間の言葉を話すパディントンが活躍するコメディで、『良心の塊のようなテッド』とも言うべき心温まる作品。
ロンドンでの生活にも慣れ、街の住民達とも交流を深めていたパディントンが
思わぬ犯罪に巻き込まれ投獄されてしまう展開。
パディントンの声は引き続きベン・ウィショー(松坂桃李)。
他の出演者はサリー・ホーキンス、ヒュー・ボネヴィル、サリー・ホーキンス、
ジュリー・ウォルターズ、ジム・ブロードベント。
落ちぶれたスターを演じるのはヒュー・グラント(斉藤工)。
強面のシェフにはブレンダン・グリーソン。監督は引き続きポール・キングが務める。
前作は私の好みど真ん中だったので、続編に対する期待は半端なかった。
それでも、本作はその期待に120%応えてくれた。
いや、150%ぐらいかも知れない。いやいや、200%か。
『映画を観る』ことの効能が『幸せな気分になる』だとすれば
本作を超えるものはディズニー作品でもなかなか見当たらない。
この年のおっさんが薄暗がりの劇場で「あはは」と声を出して笑い
ハンカチを取り出すほど泣ける映画など、年に何本もは巡り会えない。
「トイ・ストーリー2」も感動した。
「ベイマックス」には興奮した。
「ズートピア」には舌を巻いた。
しかし、「パディントン2」は全部入りである。
パディントンの愛らしさは言わずもがな、嬉々として悪役を演じるヒュー・グラントがいい。
落ちぶれたスターのフェニックス・ブキャナンはヒューを当て書きして生まれたキャラクターらしく、
台本を受け取った彼は大笑いしながらオファーを快諾したという。
その”ノリノリ”な空気が、役柄をさらに魅力的にしている。
好きなところを挙げ始めるとキリがないのだが、「パディントン」シリーズが素晴らしいのは
人を説得したり改心させたりしないことだ。パディントンはいつも人に「寄り添う」。
どんなに嫌がられても疎ましがられても、人間を信じている。
欲望や裏切りで荒んでしまった心の壁を叩き割るのではなく
ぶ厚いドアの向こうから、光が射すまで何度も語りかけるのである。
つぶらな瞳で、「僕があなたが大好きです」と伝え続けるのだ。
アメリカ的な解決法は「悪い奴には死を」だが、パディントンは決して厳罰を望まない。
自分に降り掛かった困難が解決すれば、あとは全て許してしまう。
彼の寛容さを見習わなければならないのは、私達人間の方だろう。
前作から凝っていた映像のセンスはさらに磨かれて最早アートの域。
おばさんを連れて飛び出す絵本のロンドンを旅するシーンはミシェル・ゴンドリーも真っ青のファンタジーで、
追走劇におけるカット割やテンポ、色使いはウェス・アンダーソンを彷彿するスマートさ。
さらっと見るだけでも楽しいが、細かく見るほど大人の鑑賞に耐えうるセンスと技術が詰まっている。
冒頭とエンディングを繋ぐシナリオ運びの上手さといい
最初から最後まで加点要素しかないので減点のしようがない。
日本でのオープニング興収は土日の2日間で動員9万3000人、興収1億1700万円で4位だったと聞く。
有り得ない。喰わず嫌いならぬ観ず嫌いが多過ぎるのではないか。
本気で言うが、本作は50億クラスのヒットでも何ら不思議ではない。
映画「パディントン2」は2025年5月現在、Amazonプライムビデオ、U-NEXT、Netflix、Huluで見放題配信中。
▼最新作「パディントン 消えた黄金郷の秘密」2025年5月9日公開
2025年05月09日公開■洋画:パディントン 消えた黄金郷の秘密
そしてシリーズ最新作が今週末より公開。
育ての親であるルーシーおばさんに会うために、ブラウン一家の家族旅行も兼ねて
ペルーに帰ってきたパディントンが、懐かしの故郷で思わぬ大冒険に巻き込まれる様子を描く。
パディントンの声は引き続きベン・ウィショー。
共演にはヒュー・ボネヴィル、ジュリー・ウォルターズ、ジム・ブロードベントなど続投組に加え
本作よりアントニオ・バンデラス、オリヴィア・コールマンが参加。
監督は本作が長編デビューとなるドゥーガル・ウィルソン。
7年振りでもベン・ウィショーが声を演ってくれたことは嬉しい。


配信中■Amazonプライムビデオ:パディントン 関連商品一覧
配信中■Amazonプライムビデオ:ベン・ウィショー 関連商品一覧