ヒデ系の瞳

平和憲法尊守

コンフェデ杯・ブラジル代表 デモに心寄せる選手たち。

2013-06-23 | 憲法
フェアプレーの風 ―サッカーブラジル代表

デモに心寄せる選手



 民衆の叫びに、選手は無関心でいられませんでした。
 ブラジルの100都市に広がるデモが、サッカーの国際大会コンフェデレーションズカップと同じか、それ以上に世界の注目を集めています。

 抗議行動は、サンパウロの公共交通機関値上げに反対するデモをきっかけに、ブラジル全土に広がりました。ほんの一部の暴徒をのぞいて、平和的に行われています。
 100万人に達したデモの参加者は、病院で5時間も待たされるなどの劣悪な医療の改善や、教育の充実を政府に要求。物価上昇や、1年後に開かれるワールドカップ(W杯)競技場の巨額な建設費に対する不満も渦巻いています。
 
 おりしも、サッカーの各大陸チャンピオンが世界一を争う大会のさなか。ブラジルは代表チームの活躍とコンフェデ杯の安全な開催を通じて、来年のW杯成功へ弾みをつけたいところです。
 その時期に起きた全国規模の示威行為は、大事な試合に集中したいブラジル代表選手にとって、雑音になりかねません。
 
 ところが、違いました。

 カーリーヘア(緩い巻き毛)の熱血キャプテン、ダビドルイス選手は大会中の記者会見で、暴力のないデモ行進に賛意を示しました。
 「市民は自分の意見や、不平に思っていることについて主張する権利を持っている。それが国内の状況を改善する方法だ」。持ち前のボールを激しく奪う守備と同様に、積極的な言葉でした。

 同代表のスーパースター、ネイマール選手も、フェイスブックを通じて口を開きました。
 「(健康や教育を)保障するのは政府の義務。ブラジルがもっと公正で、安全で、健康的で、正直な社会であることを願っている」

 彼らの発言は、抗議の矛先が代表チームやW杯に向かうのを恐れた、保身のための大衆迎合ではありません。

 ネイマール選手は「私の両親は精一杯働き、私たち兄妹に最低限の生活を確保してくれました」と、みずからの生い立ちにふれて、立ち上がる国民に心を寄せました。
 
 Jリーグでプレーした同代表のフッキ選手も、記者会見で発言。自分が貧しい生まれだと明かして、こう述べました。「彼らの抗議は正しい。訴えていること、求めていることは正しい方向に向かうと思う」

 スポーツは、公正を基調に成り立ちます。それは、ルールのもとでの対等・平等の関係と、相手を尊重する姿勢が根底にあるからです。チームワークや対戦相手の大切さを知るからこそ、謙虚で前向きな人間性も育まれます。
 よりよい社会のため、公正の目をフィールドの外にも向ける選手たち。その心は、社会主義とヒューマニズムに満ちています。
【勝又秀人】
(しんぶん赤旗2013年6月23日)

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