ヒデ系の瞳

平和憲法尊守

まるで改憲クーデター 法制局長官の首すげかえ ナチス発言は自民党の本音。

2013-08-09 | 憲法

まるで“改憲クーデター”

法制局長官の首すげかえ

集団的自衛権容認派を任命

 安倍内閣は8日、内閣法制局長官に、これまでの内部昇格の慣例を破り、小松一郎駐仏大使を起用することを閣議で決定しました。小松氏は海外での武力行使を可能とする集団的自衛権行使の積極容認派として知られており、同氏の長官任命は改憲のハードルを下げる96条改定と同様の「禁じ手」です。集団的自衛権の行使は憲法上許されないとしてきた歴代政府の憲法解釈を変更し、憲法9条を骨抜きにするための“改憲クーデター”ともいえる動きです。

安倍政権 9条骨抜きへ暴走

 内閣法制局は政府提出法案の審査のほか、首相に法制的見解を述べるのが任務。長官は、国会で憲法や法律の政府統一見解について答弁してきました。集団的自衛権については、「行使ができないのは憲法9条の制約である。わが国は自衛のための必要最小限度の武力行使しかできないのであり、集団的自衛権はその枠を超える」(角田法制局長官、1983年4月)などと、9条との関係で憲法上許されないとしてきました。

 小松氏は、第1次安倍内閣で集団的自衛権の行使に向けて設置された「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」(安保法制懇)の事務方を務めた人物。憲法9条の解釈「変更」のため、首相に近い立場の人物を長官に起用するという強引なやり方です。

 今後、安保法制懇が年内にも行使容認の報告書をまとめ、これを受けて政府の憲法解釈の変更を進める方針とされます。そのうえで集団的自衛権の行使を内容とする国家安全保障基本法案を来年の通常国会に提出することも視野に入れています。


安倍改憲戦略と麻生発言の本質

丸山 重威 (寄稿)

 麻生太郎副総理の「ナチス発言」が問題になっている。「ナチスを例に挙げたことが誤解を招いた。撤回する」と弁明しながら「謝罪」も「辞任」もしない。菅義偉官房長官も「撤回したので一件落着」という。しかし私は、実はこの発言が「本音」であり、安倍内閣の改憲戦略と密接に関わっていることを問題にしなければならないと思う。

記憶を忘れない独の取り組み

 今年はナチスが政権を獲得して80年。私はこの春、ドイツとポーランドを訪問したが、ドイツでは、当時の記憶を忘れないようにしよう、とさまざまな記念行事が行われている。実はそこで問題になっているのはまさに麻生副総理が言う通り「ヒトラーは、民主主義憲法の下で生まれてきた」ことだったと思うからだ。

 メルケル首相は1月30日、「ナチスの台頭は、彼らと共に歩んだ当時のドイツのエリートや彼らを黙認した社会があったため可能になった」「数百万人に行われた犯罪や与えられた苦痛は決してなくならない。どれだけ補償をしてもその事実は変えられない」「民主主義を守るため、警戒を怠ってはならない」と、国民の責任を強調した。

 つまりヒトラーは、最も民主的な憲法だとされたワイマール憲法の下で、合法的に政権を獲得した。しかしその後、国会放火事件をでっちあげて共産党を弾圧し、大統領緊急令を使って議員を予防拘禁し、突撃隊や親衛隊が取り囲む中で、「全権委任法」というおよそ民主主義憲法下では考えられない法律を制定した。この間、世の中は決して平穏ではなかったが「暴走」は止められなかった。

 麻生副総理は、ここで憲法が改正されなかったことをあげ「いつのまにか憲法が変わっていた」「これを見習わなければならない」と述べている。撤回したと言うが、この発言は安倍政権の改憲戦略から見ると、これこそ立法改憲の具体論であることに気づく。

 安倍政権は、当初改憲要件を緩和する「憲法96条先行改憲」に取り組み、参院選で争点にしようとしたが、世論の反対でいったん引っ込めた。そして参院選後の取り組みでは、もう一方の解釈・立法改憲路線を進めようとしているからだ。

 集団的自衛権の行使を可能にするため、まず安保法制懇の答申を得て、「集団的自衛権は認められない」とするこれまでの政府解釈を改め、その上で「国家安全保障基本法案」を成立させようというものだ。

 この法案は、憲法9条の精神も議論も「骨抜き」にしてしまう憲法違反の「下克上立法」だが、国会の多数で法律が成立すれば、まさにナチス政権下の全権委任法のように、違憲の集団的自衛権の行使も、「合法的」にできることになる。

ナチス「手口」に学んだシナリオ

 安倍内閣は既に防衛大綱見直しの中間報告で「専守防衛の転換」や「敵基地攻撃の検討」を打ち出している。「専守防衛」や「集団的自衛権の否認」を基礎に憲法9条と自衛隊の存在を両立させてきた政府の憲法解釈を変えるため、内閣法制局長官も交代させた。

 まさにワイマール憲法下でナチス独裁が可能になった「手口」に学んで、日本国憲法下で、違憲の法律で「日本を戦争ができる国」にするシナリオだ。

 麻生発言は安倍改憲戦略と見事に符合する「本音」だ。だから、麻生副総理は謝罪しない。ナチスの暴走を止められなかったのは、当時のドイツ国民だった。

 私たちは、私たち自身の誇りと歴史に懸けて、「麻生ナチス発言」を許すわけにはいかない。
【まるやま・しげたけ  元関東学院大学教授・ ジャーナリスト】

集団的自衛権

日本防衛とは無関係 「類型論」は外見だけ

全面的容認で戦争可能に

 改憲容認派からも「裏口改憲」と批判を呼ぶ9条解釈変更の動き―。姑息(こそく)なやり口に対し、その内容は憲法9条を破壊し、地球の裏側にまで派兵を可能とする暴挙です。

 安倍内閣が狙う集団的自衛権は「自衛」と名が付くものの、日本防衛とはまったく無関係です。日本が攻撃をされていないのに米国など密接な関係のある国への攻撃を理由に海外で武力行使するためのもの。「アメリカと海外で肩を並べて武力行使する」ことが狙いです。ところが安倍内閣は、米艦が攻撃されたときなど、あたかも「日本防衛」と関係があるかのように“類型”を示して議論してきました。

■  ■

 安倍首相の私的諮問機関「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」の柳井俊二座長(元駐米大使)は、4日のNHK番組「日曜討論」で、2008年にまとめた報告書(福田首相に提出)について、「結論を言えば、集団的自衛権の行使は国際法上も認められているし、憲法上も許されている。国連の集団安全保障、国際社会として取る措置に参加することも禁じられていない。(それを)当時の報告書には示している、そこは変わりがない」と強調しました。

 「自衛艦と併走するアメリカの軍艦が攻撃された場合に反撃できるか」「アメリカに向かう弾道ミサイルを日本が撃ち落とせるか」など、安倍首相から諮問を受けた「4類型」にとどまらず、包括的に集団的自衛権行使を容認する「結論」だったとしたのです。

 同懇談会の座長代理を務める北岡伸一国際大学長も、「読売」3日付で、「我々は4類型に限った憲法解釈を考えていたわけではない」として、「これからまとめる報告書では、憲法、国際法解釈、今の安全保障環境を踏まえて、4類型にとどまらない提言になる」と述べています。憲法解釈の変更に批判的な元政府高官の一人は、「もともと『4類型』は、“隣にいる米国が攻撃を受けても何もしないのはどうか”という形で、俗耳に入りやすい論議を導くためのものにすぎず、結論は一般的容認だった」と指摘します。

■  ■

 これは、集団的自衛権の全面的・包括的容認で、文字通り「地球の裏側」まで行って米国と共に戦争することを可能にする「解釈」です。戦力不保持、交戦権の否認で一切の戦争を否定した日本国憲法9条の「解釈」としては、成り立つ余地のない異常な主張です。

 自民党の改憲派議員の一人は「憲法解釈を変えても、何でもできるわけではない。可能とする類型は、国家安全保障基本法や自衛隊法改正で具体的に定める」などと述べます。しかし、「憲法の制約」を取り払っておいて、「法律で制限すればいい」という発想自体が、憲法によって国会を含め国家権力全体が制限を受ける(立憲主義)という根本問題をすり替えています。

 正々堂々の議論から逃げる改憲邪道を許さない、草の根の世論の発揮が求められます。(中祖寅一)
(しんぶん赤旗2013年8月9日)

当ブログ 憲法問題 「産経」の的外れな共産党攻撃
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2 コメント

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初めまして。 (KOBA)
2013-08-17 13:26:34
 「クーデター」の本来の意味を知らずにただ記事に受け売りで騒ぐだけだとあなたの知的レベルを疑われますよ。
 もうあちこちでネタにされていますので。
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ちゃんと記事を読んでください。 (ヒデ系)
2013-08-17 18:31:47
広義で考えれば的外れとも思えませんし、それに騒いでもいませんよ(苦笑)。誤解?されているようですが、当ブログの意図は基本的に「拡散・記録」が目的なのであしからず。

たしかに知識レベルでいえば高くないですが、知的レベルでいうなら、人様のブログに誹謗中傷コメ等を寄せるあなたも「知的レベル」が問われる存在ですよ。
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