BreadTalkというシンガポール生まれのパン屋さんが上海より一足遅れで北京にも昨年上陸した。このパン屋さん、日本ではごく普通の焼きたてを売りにするチェーン店だが、焼き立てというコンセプトと清潔感が新鮮なのか、北京人に非常に受けている。それもそのはず、BreadTalkはシンガポール生まれでありながら、始めから中国での成功を狙って拡大してきた企業であるからだ。創業者はGeorge Quek氏というシンガポール人。台湾と上海の飲食ビジネスで試行錯誤の末、2000年にBreadTalk社をシンガポールで設立した。その後シンガポールで20数店舗、東南アジアを中心に拡大、昨年以来中国大陸にも進出してきた。
そのコンセプトもさることながら、BreadTalkの拡大に寄与しているのは株式上場による資金調達。04年にシンガポール二部市場にIPOを果たし6,400万ドルを調達。ホームページ上のInvestor Relationsにも実に細かく経緯が記されている。BreadTalk社は単なるパン屋ではなく立派な企業である。日本のベーカリーは味は良くても所詮パパママストア、大きくなってもフランチャイズ化がやっと。どこまで海外展開を見据えてここまで企業経営に傾注してきた企業があっただろうか。味千ラーメンやこのBreadTalkなど、味はコンセプトは日本からヒントを得た華人企業が、ここ数年アジア展開で大きくリードして成功を収めてきた。日本の飲食業になかったものは企業経営という感覚とアジア市場へのコミットメントの低さである。
この3月に受けたVenture Capitalの授業でもBreadTalk社が取り上げられた。market/product/modurality/financialの全ての要素で分析を行い、スタートアップ費用、初期設備投資、来店数、客単価、客マージン、店員数、一店員あたりの利益など北京東方広場店の今後5年間の細かいfinancial modelを作った。それから感じたことは、中国では何もシリコンバレーのような技術企業でなくとも、consumer-drivenな企業であればキャッシュフローが十分見込まれ成長企業足りえること。日本ではベーカリーやケーキ販売というと斜陽業界だが(不二家の体たらくぶりや買収ファンドの餌食になったタカラブネの状況は見苦しい)、中国では立派な成長産業。経営能力如何で今後世界一の飲食サービス企業が中国大陸に出てくる可能性がある、そういう予感がする。
そのコンセプトもさることながら、BreadTalkの拡大に寄与しているのは株式上場による資金調達。04年にシンガポール二部市場にIPOを果たし6,400万ドルを調達。ホームページ上のInvestor Relationsにも実に細かく経緯が記されている。BreadTalk社は単なるパン屋ではなく立派な企業である。日本のベーカリーは味は良くても所詮パパママストア、大きくなってもフランチャイズ化がやっと。どこまで海外展開を見据えてここまで企業経営に傾注してきた企業があっただろうか。味千ラーメンやこのBreadTalkなど、味はコンセプトは日本からヒントを得た華人企業が、ここ数年アジア展開で大きくリードして成功を収めてきた。日本の飲食業になかったものは企業経営という感覚とアジア市場へのコミットメントの低さである。
この3月に受けたVenture Capitalの授業でもBreadTalk社が取り上げられた。market/product/modurality/financialの全ての要素で分析を行い、スタートアップ費用、初期設備投資、来店数、客単価、客マージン、店員数、一店員あたりの利益など北京東方広場店の今後5年間の細かいfinancial modelを作った。それから感じたことは、中国では何もシリコンバレーのような技術企業でなくとも、consumer-drivenな企業であればキャッシュフローが十分見込まれ成長企業足りえること。日本ではベーカリーやケーキ販売というと斜陽業界だが(不二家の体たらくぶりや買収ファンドの餌食になったタカラブネの状況は見苦しい)、中国では立派な成長産業。経営能力如何で今後世界一の飲食サービス企業が中国大陸に出てくる可能性がある、そういう予感がする。