TATSURO SHIBUYA + ARCHITECTURE LANDSCAPE DESIGN STUDIO

アーキテクチュアは建築、ランドスケープは景観。風景を生かす建築環境デザインに取組んでいます。

私の考えるサステナブル建築とは

2010-07-03 23:52:13 | サステナブル建築
最近の建築業界は「エコ技術」だけが先行していて、少し危機感を感じている。
私が考えるサステナブル建築とは、太陽光発電とか高断熱とか環境配慮技術に頼った建築のあり方ではない。もちろんエコ技術は大切だが、そこに人がどのように関わっていくかがより大切だと思っている。

例えば、人に愛されるような建築のあり方。快適で魅力的な建築は、人に長く使ってもらえるし、長く使うために、大切に扱ったり、不具合があれば修理をしてもらえる。
そのためには、住み手に適したスケールや材料(マテリアル)、空間のしつらえが必要で、そこには定量化しにくい部分(空間の質など)も含まれている。
つまり、エコ技術も大切だが、人が関わってはじめて建築も持続可能なのだと私は考えている。

極端な話、暑かったらエアコンをつけるのではなく、風が抜けるように、きちんと空気の通り道を考えて設計すればよいわけだし、明るくしたかったら自然採光が取れるように開口部を作ればよいのだ。(「白鷹の家」では、「断熱採光壁」という自然採光可能な断熱壁を開発しました。)
最近の住宅は、断熱性能(Q値)を意識するあまり、開口部が小さくて壁ばかりの住宅が多いのが残念だ。まるで、夏でも「ダウンジャケット」を着ているような住宅がどれだけ多いことか。。開口部を大きくとっても、窓ガラスをペア以上にするとか内側に断熱ブラインドを設置するなど、「重ね着」の発想さえすれば、いくらでも暖かくできるというのに。。


「持続可能な建築」とは、人が関わることで、住まい本来の意味や価値をうまく引きだしている建築のこと。
その結果としての「エコ」。

住まいの居住性能、エコ性能も人が住む楽しさ、住まいに人が関われる魅力を忘れてはいけないと思う。

住んで楽しい住まい。
建築まかせのエコではなく、そこに人が関われる「エコな住まい」を私は作っていきたい。




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