どうでもいいこと

M野の日々と52文字以上

シブリアン・カツァリス様

2014-10-25 03:01:04 | インポート
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今日も快晴だった。だが腱鞘炎の具合が悪い。とはいっても指に力が入らなくなるほど酷い訳ではない。最悪ではないと言う事だ。

だが利き手と言う事で、やれる事が限られてしまう。少し時間が空いたのでイロイロやりたいのだが、腱鞘炎を考えると何も出来なくなってしまう。泳ぎに行こうとも思っていたが、アマゾンに注文していたCDが届いたのでそれでも聞いて過ごす事にする。




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先週NHKFMで、ワーグナーのトリスタンとイゾルテの第一幕前奏曲ピアノ版がかかっていたのだが、その演奏がシブリアン・カツァリスの演奏だったので、アマゾンで捜したのだがものの見事に新品が無い。



シブリアン・カツァリスと言えば日本でも人気のピアニストだ。来日数も多い。それこそNHKFMで、海外ライブの収録放送なんかでもよく聞くピアニストだ。なので人気があってCDもあるだろうと高をくくっていた。


結局中古を2枚買ったのだが、プレミアムが既についていた。ワーグナーは1000円、マーラーの大地の歌に至っては、3倍のプレミアだ。嘘だろ、まだ彼は死んでいない!


これくらいのプレミアだったら再販されても良さそうなものだ。とはいえワーグナーの楽劇をピアノ用に編曲したものばかりを集めた「ワグネリアーナ」なんかもの凄く趣味の悪いジャケットだ。編曲した作家達と曲目が極めて趣味がいいのと、演奏の質も高いのに市場評価が低いのはこのせいだろう。
マーラーは、そもそもテルデックのレーベルだから日本では扱いが低いせいかも知れない。ブリギッテ・ファスベンダーのメゾソプラノとトーマス・モーザのテノールの組み合わせというゴージャスなディスクなのだが。まあ凄すぎて、違和感がある人は多いと思う。





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結局はCDが売れなかったと言う事なのだろう。元々クラシックのCDは売れるものではない。そしてシブリアン・カツァリスと言えば超絶技巧、そしてフランス人だ。


なぜか日本では超絶技巧のピアニストは好まれない。ポリーニくらいだろうか。それもドイツグラモフォンに所属していたからかも知れない。アンドレ・ワッツがどの程度売れたか?なにか超絶技巧=表現力が無い、そう言った図式に置きがちなような気がする。あと伝説が好きですね。キーシンのカラヤンが引っ張って来たと言うのは有名ですが、今の彼の超絶技巧は誰もいわないような気がします。


というか、今現在クラシックのメジャーレーベルに載れるピアニストはすべて超絶技巧派なのです。





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なぜか日本ではフランス人のピアニストは好まれてこなかったような。破滅伝説を持つサンソン・フランソワだけだろうか。確かに内面の表現より演奏者としての曲の表現を大切にする演奏者が多かったような。だから評論家から嫌われたのかも知れない。まあドイツ文学者がクラシック批評していた時代が長かったと言うのは大きい。



ピアノに限らず、フランス人の演奏家は音の質をとても大切にしていると思います。そしてその無理の無い発声を心がけていると思います。結果軽く聞こえてしまう、結局フランス語なのです。ドイツ語ではありません。そして間を追求する日本語でもありません。そこが嫌われるのでしょうか。



そういったことで、シブリアン・カツァリスのCDは日本で売れないのでしょうか。



後重要な所は、彼はオーケストラの編曲版を好んで弾く傾向がある。そこに嫌われる理由があるのかも知れない。オーケストラ版と表現が違ったりする。ピアノだから違う表現でいいんじゃないの?と思うのだが。


間違いの無い確実な演奏家なのですが。ただ私がニコンのレンズにイチャモンを付けている構図と同じなのかも知れない。

夢が無いとかロマンがないとか、ほとんどイチャモンですね。






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クラシックはMP3などの圧縮音源には向かない。だから普通の配信音源のせいで需要が減ったとは思われない。
それではCDが売れていないのはなぜかと言えば、ハイレゾ音源に一部が向かっていると言うのが大きいかも知れない。少ない需要が更に食われている状況かも知れない。


そしてシブリアン・カツァリスは独自レーベルを立ち上げた。まあそのせいでメジャー配信が無くなったと言う事なのだろう。





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これくらい音楽の構造が解って、最適な表現と音色に出来るピアニストはそうそういないと思うのだが。


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