4月28日発売のビックコミックスピリッツで掲載の「美味しんぼ」で、主人公の山岡が、福島に行って鼻血を出して放射能との因果を臭わせて、問題になっていた。それが今日5月12日発売の24号で、微量な内部被爆と鼻血の因果関係をはっきり言う形になった。
28日の時点でも、小学館にかなり苦情が来ていたようだ。なぜかオリコンスタイルから引用。
作中にも出ている前福島県双葉町長の井戸川克隆さんは記者会見で述べた。毎日新聞から引用する。
で、12日には福島県と大阪府が厳重抗議する。マイナビニュースから引用。
福島県の抗議は
大阪府の抗議は
これは岩手県にも関係してくる内容です。正直な所宮古のガレキで被害があるならば、私や私の回りでも鼻血だらけになるはずなのだが、無いですね。大阪で燃やして外に出てしまったセシウムが、鼻血を誘発しているとすれば、それ以上に降った私らはどうなっているのか?大阪はこの3年間の大気汚染状況とあわせて検討した方が良さそうです。
さて私の意見なのですが、まず24号掲載分の内容に関しては、こういった考えもあります、と言う程度です。
特に低線量内部被爆の場合、ペトカワ効果と言うのが知られています。低放射能の水溶液で、人工的に作った粘膜が破壊されると言う現象です。理由としては放射線が活性酸素を作り出し、それが粘膜に悪影響を及ぼすと言うものです。これが免疫機構に起きると、倦怠感や疲労感に繋がるのではないのかと言われています。
ただ人体には活性酸素を打ち消す事も出来ます。なのでどの程度活性酸素が発生したら、症状になるのかと言うのは良くわかっていないのが実態です。一つの説です。鼻の粘膜に放射性物質が集まったからだと考えれば妥当かもしれませんが、ホールボディカウンターによる精密検査と比較しないと実際にそうだとは言い切れないものです。
盛岡市もそれなりに放射能物質が振りました。だから人ごとではないのですが、少なくとも岩手・宮城・埼玉・群馬・茨城・千葉辺りも鼻血だらけになっている証拠が欲しいものです。
さて、「美味しんぼ」が終わったコンテンツ、通称オワコンと呼ばれてどの程度たつのでしょうか。私の見る所、全国味巡り当たりから相当怪しくなっていたと思います。私の場合ですが青森編の時に、青森の郷土料理にこんなのがあったのか?とか、その説明当たりで?とかイロイロ?でした。で、最後にこの山のカットはどの山だ?となりまして、検討した結果資料の取り間違いなんじゃないのか?となりました。
実際この味巡り編は他県でも同じように?と思う人たちが多かったようです。
なぜこんな事になったのかと言えば、週間紙ではちょっと取材時間が足りなさすぎたせいと、マンガはエンターティーメントです、その枠組みで書けばムリがあると言う事です。
リアリティを出すために実在の人物を出す事も、この頃から定番となって来ている手法ですが、ページ数や「美味しんぼ」の枠組みから、どうしても他の意見を盛り込む事が出来なくなります。特に反対意見を入れるために登場人物が多くなればなるほど、読者にとって非常に読みにくくなります。
その上結果も出さずにモヤモヤって終わってしまうと、エンターティーメントとしては問題があるわけで、最後にはどこかキメツケで終わらなければ行けません。この辺で無理が相当あったと思います。
「美味しんぼ」に影響力があったのは、実はこういったリアリティを高める手法前だったと思います。その過去の作品も、今ではそれはどうなんだという批判があります。
そのあたり「ミスター味っ子」の寺沢大介みたいに、他の作品で自分の過去の作品を平気で否定したり出来るほど、雁屋哲はエンタメに徹していないと言うのも問題です。そしてオーストラリアに住んで、原作を書いていると言うのも、空気を読み切れなかった原因かと思います。オーストラリアには原発がありませんからね。書きやすいですよ、このお話は。
最後に、久しぶりにスピリッツを買いました。いやあの全国味巡り編があんまりにも酷くて、それが載っている雑誌を買うのも嫌になったということです。もうあの辺りから「美味しんぼ」はオワコンで、リアリティを出そうと様々な登場人物を出せば出すほどエンタメと齟齬が大きくなり、逆にこれは雁屋哲の独善だよな~と思われてしまうわけです。
なので、マトモな人はこのマンガを受け付けないでしょう。風評被害があったとしても限定的でしょう。むしろもうそろそろ最終回がウワサされて来た「美味しんぼ」ですが、その寿命を縮めただけになると思います。
雁屋哲はマンガ原作者として希代のエンターティーナーだと思います。その彼がなぜ「美味しんぼ」だけ徹底できなかったのか、その気持ちは解らないわけでもありません。彼は時代に取り残されてしまった。それにあがいているだけなのだと思います。
PS
炎上商法の疑いもありますけどね。それは置いておきましょう。
ちょっと、活性酸素がどの程度発生するのか計算した人がいました。多分体外被爆として計算していると思うのだけど、体内で自然に発生する活性酸素と同量の活性酸素を、セシウム137のベーター線で作ろうとすれば2.42~5.02 E13 Bq必要だと言う事ですね。
テラレベルですか。鼻血だけでは済まんな。
28日の時点でも、小学館にかなり苦情が来ていたようだ。なぜかオリコンスタイルから引用。
同日の「美味しんぼ」では、主人公らが鼻血や疲労感を訴える場面があり、双葉町元町長の井戸川克隆氏が「私も鼻血が出ます。今度の立候補を取りやめたのは疲労感が耐え難いまでになったからです」「福島では同じ症状の人が大勢いますよ。言わないだけです」と真顔で発言している。
同編集部は、これらの描写や表現について「綿密な取材に基づき、作者の表現を尊重して掲載させていただきました」と説明。さらに、「鼻血や疲労感が放射線の影響によるものと断定する意図は無く、取材先の皆様の実体験や作者の実体験について、作中登場の実在の医師に見解を問う展開となっております」と釈明した。
作中にも出ている前福島県双葉町長の井戸川克隆さんは記者会見で述べた。毎日新聞から引用する。
9日、東京都内で記者会見し、「実際、鼻血が出る人の話を多く聞いている。私自身、毎日鼻血が出て、特に朝がひどい。発言の撤回はありえない」
で、12日には福島県と大阪府が厳重抗議する。マイナビニュースから引用。
福島県の抗議は
「福島は住めない」との表現については、世界保健機構(WHO)の表現を引用し「被曝線量が最も高かった地域の外側では、福島県であってもがんの罹患リスクの増加は小さく、がん発生の自然のばらつきを超える発生は予測されない」との評価を受けていることを強調。国連科学委員会(UNSCEAR)の報告書でも、将来的に被曝による健康影響の増加は予想されていないことを明らかにしている。
大阪府の抗議は
大阪府については、5月12日発売号で「大阪で、受け入れたガレキを処理する焼却場の近くに住む住民1000人ほどを対象に、お母さんたちが調査したところ、放射線だけの影響と断定はできませんが、眼や呼吸器系の症状が出ています。」「鼻血、眼、のどや皮膚などに、不快な症状を訴える人が約800人もあったのです。」(原文まま)との記述があった。
しかし、大阪府によると「岩手県宮古地区の災害廃棄物を受け入れているものの、運搬や焼却などのそれぞれの段階において放射線量測定を行なっており、受け入れによる影響は確認していない」という。そのため「漫画に記述されているような健康影響が出るとは考えられない」と、因果関係を否定。
その上で、大阪府として保健センターや医師会にそのような健康被害が存在しているか重ねて確認を行なったが、「作中に表現のある状況は確認できなかった」としている。
これは岩手県にも関係してくる内容です。正直な所宮古のガレキで被害があるならば、私や私の回りでも鼻血だらけになるはずなのだが、無いですね。大阪で燃やして外に出てしまったセシウムが、鼻血を誘発しているとすれば、それ以上に降った私らはどうなっているのか?大阪はこの3年間の大気汚染状況とあわせて検討した方が良さそうです。
さて私の意見なのですが、まず24号掲載分の内容に関しては、こういった考えもあります、と言う程度です。
特に低線量内部被爆の場合、ペトカワ効果と言うのが知られています。低放射能の水溶液で、人工的に作った粘膜が破壊されると言う現象です。理由としては放射線が活性酸素を作り出し、それが粘膜に悪影響を及ぼすと言うものです。これが免疫機構に起きると、倦怠感や疲労感に繋がるのではないのかと言われています。
ただ人体には活性酸素を打ち消す事も出来ます。なのでどの程度活性酸素が発生したら、症状になるのかと言うのは良くわかっていないのが実態です。一つの説です。鼻の粘膜に放射性物質が集まったからだと考えれば妥当かもしれませんが、ホールボディカウンターによる精密検査と比較しないと実際にそうだとは言い切れないものです。
盛岡市もそれなりに放射能物質が振りました。だから人ごとではないのですが、少なくとも岩手・宮城・埼玉・群馬・茨城・千葉辺りも鼻血だらけになっている証拠が欲しいものです。
さて、「美味しんぼ」が終わったコンテンツ、通称オワコンと呼ばれてどの程度たつのでしょうか。私の見る所、全国味巡り当たりから相当怪しくなっていたと思います。私の場合ですが青森編の時に、青森の郷土料理にこんなのがあったのか?とか、その説明当たりで?とかイロイロ?でした。で、最後にこの山のカットはどの山だ?となりまして、検討した結果資料の取り間違いなんじゃないのか?となりました。
実際この味巡り編は他県でも同じように?と思う人たちが多かったようです。
なぜこんな事になったのかと言えば、週間紙ではちょっと取材時間が足りなさすぎたせいと、マンガはエンターティーメントです、その枠組みで書けばムリがあると言う事です。
リアリティを出すために実在の人物を出す事も、この頃から定番となって来ている手法ですが、ページ数や「美味しんぼ」の枠組みから、どうしても他の意見を盛り込む事が出来なくなります。特に反対意見を入れるために登場人物が多くなればなるほど、読者にとって非常に読みにくくなります。
その上結果も出さずにモヤモヤって終わってしまうと、エンターティーメントとしては問題があるわけで、最後にはどこかキメツケで終わらなければ行けません。この辺で無理が相当あったと思います。
「美味しんぼ」に影響力があったのは、実はこういったリアリティを高める手法前だったと思います。その過去の作品も、今ではそれはどうなんだという批判があります。
そのあたり「ミスター味っ子」の寺沢大介みたいに、他の作品で自分の過去の作品を平気で否定したり出来るほど、雁屋哲はエンタメに徹していないと言うのも問題です。そしてオーストラリアに住んで、原作を書いていると言うのも、空気を読み切れなかった原因かと思います。オーストラリアには原発がありませんからね。書きやすいですよ、このお話は。
最後に、久しぶりにスピリッツを買いました。いやあの全国味巡り編があんまりにも酷くて、それが載っている雑誌を買うのも嫌になったということです。もうあの辺りから「美味しんぼ」はオワコンで、リアリティを出そうと様々な登場人物を出せば出すほどエンタメと齟齬が大きくなり、逆にこれは雁屋哲の独善だよな~と思われてしまうわけです。
なので、マトモな人はこのマンガを受け付けないでしょう。風評被害があったとしても限定的でしょう。むしろもうそろそろ最終回がウワサされて来た「美味しんぼ」ですが、その寿命を縮めただけになると思います。
雁屋哲はマンガ原作者として希代のエンターティーナーだと思います。その彼がなぜ「美味しんぼ」だけ徹底できなかったのか、その気持ちは解らないわけでもありません。彼は時代に取り残されてしまった。それにあがいているだけなのだと思います。
PS
炎上商法の疑いもありますけどね。それは置いておきましょう。
ちょっと、活性酸素がどの程度発生するのか計算した人がいました。多分体外被爆として計算していると思うのだけど、体内で自然に発生する活性酸素と同量の活性酸素を、セシウム137のベーター線で作ろうとすれば2.42~5.02 E13 Bq必要だと言う事ですね。
テラレベルですか。鼻血だけでは済まんな。