TATSURO SHIBUYA + ARCHITECTURE LANDSCAPE DESIGN STUDIO

アーキテクチュアは建築、ランドスケープは景観。風景を生かす建築環境デザインに取組んでいます。

日本建築学会第31回東北建築賞表彰式並びに受賞記念講演会

2011-06-26 23:39:29 | *白鷹の家
このたび、日本建築学会第31回東北建築賞作品賞を受賞いたしました。
表彰式ならびに受賞記念講演会に出席するため、一路東北、秋田へ行ってまいりました。

朝イチのANA機は「ECO Friendry Airline」でした。プロペラ機は屋久島に行ったときにも乗りましたが、CO2の削減や騒音の低減といった環境性能が優れているとのこと。

今回受賞した「白鷹の家/SNOW LIGHT HOUSE」も、ローコストながら、身の丈サイズの持続可能性に取り組んだエコハウスなので、とても親近感がわきました。

東北建築賞は東北地方においてその建築文化や環境形成の向上に貢献し、地球環境時代に相応しい優れた建築作品、東北地方で発表された将来性が期待される研究活動、その他建築分野にかかわる重要な業績を顕彰することにより、東北地方における建築水準の発展に寄与し、学会と地域社会の交流を図ることを目的としており、作品賞は1980に創設された歴史ある賞です。

歴代の受賞作品リスト、審査結果等は、以下の日本建築学会東北支部のHPより閲覧できます。
http://news-sv.aij.or.jp/tohoku/kentikushouhtm.htm

講評:
この住宅は光と風を積極的に取り込みつつ、東北の長い冬を快適に過ごす方法を提案する意欲作です。雪に閉ざされがちな雪国の住まいを、ここで考案された採光断熱壁によって、明るく、開放的なものにしています。寒冷地において採光を確保するために開口を大きくすることは冬期の熱的損失をもたらす危険もありますが、ここではポリカーボネイト複層板というローコストな材料を使いながら、熱損失を最小限にとどめるよう考えられています。暖房は欧州で普及する木質ペレットを燃料に使うストーブを導入し、設備面でも環境に配慮されています。また、大きく明け放つことが可能な開口と、ワンルームのような室内に設けられた採光吹き抜けは、コンパクトな住宅ながら外部からつながる伸びやかな空間を生み出し、夏には温度差換気を生み出すように計画されています。全体的に木と紙をつかった空間は居心地の良い洗練されたデザインになっており、今後こうした環境性能をデザイン面からも追及する作品が東北にも多く現れることを期待したいと思います。


今回、クライアント様をはじめ、構造設計の鈴木啓さんや施工いただいた丸ト建設さんなど、このプロジェクトに関わったすべての方々に、たいへん名誉ある賞の賞状をお渡しできたことが何よりも嬉しかったです。今後も、建築や環境のデザインに真摯に取り組んでまいります。
ありがとうございました。

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