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取り返しつかない最終盤小さなミス~運を味方につけたメロ爆発、ブルズVSニックス

2012年04月09日 | NBAバスケ

 

 拮抗した勝負では同じミスでも序盤より中盤、中盤より終盤、終盤の中でも最終盤にミスをしたほうが負けることが多い。

 もちろん、ミスの度合いにも様々あって小さなものから大きなものまであるが、相手ミスを見逃すことなく積極的にそこを攻めるだけの技術あることが大前提である。

 

 イースタンPO8位争い、9位バックスが連勝して昨日8位ニックスに0.5ゲーム差に迫ってきただけに、本日のブルズVSニックス戦を特に注目していた。おまけに股関節を痛めてほぼ1ヶ月近く休んでいたブルズエースD.ローズがスタメン復帰の初戦であったから固唾を呑んで見守った。

 

シカゴ・ブルズ(43勝14敗) 99-100 ニューヨーク・ニックス(29勝27敗) (OT:8-9)

 

 出だし1ピリは完全にニックスペースの19-31、2ピリにブルズ少し戻して26-22、前半を45-53の折り返し。

3ピリ30-19とローズ暴れてブルズ逆転、ブルズ3点リードで4ピリオドへ、残り20秒切ってブルズ3点リード、ローズがファウルをもらい2スロー、今シーズンヒート戦最終盤を彷彿させる2ショットミス。ニックス最後のオフェンスはメロがボールコントロールし右ウィングからアイソレーションに入る。3Ptライン1m後ろくらいから10秒残してクイックにスリーポイントショットを放つ。

 

 

 ディフェンスのT.ギブソンはほんのちょっと届かなかった。まさか10秒残して早めに遠い3Ptを打ってくるとは予想してなかったか・・・見事に同点シュート決まりOT(オーバータイム)へ突入。

 なんということだろうか、ローズは復帰戦を39分も出場してしまった。いくらオールスター級の選手でも本番ゲームを長く離れるとすぐには勘もどらないだろう。股関節をかばってか、普段であればバランスをそんなに崩さないドライブからのクラッチ系シュートで大きく体勢を崩したり、観客席にダイブしてしまいヒヤリとする場面が何度もあった。

 

 

 頭の意識と無意識、体(筋肉)の反応がほんの少しずれているような感覚を連想させた。頼むからローズ怪我再発させないでくれと祈るばかりである。やはり加減できない本能(サガ)が無意識のうちに優先してしまうのだろう。

 

 ニックスにとっては断崖絶壁の負けられぬゲーム、ブルズにとってはその種の切迫感のないゲーム。ただし、このままの順位だとPO1回戦はニックスVSブルズだからPOを考えると叩いておきたいゲームなんだろうけど・・・

 

『 現地時間8日(日)に行われたシカゴ・ブルズ対ニューヨーク・ニックス戦は、オーバータイムの末にニックスが100-99で勝利。43得点を記録したカーメロ・アンソニーは、今回の勝利がブルズに対して強烈なメッセージになったと試合後に語った。
現在イースタン・カンファレンス首位のブルズ、そしてプレイオフ最後の枠を複数のチームと争っているニックスがファーストラウンドで対戦する可能性は少なくはない。アンソニーは、「今日の試合はプレイオフさながらの緊張感だった。今のままレギュラーシーズンを終えれば、彼らと対戦することになるかもしれない。だからこそ絶対に勝ちたかったし、相手にメッセージを送れたと思うよ」とコメント。昨年2月にトレードでニックスに移籍後、最高得点を記録したアンソニーは、第4Q残り11.2秒に同点となる3P、そして第1オーバータイムでも残り8.2秒に逆転となる3Pを決め、チームを勝利に導いた。ニックスではアンソニーの他、イマン・シャンパートが15得点、タイソン・チャンドラーが8得点、16リバウンドを記録。ニックスは9位ミルウォーキー・バックスとのゲーム差を1.0と広げた。一方のブルズは、デリック・ローズが12試合ぶりに復帰。しかし試合勘が戻っていなかったのか、FG26本中8本(29得点)に加えて、終盤ではフリースローをミスするなど、まだまだ本調子にはほど遠い印象を残した。ローズは、「どのチームに負けるかは問題ではなくて、今の時期に負けること自体がタフなこと。でも相手は素晴らしいプレイをしていた。どんなに俺達がリードを奪っても決して諦めずに向かってきた」と語った。ローズは前半FG6本中1本と絶不調だったが、第3Qだけで14得点を記録。ブルズも第3Q終盤にリードを奪ったが、粘るニックスを相手に試合を通してターンオーバー20を記録するなど、ミスにより試合を壊した。トム・ティボドーHCは、「勝つにはシンプルで適切なことをしないといけない。ターンオーバーは許されない。シンプルに守って、ボールを速く回し、シュートかパスかの決断をスピーディーに行う。オープンな選手を探して、自分のスペースを作る。リバウンド、スペースを守ってプレイする。極めて簡単なことだ」とコメントした。 』

 

 

 

 OTでも残り9秒、2点ビハインドで4ピリと同様にロング3Ptシュートを成功させたメロ。MSGが二度も大爆発を起こす盛り上がりを見せた。ニックスはそれでもPOに向けてまだまだ明日なき戦いが続く。9位バックスは5割まで追い上げてきた。ゲーム差1はすぐにも入れ替わる位置であるからまだまだ混沌とした状況だ。

 ブルズは明後日ホームシカゴで再びNYと再戦、POのことを考えると今日のようなゲームはできないだろう。43点も取られたメロをチームでどう抑えるディフェンスをするのか、トムHCは煮えたぎってるだろう。もうシーズン序盤のメロではない。ニックスのオフェンスを完全にコントロールして心身ともに絶好調だ。

 76ersがボストンに敗れて、ここにきてつらすぎる4連敗。ゲーム差なしの7位ニックス、8位76ersとなった。

 

 6位オーランドは昨日何とか踏ん張って連敗を免れた。3位ペイサーズとは1ゲーム差、5位ホークスとは0.5ゲーム差なのだから、まだまだ本当にわからない。この混戦を抜け出して再び3位の位置に戻すことは、PO1回戦の相手がどこであろうが関係ない。残りゲームを十分勝ち越してチームの信頼関係と勢いを戻すことが何よりも大切なテーマだと思う。ヴァンガンディHCの心境を察すると自己を捨てるような普通では考えられぬ状況で指揮を執るわけだから、凄いな、何よりプロとしての使命なのかなと畏怖の念を感じてしまう。もう己の欲なんかすべて捨てて、プライドも恥も外聞もシャットアウトした状況で「命削ってるな」と思わざるを得ない。

 イースト、ウェストとも異なった激戦とドラマがまだまだ起こりそうで毎日目が離せない。