米に染まらず平和追求を
米映画監督 オリバー・ストーンさん
原水爆禁止2013年世界大会には、参加者が自分たちの歴史について考え、核兵器・原発について強い思いを抱いているという印象を持ちました。最も自覚の高い人たちだと感じました。
しかし日本の多くの人たちは、自分たちの歴史を知らされていないのではないでしょうか。
「再教育」の努力
戦争中の日本の残虐行為を知っている人たちもいると思います。しかし私は(同じ敗戦国の)ドイツが戦後たどった道を日本はたどってこなかったと思っています。それは国民を「再教育」する努力を行わなかったということです。
戦後、日本を占領した米国の捻じ曲がった戦争観に沿った歴史の見方の結果、日本国民はある意味、米国から自立できなくなってしまったのではないでしょうか。米国に異を唱えた日本の首相がいたでしょうか。
私には、ドイツが日本のたどるべきだった道筋を示しているように思えます。たとえば(2003年の)米国のイラク開戦にドイツは反対しました。そのことでドイツは世界に、道徳的な規範を示しました。しかし日本は開戦を支持しました。
アジア軍拡懸念
安倍首相は右翼的で危険な人物です。広島・長崎の平和記念式典では、市長や被爆者が演説で首相を批判していました。首相の原発推進の姿勢は、ヒロシマ・ナガサキから何も学んでいないかのようです。
私は今、アジアでかつてなく軍拡が進んでいることを懸念しています。ベトナム戦争後初めて、米国がこの地域に照準を合わせています。中国と対抗するオバマ米政権の「アジア基軸」戦略は世界にとって危険です。そのなかで日本は米国の手先となっています。
若い人たちにはエネルギーがあります。恐れることもない。みなさんの政府を変えてください。米国に染まらず、米国との軍事同盟から脱退し、世界に対する道徳的な権威となり、東アジアに平和をもたらしてほしい。「脱オバマ」を追求してほしいと思います。
(しんぶん赤旗2013年8月17日)
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