昨日、NHKの「逆転人生」という番組を見ていました。
小学6年生の娘、明日香さんが、持久走大会の練習中倒れ、心肺停止となり亡くなってしまいました。
看護師の母は、事故の経緯、学校側の対応を聞きに、連日学校へ行きますが、学校からは、倒れた時には脈があり、呼吸しており、心肺停止しておらずAEDを使わなかったという説明でした。
話し合いはこじれて、ついにさいたま市の教育長が母の元を訪れます。
そして、「大切なお子さんをお預かりしたのに、無事に返すことができずに申し訳ありませんでした。」と謝罪したのです。
通常、裁判、過失を恐れて、学校側が謝罪を口にすることはないそうです。
最終的には、その教育長とじっくり話したところ、学校側への不信感が薄れていったようです。
そして、事故の検証をして、再発防止に努めるため、母、学校、専門家が立ち上がり、改善策を模索していくのです。
倒れている子の脈を取るのは困難だとドクターが語っていました。自分の脈を、脈があると勘違いするのだそうです。
また、呼吸も心肺停止のあと、金魚がパクパクするような死戦期呼吸と言うものをするのだそうです。それを呼吸があると勘違いしたのだろうと。
学校側がウソをついていたわけではないことが判明し、結果、お母さんも気持ち的に救われたのではないでしょうか?
新しいマニュアルは、脈がある、呼吸があるかの問いに、「はい」か「いいえ」ではなく、「はい」か「わからない」に変更されました。
緊迫した現場で、一体何人の人が自信を持って、「はい」と言えるでしょうか。
これは、現場の方々にとってすごく有り難いと言っていました。
悩まなくてよくなったからです。
そして、「わからない」場合は、すぐにAEDを使う。
知らなかったのですが、AEDは、胸にパットを貼ると、電気ショックが必要か必要でないかを判断してくれるのです。
なので、使うことをためらう必要はないのだとか・・。
このマニュアルは、「ASUKAモデル」と名付けられて広まっていきます。
そして、このマニュアルを元に対応してもらい、一命を取り止めた男の子が出てきました。
救われた命があったんですね。
今、そのお母さんと(元)教育長は、ASUKAモデルの普及活動に力を入れてあるそうです。
すごく壮大な話でした。
私も、AED研修に参加したことはありますが、いざ・・という時に使えるだろうか・・と疑問でした。
でも、今回、ためらう必要がないんだ・・とわかり、いざ・・という時の心構えが少し変わった気がしました。