バンマスの独り言 (igakun-bass)

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大好きな11月 : ベートーヴェン 「皇帝」第2楽章

2013年11月20日 | 音楽:クラシック系
猛暑、大雨、台風と続いた日本中を駆け巡った荒天も、アメリカ(イリノイの竜巻)やフィリピン(台風30号)の大災害などを除いては、やっと収まってきたようです。

未明に仕事に出かける時、晴れ渡った空にはくっきりとオリオン座が輝いています。天文の世界ではこの星座の赤い一等星「ベテルギウス」の猛烈な膨張とその後の崩壊~消滅がしきりと取りざたされていますが、それがはっきりと人類に分かるのは数百年も先(あまりに遠い星なので)と知れば、何のことはありません、ただその美しさに見とれるだけです。

さて、
11月は一年のうちで一番好きな月だと以前からここにも書いてきました。冬のような厳しさはなく、秋まっさかりの爽快さでもなく、ただひたすらに寂しさが増してゆく気配の中を何の抵抗もせずに日々を過ごす、そんな感じでしょうか。
東京地方はこのところ快晴の良い天気が続いています。遠くに見える富士山はもう白くなりましたが、今、落葉樹の紅葉がピークを迎えようとしています。

僕は今日の昼下がり、やや傾いた陽光に照らされている庭のハナミズキの紅葉を窓越しからしばらく見ていました。なんとも穏やかな気分で。

そして青空にヒラヒラと揺れる朽ちかけた葉のいくつかを見て、いつものように一つの音楽が聴きたくなりました。
晩秋にふさわしい音楽は数々ありますが・・・僕はいつもこのシチュエーションではブラームスの第4交響曲を挙げますが・・・無性に聴きたくなったのはベートーヴェンの第5ピアノ・コンチェルト(「皇帝」)の第2楽章でした。
どこまでも穏やかで心が休まる類まれな音楽です。

さっそくCDでその楽章を流してみました。人には聴く音楽にそれぞれの思い出が付いて回ると思いますが僕の場合は小学校6年生くらいだったクラシック音楽との最初の出会いを思い出すのです。これは超有名な曲ですが、いつ聴いても色あせず、飽きず、ただただうっとりと心が和まされるのを感じます。
ある時、偶然に・・・子供ながらにこの楽章を聴いて感動したのです。そしてどうしてもこの曲を詳しく知りたいという気持ちになり、母の勧めもあり楽譜(スコア)を買うことにしたのです。
近所には楽譜のお店が無かったので両親に断ってこの時初めて一人で電車に乗り池袋駅のデパートの楽譜売り場に行き、初めてのスコアを買ったのです。
初めての一人旅!の緊張はかなりのものだったのをよく覚えていますが、初めて見る音符がたくさん書かれたスコアを手に取り大興奮した少年でした。

当時はまだ楽典もよく分からなかったのですが、並んでいる音符の整然とした美しさ(ヴィジュアル的に)に夢中になり音楽を聴きながら音符をたどってゆくということを始めるようになったのです。今でこそクラシックのスコアの所有数は軽く500冊を超えていますが、この曲こそがその記念すべき第1冊目だったのです。

同時期、僕はロックにも目覚め、初めての幼稚なバンドを組んだのでした。

今、僕の中ではポピュラーとクラシックが同じ比率で重要な存在になっているのも、すべての始まりはこの小学校6年~中1時代です。

片やウォーカー・ブラザース、片やベートーヴェンでした。
(ウォーカーBros.の話は今度書きます)

そんな思い出のある音楽を今日は静かに聴いて午後のひと時を過ごしました。


本当の秋の素晴らしさは冬の少し手前の今にあると思いつつ・・・。



ベートーヴェン ピアノ協奏曲第5番 変ホ長調 「皇帝」から第2楽章
名演はいくつもありますが今回はこの音源で。




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