どうでもいいこと

M野の日々と52文字以上

梅雨の晴れ間

2013-07-17 02:26:03 | お天気
Dsc_4057


海の日は、夕方から日差しが出て来た。雨を言い訳にさぼっていた、庭の草取りや草木の剪定をしてのんびりと過ごした。
この雨の前に草取りはやっていたつもりなのだが、かなり伸びていた。


Dsc_4060


夕方はぼんやりした夕日だった。


Photo


最高気温と降水量はこんな感じ。7月に入って急に降り出した感じだ。草も伸びる訳だ。


Dsc_4081


今日はほぼ一日晴れ。シオカラトンボが飛んでいます。


Dsc_4113


ギンヤンマが産卵しています。


Dsc_4110


晴れていますが、オホーツク高気圧で晴れていました。最高気温は30.7度なのですが、少し乾いた過ごしやすい日です。

Dsc_4092


蝶も飛んでいます。


Dsc_4098


あまり見かけない蝶です。


Dsc_4105


ゴマダラチョウなのかと思いますが、色が茶色ですし少し青が見えます。よくわかりません。


Dsc_4114


ショウジョウトンボのメスでしょうか。飛んでいる所を撮ろうと粘ったのですが全くうまく行きません。


Dsc_4122


チョウトンボがいました。あまり見かけないトンボでしたが、今年はいます。
なんというかこのトンボ、カメラのAFが効かないトンボです。トンボそのものがレンズで追尾するだけでも大変なのですが、追尾出来れば大体AFが効くのですが、追尾出来てもピント外しっぱなしになります。


Photo_2


さて今年の夏はどうなるのでしょうか。今の所記録的な暑さなのは間違いがありません。


20130716_31734


これは昨日の気象衛星ひまわりの映像です。雲の形が訳が分かりません。太平洋高気圧が強いのかオホーツクが強いのか、はたまた揚子江高気圧が強いのか、解らない感じです。おまけに隙間に出来る低気圧の解らなさもあります。
不安定と言葉を濁しましょうか。


Dsc_4130


明日から順調に梅雨空に戻るようですが、そもそも盛岡には明快な梅雨と言うものはない訳で、生まれて初めての梅雨体験かもしれません。


盛岡私的観光案内 中野・スパーク

2013-07-14 21:06:54 | まち歩き
Photo


盛岡市には、ちょっと外観が変わったタバコ屋があります。スパークと言う店なのです。赤丸がスパークです。

実は先月自分で紙巻きたばこを作っている学生がいたのですが、そこでオススメしたのがスパークです。しかし本当にまだ営業しているのかどうか、しばらく確認していません。超マニアックな店なのでいつ無くなってもおかしくないし、それでいて絶対の老舗でもあるという訳の分からない確信があります。
そこでしばらく行かなかったスパークに行きます。


Dsc_4026


途中より道をしながら進みます。愛宕町の小道です。


Dsc_4028


小杉山の市営野球場です。高校野球岩手県予選が始まっていると言うのに、オヤジ野球チームが練習していました。ものすごく昭和の香りがします。ベンチの屋根の低さとかフェンスの高さとか突っ込みどころ満載です。
オススメは晴れた日曜日の午後、知らないチームの試合を弁当持参で見物する事です。

欠点はトイレ。改善しましたが。


Dsc_4030


クラシックカー発見!と思ったらどうも違うようです。でもこのままどこかに試運転に出かけてしまいましたが大丈夫なのでしょうか。エンジン剥き出しで。
どうも他の車を見る限り、フォードがお好きなようです。


Dsc_4031


盛岡バイパスです。向こうに見える信号が岩山の入口です。


Dsc_4032


さて中野に向かいます。

Dsc_4033


バイパス沿いに行けば良いのに脇に入って、若干迷います。市街地にリンゴ畑があったりします。百目木の屋号につられて撮影しました。ウチのボスの名字なのですが、関係無さそうです。


Dsc_4034


冒頭に地図を載せましたが、国道106号に曲がってすぐ、典礼会館と薬王堂の間の道を入ってまっすぐです。実は迷う予定だったのですが、あっさり到着。

さてこの外観!店の周りはグルっと自動販売機です。凄まじい壁面装飾ですが、電気代が心配になってしまいます。対面販売の窓口がチラっと見えます。


Dsc_4035


中南海の看板のあたりが入り口です。小錦クラスは入れそうにありません。

この店、今現在盛岡でも最も品揃えの多いタバコ屋です。盛岡と言うより80キロ圏内最大かもしれません。紙巻きタバコだけではなく、葉巻・パイプ・キセル・手巻きタバコと、タバコ周辺の器具、ライター等ムチャクチャな品揃えです。ZIPPOの品揃えが有名です。今回中は撮影しませんでした。でもカオスなのは相変わらずです。これはぜひ体験してもらいたいものです。タバコの煙が嫌いな人でも、店内に漂う高級タバコの匂いは好きになるかもしれません。
久しぶりのスパークなのですが、多少商品が整理されてスッキリしていました。とはいえカオスはカオス。

スパークのサイトはこちら。こちらから店内の写真が見れます。



昔初めて入った時、あまりものカオスにビビった思い出があります。その時タバコって文化なんだよ、と店主が教えてくれたのが思い出です。
逆に嗜好品の文化だから、超多品種になってしまうのですが、それを維持する心意気があります。
とは言ってもこのZIPPOコレクション(未使用)はいつ来ても驚く。


Dsc_4036



そのまま進んでゆくと、お屋敷が。デカいです。町家風なのですが、街のはずれもはずれなので、なぜあるのかよくわかりません。別邸ではないようですし。もしかするとムチャクチャな豪農だったのでしょうか。



Dsc_4037



梁川です。昨日から雨が静まっているので水量は収まっているようです。
この上流にダムが出来るのが決定しています。北上川の四十四下ダムの水量調整能力があれば無くても良かったのかもしれません。


Dsc_4038


梁川の河川敷でナゾのガーデニングを発見。違法のような気がします。逆にどうやって許可を取ったのでしょうか。


Dsc_4039


ちょっと上がって中野地区全景です。


Dsc_4041


蝶が森の斜面は果物畑です。葡萄の棚やリンゴ・ナシが植えられています。葡萄棚の下に、ギボウシが植えられているのが見えます。ギボウシは春にウルイと言う名で山菜として出荷されます。日陰に強いので、こうして混植しているのでしょう。ただギボウシは農薬の指定がない(逆説的に無農薬でなければいけない)のですが、多分出荷時期と葡萄の農薬散布時期がずれているから可能なのかと思います。

なお果樹で冬期に使われる、石灰硫黄合材やマシン油は「無農薬指定農薬」という、無農薬農業でも使用が認められている農薬です。


Dsc_4042


何だろう、この意味不明は。多分百合の球根を育てたくって花を摘んだと思うのですが、散らかしたまま帰ったようです。
少し気味が悪いです。


Dsc_4043


久しぶりに雨のない曇天なので、農作業に出る人が多かったです。


Dsc_4044


今日は5時から雨がパラつく予定です。ちょっと帰りをいそがなければいけません。

スパークで勧められたタバコです。JTの商品ですが沖縄限定の「ウルマ」です。カカオとオレンジピールの香りです。極わずかに、もしかするとミントとウイスキーでしょうか、クローブが更にわずかでしょうか。甘さとさわやかさがとても気持ちいいタバコです。バランスがいい味です。タール17mg、ニコチン1.2mgです。わかばと比べれば少し弱いタバコです。

いや専門店の凄さってこの辺りかな。せっかく来たのでシガレットケースを物色しようと入りました。シガレットケース、ちょうどいいものが見つからなくて捜していたのですが、まああるある。わかばのサイズで12本はいるものを捜していると言ったら、「これ新入荷」とか「ダンヒルもあるよ」とか出てきます。
そうしていたら、「わかばのソフトケースのデザインが好きじゃなかったら、沖縄タバコがあるよ」そう勧めてくれました。「税金の値上げで、若い人がわかば買っていってくれるんだけど、それだけじゃないって仕入れたの。結構人気が出ているのよ。」とオバチャンが言います。「デザインも良いんだけど、リピーターがついているのよ」そこまで言われれば買うしかありません。

いい店です。猫はチロでした。(行けば解る)


Dsc_4045


せっかくここまで来たのだから、山王の気象台に行きます。その手前で見かけた看板。
実はこの看板、この手書き調と丸ゴシックの二つの字体がありまして、手書き調の方がよりいっそうアレなので撮影しました。


Dsc_4046


気象台に続く坂です。近所の人に怪しまれました。「いや坂きついですね」「えっそう?毎日だから」



Dsc_4048


データーが怪しいと評判の盛岡気象台です。いつもお世話になっています。


Dsc_4050


計測器具です。盛岡気象台は岡の上にあるので、周囲の建物の影響が少なくなっています。とはいってもここまで市街地化が進めば、どうなのでしょうか。
気象台が設置された時代は、田舎に設置したつもりだったのですが現在は市街地と言うのはよくある話しです。多少の建物の規制は出来るとしても限界はあります。それでは移転すれば良いのかと言えば、過去のデーターとの補完性が問われます。可能であれば30年間同じようにデーターを取り続けた場所があれば良いのですが、その場所も市街地になったりしてしまいます。


最近学校気象台と言うのが出来ています。これは小学校とか中学校とか面積が大きい所に小型の計測器を設置して教育用に使うと言うものですが、これが気象台と結びついて細かいメッシュを作ると言うのが今後でしょうか。


Dsc_4049


気象台前プチ公園出現。でも観測場所なんでここは文句言えません。


Dsc_4051


さてこの山王の岡は、私道が多いようです。岩手銀行倉庫と言うよくわからないものもあります。
なにかあるのでしょう。


Dsc_4053_2


住吉様のお祭りです。


Dsc_4054


さんさ踊りの太鼓を担いで、カーボンの自転車が通ります。


Dsc_4055


梅雨はまだ続きます。


梅雨です

2013-07-14 02:22:15 | お天気
Dsc_3447


7月3日からずっと雨が降っています。多少マシだったのは10日くらいでしょうか。梅雨らしい梅雨です。


20130714_11328


気象庁の天気図です。実は北東北で、こんなにはっきりした梅雨前線があるのはあまり記憶にないです。いつもだったら南東北あたりで停滞して、その後一気に北上して梅雨明けになると言うものです。
しかももうしばらく停滞しそうな感じがします。


Dsc_4003


雨になると変な落とし物が出現します。スニーカーとTシャツ、靴下です。まとまって落ちている所から、金曜日にスポーツをして、そのまま着替えて自転車の籠に入れたまま飲み会にいって、帰りにここで転んだ、そんな所でしょうか。これはあり得そう。夜中8時から10時はパラパラ降っていましたが、後は三時まで結構降っていましたから。
今頃大慌てで捜しているのでしょうか。

大昔、こんな感じでパンティが道に落ちていた時には、気持ち悪かったです。一週間そのまんまに落ちていました。


Dsc_4005


夕顔瀬橋から北上川です。ずいぶん増水しています。とはいえこの時午後二時頃でしょうか、午前中はもっと凄かったです。


Dsc_4007


そこから太田橋にいって雫石川です。北上川より増水しているようです。今回の雨は秋田駒ヶ岳近辺で強く降っています。そのためでしょうか。


Dsc_4008


雫石川をそのまま南下します。砂利置き場です。一応営業しているようですが、コンベア等どうなっているのでしょうか。高度経済成長期にコンクリート用の川砂を取るために、河川敷近くにはこういった施設がよくありました。


Dsc_4010


ここも砂利・砂置き場だったような感じですが不明です。どちらも50年前の風景のように感じます。


Dsc_4013


太田橋から北上川です。もう一気に増水しています。何しろ3河川の合流点ですから。ザバザバと水が流れてゆきます。


Dsc_4016


雫石川との合流点です。写真ではよくわからないのですが、同じ濁流でも雫石川の方が濁っているようです。雫石川の方が水量が多そうです。


Dsc_4017


中津川との合流点です。こちらも負けず劣らずです。
なおこの3河川上流部にダムがあります。多分ですが、3つのダムの放水量を調整しながらきちんと流しているのでしょう。もう全部一気に放流だったらこの辺りは水浸しな訳で。


Dsc_4019


下の橋近辺から中津川です。こちらは川の傾斜がきついのでそれこそジャバジャバと流れています。



20130714_11353


気象衛星ひまわりの映像です。くっきりはっきり梅雨前線が伸びています。来週も雨が多いのは確定なようです。この3日間は、この前線に低気圧が載って動いたと言うのもありますが、次に中国大陸に上陸した台風がどう動くかで、この前線も変わるのでしょうか。とりあえずしばらく雨模様です。


Dsc_4021


帰り道よ市を通りました。参議院選でした。すっかり忘れていました。


Dsc_4022



大槌町の造り酒屋の、浜娘がブースを出していました。震災で、蔵を盛岡に引っ越しが決まっています。7月20日移転です。今は人の蔵で醸造していますが、今月から本格的なチャレンジがはじまります。エネルギーのある蔵なので今後が更に期待です。



Dsc_4024


青空が少し拝めた今日でした。


てつがくカフェ残りネタ

2013-07-11 03:29:18 | インポート
Dsc_3769


用意していたネタの中で、これはと言うのがあったのだが、結局使わなかったのがある。

DJポリスだ。

これのどこが「震災後の共同体のゆくえ」なのかと思うかもしれないが、実はオオアリクイなのだ。
行政から見た次の形なのかもしれない。

ワールドカップ予選で日本が決勝進出なるかと言う時、渋谷スクランブル交差点前に巨大な雑踏が出来るのは間違いがなかった。警察はそこで機動隊員まで動員して警備体制を作りました。あのスクランブル交差点ぜんぶを両手広げて線を引ける人数、角では肩を付けて並ぶ人数。少なくとも400人以上でしょうか。報道でも数百人とアバウトですが、多分その程度だろうと。バックアップまで含めれば1000人近いのではないのかと思います。


さてそうなると当然反発も起きやすくなる訳です。残った映像から見る限り警察もかなりその辺は気にしているようです。ソフトな対応をしようとしています。
ここで後方支援というか広報支援したのが、このDJポリスの話術でした。

この話しを聞いた時に、ああやっぱりと思ったものです。この話術は心理学・行動心理学を駆使して作られていると感じたからです。代表が「おまわりさんもうれしい」でしょうか。自分も共感していると表明して、「皆さんは12番目の選手です」と自覚させ、サッカーも公共の場もルールを守ろうと言います。そしてサッカーのルールとあわせて「イエローカードですよ」という。
共感を取る、次に自覚させる。次がないまぜにした上で自発的行動を起こすような発言をする。

これは ITで言われるアーキテクチャーの手法です。制度設計やほんのちょっとを工夫する事で人をどう誘導出来るのか、心理学や社会学まで使かって考えたものです。
解りやすい例えでは、ウエッブのバーナー広告でしょうか。広告が邪魔にならないようにしながら目立つようにどうするのか、そして効果的であっても見る人のシステムによっては本当にジャマなだけにならないように、様々な工夫が凝らされています。出来る限り衝動的にポチっとするようなれば良いのですが、衝動的では後々トラブルにもなりかねない。どう誘導するのか、が問題です。出来れば自発的にポチっとしてもらいたい。

アーキテクチャーの手法ですが、「自発的に」誘導するのがポイントです。人から強制されたのではなく、自分で選択して「自発的に」選んだものが一番満足出来る、と言うのが人です。そうなるようにする、と言うのが今後の行政課題です。
ただ根幹からの制度設計は難しいと思います。法や法令のしばりが大きいからです。ただ出来る所で、窓口業務や警備ではじまっているのかと考えています。


今回の件では、警備誘導コンテストが警察内であると言う事が解りました。彼はそのチャンピオンなのですが当然想定される事態での言葉は用意していたと思います。伝わる限り、半分アドリブと言う事は半分は用意してあったと言う事です。

それは当たり前ですよね。私でも絶対準備します。というかチャンプなら完璧に準備したでしょう。
それが彼個人だけかどうか、なのです。


憶測ですが、警備計画の中に彼の台詞は入っていたと思います。

実は彼が表彰された時に、考えたのです。なぜ彼が表彰されたのかです。確かに警察しかも機動隊のイメージを変えたかもしれません。賞としては一番ランクが低いのですが、本来は今回の警備隊長にあたえられるものが、彼に与えられた事に、とても違和感を感じるからです。

もちろん警視庁も柔らかくなっているのでしょう。上下とではなく。
ただ火消しに回っているように感じるのですよ。なので一気に表彰してコイツ凄いで終わらせようとしているのかと疑うのです。

組織として計画したと思います。


今の所、こういった手法はもっと増えてゆくと思います。その時まったりと暮らせる環境が出来上がるのですが、あんまりうまく行き過ぎると、悪い事しか起きなくなるような不安を感じています。

マキャベリだったと思うのですが、良い君主が3代続くと人民に悪いことが起きる、みたいな事を書いていたと思います。アーキテクチャーの手法は、そういた危うさを持っています。


今現在知りたいのは、あそこで日本が負けた場合のDJポリスの用意した原稿だ。これはあるはずだ。



プライスコレクション後期を見てきました

2013-07-11 02:59:14 | インポート
Dsc_3767


さて岩手県立美術館でのプライスコレクションも後期展示にかわり、残す所5日となりました。
梅雨空の中、行って見ました。


Dsc_3770


太田地区の田んぼです。今年は豊作になるでしょうか。多分この田んぼチッソ分が多いようです。葉色が濃いです。今年は多分猛暑ですが、お盆過ぎにガックっと気温が下がる可能性もあります。そうなったらイモチ病が出るんでしょうね。


Dsc_3771


水曜日の三時過ぎを狙っていったのですが、つまりガラガラを期待したのですが、駐車場が満員です。タクシーまで行列を作っています。
タクシーの運転手に聞くと、こんなのモネ展以来だとのこと。歴代でもトップクラスの入館者のようです。


Dsc_3772


県立美術館は畑や田んぼが、すぐそばにあります。隣の公園もちょっと草刈りが甘くて、野趣に富んでいます。


Dsc_3774


さて二階にある芦雪の黒牛図・複製です。記念写真も撮れます。

やはりですが、表具を見たり印を見たり、落款や賛を読んだりするので時間がかかります。今回改めて見て、面白かったのは、曾我蕭白の落款。前も気になっていたのですが、「蛇足直下十世孫」とあります。室町期の曽我蛇足という画家にインスパイアされて画風を築いたと言う意味でもありますが、それを直下十世孫と言い切る所に、自負と自分を大きく見せようという意味合いがあります。しかし蛇足という絵描きが本当にいたのかどうかと思うのですが、どうなんでしょうか。江戸時代まで名のしれた絵描きだとすれば現代でも何点かありそうな気がするのですが。今の所、伝承があるのが一点です。
曾我蕭白の場合、室町期の蛇足と言うより、そのあたりの禅林の絵画の影響のような気もするのですがどうなのでしょうか。蛇足と言う雅号も、禅林の影響を感じますし、それ以上に絵描きとしてへりくだった印象か、もしくは本当に書きすぎる画家だったのか。少し自虐の号でもあります。


Dsc_3776


今度は白像図です。しかし芦雪と若冲を混同している拝観者がいるのはオドロキでした。


若冲の落款も面白いものです。「平安城若冲居士藤汝鈞画於錦街隠室」となっています。隠居後の画だと言う意味ですが、伊藤汝鈞と書いていないのがなぜなのかは解りません。他にも違う落款があります。最晩年になると、また違う落款になっていたりします。なんというか使い分けがあったのか、年代別にあったのかは解りません。
ただやはり字体が面白いです。清朝期の字体の影響なのかどうか、何かそんな感じです。このあたり、賛助出品の葡萄図屏風の落款と見比べれば面白いかもしれません。



Dsc_3777


あと美人図で、字ををあえて左から書いているものがあります。本来は右から書くものなのですが、筆跡をたどるとどうも右利きの画家です。つまり左から書くのはかなり難しいのですが、もの凄くうまいです。なんでそうしたのかは解りませんが、なんか意図はあるはずです。
歌川国直の料理屋梧桐林店頭図の賛も面白いです。

後期は、円山派の絵画がまとまって出ています。この辺りも見所です。応挙の赤壁図なんか見所です。青い墨色と筆線がとても美しいです。円山派が流行る訳ですよ。

そう、墨って実は色があるのですよ。そして落款で濃墨を使う場合のテクニックもあるのです。濃墨って時間が経つと固まっちゃうんです。それをどうしたのか。ここいらも見所です。


Dsc_3778


もうここまでまとまった江戸期の日本画を見る事はそうないのではないのでしょうか。落款を間近で見れるのもそうそうないです。
酒井抱一と鈴木基一も飽きるほど見れました。いやなんでこの二人が伝統的に有名なのかよくわかりました。
もう芦雪とか若冲なんか使いにくい絵画だったのは間違いがありません。明治期ならなおさら使いにくいと思います。もう枠を外れていますから。

このコレクション、もしかすると南画がない。あの元祖ヘタウマがないというのが面白い所です。もしかすると来日の際に除いたのかもしれません。美人画では系統だったコレクションなのに、南画がないと言うのは実は良く解ります。
ヘタウマ作品は、偽物が多すぎると言う事でしょう。おまけに本質的な魅力のある画が少ないというのがあると思います。

江戸期の美術は、解りやすいんだけど解りにくい。日本人だから解る部分もあるのだけど、当時のあの古典文学やら歴史物にやたら博識な人たち、人口の20%以下の人たち、そのトップが愛した画です。おまけに道具です。

なにか負けた感が残りました。

伊勢物語を読み直すとするか。