カミノアナログ

POGに命を削る日々を綴る「紙の穴」ブログ編。ドラフト終了までは日当たりアクセス100以下に抑えたいんで、ご協力よろ。

厩舎タイポロジー

2009-06-03 | pog-stable
つねづね言っていることだが、野球におけるセイバーメトリクス的な視点が、競馬、とくにPOGや一口馬主には足りない。
厩舎に近いところにいるマスコミには、どうしても取材対象を突き放すことができない。
したがって冷静な分析は、POゲーマーや一口出資者がみずから行うしかないんである。

ドラフト前なので、厩舎研究の内容からひとつ大事なことを指摘しておこう。
過去5世代について、ダービーまでで1走当り賞金の高い厩舎から順に並べると、こうなる(池江寿のみ、実質的に調教した過去4世代の平均とした)。

タイプ 厩舎 出走馬の勝上率 勝率 1頭当り賞金 = 平均出走数 × 1走当り賞金
狙撃タイプ 栗・松田博 53% 19%  1731 = 4.2 × 411
狙撃タイプ 栗・角居勝 42% 16%  1646 = 4.2 × 388
連射タイプ 栗・松田国 49% 16%  1650 = 4.7 × 352
狙撃タイプ 栗・池江郎 60% 21%  1431 = 4.1 × 344
精密タイプ 栗・藤原英 50% 21%  1154 = 3.5 × 330
狙撃タイプ 栗・池江寿 67% 23%  1316 = 4.0 × 324
精密タイプ 美・萩原清 52% 20%   996 = 3.2 × 314
狙撃タイプ 美・藤沢和 68% 22%  1305 = 4.2 × 306
連射タイプ 栗・橋口弘 46% 13%  1547 = 5.8 × 267
狙撃タイプ 栗・友道康 44% 16%  1042 = 3.9 × 267
普通タイプ 栗・橋田満 40% 13%  1085 = 4.3 × 254
普通タイプ 栗・音無秀 53% 17%  1088 = 4.3 × 254
狙撃タイプ 栗・松元茂 46% 15%   892 = 3.9 × 226
普通タイプ 美・国枝栄 50% 16%   952 = 4.3 × 222
普通タイプ 栗・石坂正 48% 15%   936 = 4.4 × 214
狙撃タイプ 美・加藤征 51% 16%   780 = 3.8 × 207
狙撃タイプ 栗・大久龍 38% 14%   771 = 3.8 × 204
爆撃タイプ 美・二ノ宮  39% 14%   731 = 3.7 × 197
狙撃タイプ 栗・森秀行 32% 11%   764 = 3.9 × 196
普通タイプ 美・小島太 45% 13%   812 = 4.3 × 188
連射タイプ 栗・山内研 44% 11%   957 = 5.7 × 167
普通タイプ 栗・鮫島一 41% 13%   651 = 4.0 × 162
爆撃タイプ 美・田村康 25% 10%   577 = 3.6 × 162
連射タイプ 栗・浅見秀 41% 10%   944 = 5.8 × 161
(06世代全体の平均は 25% 7%  436 = 4.4 × 99)

「連射タイプ」の松国、橋口、山内、浅見は、回数使いながら稼ぐ厩舎。中堅では宮、中竹、坂口則、美浦の堀井などもこのタイプだ。とくに早熟馬に適しており、ダービールールのPOGでは指名価値のある厩舎だと言える。

「普通タイプ」はここではおいておく。

「狙撃タイプ」の松博、角居、池江親子、藤沢、友道などは、回数をやや抑えながら大レースを狙う厩舎。名門といわれる厩舎に多いスタイルである。

そして「精密狙撃タイプ」の萩原、藤原英はきょくたんに回数を抑えて、狙いうつ厩舎。ロジユニのように使いこめない馬に合い、ほかでは藤岡健、堀などが思い当たる。かつては藤沢和もこのタイプであったが、最近ではやり方を変えている。

いっぽう「爆撃タイプ」の二ノ宮、田村も出走数の少なさから一見「精密狙撃タイプ」に見えるが、こちらは登録頭数が段違いに多く、1頭当り賞金は低くとも、厩舎ぜんたいで小銭を稼ぐ形。中堅どころでは領家、池上、戸田、奥平、和田道なども同様だ。
(外厩と組んで馬をつぎつぎ入れ替え、高回転させることで勝てなくても稼げるスタイル。最低限使ってくれるので馬主や一口出資者も一応満足、という、森イズムの悪い意味での後継者なんだが、さいきん美浦にどんどん増えている。そして、社台系の割合が高い厩舎が多い。イヤな言い方になるが、つまりこれらは現在、社台の馬余りを処理する工場のような役割を果たしているんである。
頭数多い分、もちろんブレイクランアウトのような一発もある。しかし確率はひどく低い。いまの西高東低は、坂路のつくりがどうこうといった話ではなく、持ち乗り助手の有無から始まる人事制度の違いが原因だと俺はかんがえているが、それがさらに上記「爆撃タイプ」厩舎の増加をまねき、結果として西高東低をさらに強固なものとしているように思う。)
ちかごろPOGや一口で危険なのは、じつはこの手の厩舎ではないだろうか。