としょかんのひとりごと

市貝町立図書館・歴史民俗資料館

図書館まつりでちょっとほっこりした話。

2022年11月25日 | ひとりごと

11月20日、図書館では第10回いちかい図書館まつりを開催しました。

例年、おたのしみくじの抽選や、おはなし会など、様々なイベントを目的に、図書館まつりには

たくさんの方がご来館されます。

今回は駐車場でのフリーマーケットが3年ぶりに復活したこともあって、全体的にも賑わっていました。

図書館でも、キャラクターの「いっとくん」を用いたグッズを総合案内で販売していました。

30周年記念で昨年販売を開始したバッグは新色のスカイブルーが初登場。

そして新たなキャラクターグッズとして、図書館まつりに合わせて手作りのシールを準備したのでした。

当日、私は図書館入り口正面に設置した総合案内に立っていました。

元々いっとくんというキャラクターが可愛らしいので、素人が作ったにしてはなかなか

見目良い感じのシールではありますが、図書館という場所でご当地ローカルグッズが

そうホイホイ売れるわけではありません。自分がもし一般の図書館利用者だったらと考えると

正直なところ、図書館のグッズ購入自体は来館目的にはなりえないと思うのでした。

 

午後になり、来館する方も次第に少なくなっていきます。

この日は換気のために入り口の自動ドアを止め、開館時間から全開にしていましたが、

人が減るにつれ館内の温度が下がってきたこともあり、運転を再開させました。

図書館まつりは15時まで。

あと十数分で終了というところで見切りをつけ、片付けを始めることにして、

広げていたグッズを箱にしまい、ポスターを剥がしているときでした。

自動ドアが開き、おばあちゃんと一緒に小さな女の子が入ってくると同時に、

そのおばあちゃんが女の子に向かって少し強い口調で言いました。

「ほら、どうしたいの?」

自分で言いなさい、と続けますが、小さな女の子は無言で俯いています。

助け舟を出すようにスタッフが「おたのしみくじ持ってるの?」などと声をかけますが、じっと沈黙を保っていました。

 

その後で分かった事ですが、おばあちゃんはこの時何も知らなかったそうです。

とにかく女の子から「今日15時までに図書館に行かなくちゃいけない」と言われ、時間も差し迫っていたので

慌てて連れて来てくれたそうな。

 

ほんの十数秒が長く感じた頃、自分でようやくタイミングをつかんだのか、女の子が顔を上げました。

「……シール」

普段であれば聞き逃しそうなか細い声でしたが、何故かその時の私には大きくはっきりと聞こえました。

女の子が勇気を出してくれたおかげでしょうか。

「あるある!あるある!!」反射的に答えていました。

たくさんのシールが入った箱の中身を見せると、女の子は少しホッとしたような表情を浮かべました。

可愛らしい小銭入れからたどたどしくお金を取り出している姿を見ていると、きっと自分のお小遣いから

買おうとしてくれたんだな、というのが伝わってきて涙腺がじんわりと緩みました。

大切なお小遣いを使う先に「いっとくん」のグッズを選んでくれた子がいたことが、とても光栄に思えました。

これは私の推測でしかありませんが、このシールが図書館まつりで発売されることを事前にどこかで知って、

欲しいと強く思い続けてくれたのかもしれません。

この小さな女の子の中に、その気持ちが今日まで残っていたのだとしたら凄いなあ。

結局、発売当日に売れたシールは6つ(うちスタッフ購入分が4つ)でしたが、引き続き図書館では

販売を続けてまいりますので、お求めの方はご来館の際にスタッフへお申しつけください。

売上は、コミックスなど図書館の資料購入等に充てさせていただきます

図書のリクエスト等がございましたら、リクエスト用紙に記入してスタッフへお渡しくださいね。

今後もいっとくん共々市貝図書館をよろしくお願いします

 

 

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