中国創業投資年度論壇

師走、本当に教師も学生も走らなければならない程に忙しい。昨日から上海に入っている。中国創業投資年度論壇に参加するためである。Zero2IPOが主催するこのVCフォーラムにも02年当時から出席しているので、かれこれ6年目となった。フォーラム自体の規模が急拡大したことは、中国VC業界が急拡大したことの証左である。

フォーラムの最初に07年の中国Venture Capital市場のレビューが行われたが、投資額がUS$ 3.18bilとなり、アメリカのちょうど5分の1の規模となった(世界第2位のマーケット)。今年度の興味深い特徴は、①IT関連の投資が投資額で50％を切ったこと(環境・ヘルスケア・サービス・製造業など非IT分野が伸びた)、②グローバルなVCファンドも人の面でよりlozalizeしたこと(以前はシリコンバレーから出張ベースで中国案件を見る華人も多かったが、ほぼ完全にlocalizeした)、③かつてはTrade Saleが多かったEXITもIPOが70％を占め、IPOで国外市場と共に国内市場も積極的に活用されるようになってきたこと、④中国VC市場がエマージング市場と呼ばれる段階を過ぎ、中国経済の発展と共に安定して新しい企業が孵化するサイクルができたことだろうか。

フォーラムでは懐かしい面々にも会えた。創業管理(Entrepreneurial Management)の授業でゲストスピーカーに呼ばれた面々や、かつて一緒に働いたことのあるベンチャーキャピタリスト(私の清華大学ビジネススクール留学に大きく影響した友人も出席していた)も来ていた。名前は同じだが、一様に現在働いているファンド名が変わっている。この6年間にこの業界で一度人がリシャッフルされた証拠である。相変わらず日本勢の影は薄かったが、中国語のスピーチを聞いている某邦銀の人にもお会いでき、中国VC/PE業界でも現地に溶け込んで活躍する日本人が少しずつではあるが増えてきた気がする。