ということでクリミア半島です。ウクライナ大変です。ええロシアが国際法違反ですから、まあ滅多に無い事です。
盛岡にブラックスワンがいる事と、ウクライナ情勢は全く関係がないのですが、ここまで緊迫した状況は無いと思います。
もの凄い図式ですよね。暴動でどうしようもなくなって議会が大統領を罷免、大統領はロシアに逃げます。そして議会が暫定政府を作るのですが、それは民主主義的に選ばれた正統性の無い政府、とも言えます。
その正統性のあるヤヌコビッチ前ウクライナ大統領には正当性があるのでしょうか?
無いですよ。そう考えるのは西側の人間だけかもしれません。それは政府が最初に発砲したということに根拠があります。非道な弾圧があった事は確かです。
それに対して武装勢力は攻撃をしてきました。そして成功したのですが、それは革命でした。
でも正当性があるかどうか怪しい段階で、ロシアはヤヌコビッチ前ウクライナ大統領から派兵要請があったと言います。ヤヌコビッチは民主主義の手続きでなった正統な大統領だと言う考えです。
民主主義国家に置いては、革命はあり得なかったのではないのか?そうロシアは言っています。資本主義の発展段階での革命とは違うよ?
これはクーデターであって、革命ではないとロシアが言っています。
ちょっと不思議な話しです。旧ソ連は革命によって生まれ、ソ連の崩壊も革命だったのではないのでしょうか?
変な事にウクライナはこれで二度目の革命になってしまったわけです。04年にオレンジ革命があります。でもこれはある意味祝福された革命です。ロシアもEUも認めた革命で、クーデターではなかった。だから認めたのですが、後でロシアがひっくり返したのは最近の話し。それでも今回は意見がまっぷたつに分かれています。
そう、正統性の取り扱いです。
確実に平行線をたどる議論になると思います。
解っているのは、いきなり19世紀の理論が出て来た事です。
昔、穏健な革命で出来た国がありました。憲法も出来ました。でも指導者達の力と、誘惑に対する心が弱く、すぐにグズグズになってしまいそうでした。そこで強大な隣国がイロイロ操作して王を送り込みました。
しかしこの王には人気が有りません。オマケに不正ばかりします。それでも隣国との借金の棒引きに成功するなど有用でもあったのですが、市民の事は無視していたツケが来ます。
市民によって追放された国王が、強大な隣国の王を頼って亡命、そこから正統性のある王を使って侵略すると言うやり方ですね。ところが周辺の国から遠国までこの革命を支持しています。立憲主義をとっていたのに、憲法を守らなかったのは王ではないのか?不正ばかりする王は、それ以前にも憲法に抵触していなかったのか?確かに革命は遵法ではなかったが、憲法の意義に則って追放した市民と議会こそが、正当性がある。
そう言った議論になっていると思います。
今回ロシアがとったのは、居留民の安全確保のために、他国の軍隊が入る、あの図式です。戦線が拡大する可能性の最も大きなものです。
はじめはヤヌコビッチ前ウクライナ大統領から軍隊の派遣要請があったからだと言っていましたが、その後微妙にトーンダウンして来ています。もっと言うならば、右往左往しています。
予測できなかったのでしょうか?
瞬間的にクリミヤ半島を押さえた反射は、ロシアの抱える恐怖心だったかもしれません。この黒海沿岸を押さえるにはイスタンブールを持つトルコと、クリミヤ半島を持つウクライナが最も有力です。ロシアの推進するユーラシア連合にとっても経済的に大きなウクライナの意味は大きかったのですが、クリミヤ半島の軍事基地を失う恐怖の方が大きかったかもしれません。
旧ソ連の行った敵性民族の強制移住はこの地域の民族に多いのです。実際今でも、この黒海沿岸周囲は紛争の多い地域です。この状態でクリミヤ半島を失うと、この地域からロシアは追放される、そう考えてもおかしくありません。そして、石油・天然ガスのパイプラインがこの地域に集結しています。国家の資金源が断たれる可能性もあります。
その恐怖の反応になったのだが、EUへの石油・天然ガス供給があるから実力行使したのかもしれません。確かに主導権はロシアにあります。軍事基地と言う既得権益もあります。だから出来るのでしょうが、あまりにも古い国という評判をとったのは間違いが無いでしょう。
ただこのロシアの動きが、中国に伝わる事を警戒しなければいけません。何も出来ないのですが。
今の所、中国は非難はしていないようですが、受け入れがたいと言う言い方をしているようです。賢明な判断なのですが、旧宗主国だった国に対して圧力をかけている国です。実質的にいまのロシアと変わらない所があります。
そして日本なのですが、ロシアのLGBT法について無視してソチオリンピック開会式に首相がいきました。それはそれで悪い話しではなかったのですが、LGBT法についてEUやアメリカが反撥したのはこのウクライナ問題があったのも大きかったと感じます。
その意味で、安倍首相はあまりにもドメスティック過ぎるように感じます。
北朝鮮がこの隙間にロケット砲やミサイルを打っているのも気になります。彼らにとってタイミングは正しいのですが、それが他国にどう影響するのか解っていないのが残念です。ウクライナで世界が注目しているスキにやってしまえ、そう言った理論を感じます。
そう言えば、北朝鮮は太陽黒点サンプルを入手したとのニュースが入っていました。
大変申し訳ないのですが、私に「そこまで落ちぶれたのか」と言わせるほどの、取引材料にならない実験でした。
さてどうなるのでしょうか。
カラスが南に向かいます。
21世紀は、20世紀の置き土産ばかりです。
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