カミノアナログ

POGに命を削る日々を綴る「紙の穴」ブログ編。ドラフト終了までは日当たりアクセス100以下に抑えたいんで、ご協力よろ。

確変予告-12年目のキセキ

2009-06-16 | pog-strategy
今年のクラシックで、新種牡馬ネオユニ産駒とならんで、6年目のスペシャルウィーク産駒が大活躍したように、生産界には「ある程度予測できる大成功」というものがある。これを俺はパチンコになぞらえて「確変」と呼んでいる。
言うまでもなく、スペの場合は05年春に2年目産駒のシーザリオやインティライミが活躍をみせ、生産界にスペへの期待感とお値頃感が広まったからだった。

種牡馬のほかにも「リーチ目→確変」にはいろいろある。
一口馬主のリニューアル初・次年度や、調教師の代替わり、育成替わり、故障馬の補填、特定の馬主の厩舎開拓初・次年度など。これらは潜伏期間のある伝染病や、時限式の爆弾みたいなもので、変動の数年後にじっさいの爆発が起こる。
したがって、2歳馬が種付あるいは誕生したころのトレンド(リーチ目)を憶えておくことは、POGに欠かせない戦略のひとつなんである。

今年の2歳馬についても、いくつかの確変が予測できる。

もっともかんたんで、確実なのはフジキセキ産駒の台頭だろう。
もともと、繁殖シーズン半ばに急遽種牡馬入りしたこともあり、フジキセキは初年度から繁殖の質には恵まれなかった。初年度の新種牡馬リーディングも取れなかったし、勝負の2年目ではダイタクリーヴァがクラシック惜敗。ダンスインザダーク産駒にG1勝利を先駆けられてからは、ますます不遇になった。何よりサンデーという偉大すぎるライバルがいて、リーディング2位をとっても目立たなかった。
サンデーの七光りで種牡馬になれたものの、種牡馬生活はサンデーに圧迫されていたのだ。
DS師匠はつぎのように書いている。

>大種牡馬のサイアーラインが同じ地域でずっと続かないのはなぜか。
>血統史は教えている。
>時間的、地域的、或いは血縁的に、偉大な種牡馬に近ければ近い存在ほど、
>強く圧迫されて負の影響を受けやすい。大種牡馬の子が種牡馬として成功する
>のは、殆どが父の死後か、別の場所に於いてである。
(某パティオログより引用、本人許諾済)

俺も別の角度から、似たような分析をした。
なおフジキセキ産駒については賞さんのブログが詳しく、参考になるエントリも多い。

サンデー自身の初年度産駒で、もっとも早く種牡馬入りしたフジキセキ。かれはサンデー系でもっとも長い間サンデーと並んで供用されていた、いうならば「真昼の星」だった。
サンデー死後、05年7月カネヒキリによる産駒G1初制覇を合図に、フジキセキ産駒は次々と活躍をはじめる。06年晩冬の重賞5勝(4週連続。その最後がカネヒキリによるG1フェブラリーS勝ち)は、まともな繁殖を当てればフジキセキはデキるヤツだ、という印象を強く与えた。サンデーという日が沈み、キセキは「宵の明星」となって輝いた。
その直後の種付けシーズンが、今年の2歳馬になるんである。

今年、種牡馬1頭縛りPOGで10頭指名しろと言われれば、俺はタキオンでもネオユニでもスペでもなく、フジキセキを選ぶ。
好配合馬をあげておこう。

母ア●マイヤテレサ 牡 栗東・松田博資 ア●マイヤコウテイ
:5代アウト、Cosmah4x6。芝8Fベスト、早熟か…? ややぎこちないが母にキセキにはあう。
母オ●ラ 牡 美浦・松山康久 カ●ェラビリンス
:Halo3x3。芝7Fベスト、早熟の快速馬。トライアル向き。
母カ●ラパワー 牡 栗東・藤岡健一 ス●ィルゴールド
:Mill Reef≒Millicent4x4、HtR4x5、Alm5x6。やや芝向き、8Fベスト。斬れ味抜群。トライアルやマイルC向き。母はMontjeuの従妹だが、累代の違いでここまでタイプが違うのは面白い。
母グ●ースランド 牡 栗東・松田博資 セ●クリッドセブン
:ドリパス全弟。5代アウト、Wild Risk4x6、Hyp788x57778。芝10F以上ベスト、晩成のステイヤー。有馬ルール向き。ダービールールでは苦しい。
母シ●キングマイラブ メス 美浦・国枝栄 グ●ーンウィズダム
:6代アウト、さらに相反する要素が同居して判断が難しい配合。やや芝向き、9Fベスト。そこそこ斬れる。使いこんでよくなるので、デビュー時期が早いかどうかが他馬と比べてかなり重要。
母シ●ンソネット 牡 栗東・松田国英 ダ●ンシャンティ
:Halo3x3。芝7Fベスト、斬れ味抜群。トライアル向き。
母ス●レイトフロムテキサス メス 美浦・二ノ宮敬宇 ク●フォード
:斬れ味するどい快速フジキセキ牝馬。最近の二ノ宮はショウナンタレントなど牝馬に良績(不出走馬も多いが、使えば勝馬率は高い)。
母ス●リングネヴァー 牡 栗東・橋口弘次郎 シ●イニーナイト
:ダイタクリーヴァ全弟。6代アウト、Nas7x556。好配合だが母高齢で信頼性はいまひとつ。
母ス●リオルパール メス 栗東・松田博資 タ●ノサムアップ
:Alm5x5。芝8Fベスト。母の4年ぶりの産駒。端正な配合で斬れる。
母タ●スブルーム 牡 栗東・森秀行 ベ●トブルーム
:やや芝向き、8Fベスト、斬れ味あってかつある程度距離ももつ。
母デ●ーバ メス 栗東・平田修 タ●ノディーバ
:In Reality4x4、Alm5x6。ダート向きだが、若いうちは芝でも。
母テ●エッチグリーン 牡 栗東・池江泰郎 イ●イカブラウン
:やや芝向き、8Fベスト、末脚斬れる。トライアル向き。
母テ●クミーハイヤー 牡 栗東・松田博資 ス●イフォレスト
:5代アウト、Alm5x6。芝12Fベスト、やや晩成のステイヤー。有馬ルール向き。ドリパスとは3/4以上同血、この手のフジキセキステイヤーを一番上手く鍛えられるのがどこの厩舎かはもう言うまでもない。
母デ●トナイト 牡 栗東・田中章博 フ●ンドリトレイン
:Tt5x5、Alm5x7。スピードがすばらしい。トライアルやマイルC向き。2歳馬シルエットトーク-3で取り上げた。
母ト●ッキーコード 牡 栗東・角居勝彦 エ●クリプション
:5代アウト、Tt5x6、Phr6x667899。芝ダ兼用、9Fベスト。サイレンススズカに似た個性的な配合。上がデビューできなかったことなどもかんがえると、ダービールール向きでは割引が必要か。
母パ●ソナルレジェンド メス 栗東・藤原英昭 ミ●クルレジェンド
:5代アウト、Alm5x67。芝7Fベスト。牝馬向きの斬れ味がある。トライアル向き。鉄砲が効くのはこの厩舎に適。
母ブ●リアントベリー 牡 栗東・音無秀孝 ヒ●ロー
:芝ダ兼用、8Fベスト。斬れ味あるスピード馬。