flatな日々

栃木県小山市の自転車出張修理 星野輪業(HRG)のブログです。
店主の独り言を綴っています。

ツールド日光モールトンで行く山岳編

2011-09-05 04:27:00 | モールトン
ツールド日光の参戦記、3部作にするつもりはなかったんだけど、たまたま応援に来てくれた「オレンヂジューサー」のブログが、皆さん何部作かに分けて報告されていたのでついそののりで・・・



さて、「オレンヂジューサー」みんなからの声援を受けて鬼怒川のエイドを出発したわれわれは、第3エイドである「そば処ひなた」までの12kmほどの道を攻めます。

鬼怒川から龍王峡へ抜ける道はむか~しよくスキーに行くときと追った道で、とても懐かしかった。とてもいい天気の蝉時雨の中、今回導入したフロント39T活用し始める。今回のイベントはサイクリング。レースではないのと制限時間が9時間あるのとで急ぐ旅ではない。軽いギヤでゆっくりと、のコンセプトで参加するための楽チン仕様、のはずだったんだけどやっぱりつらい。あっという間に仲間たちは遥か彼方!

こんな私の目の前にも遅れてくる人たちがいて
「頑張っていきましょう!」
なんて声をかけながら(半分は自分へのエール)淡々と登り続ける。

途中には多くのトンネルが現れ、多くは照明が極端に少ないトンネル。今回のイベントは前照灯が必須だったのがよくわかる。時々車も通るので自分のアピールが必要だね。

ゼーハー、ヒーハー言いながら、モールトンでは厳しいダンシング(疲れてせざるを得なかった)しながら何とか川治へと。川治ダムから八汐大橋まではおおむね平坦区間、ひとときの安らぎそして絶景!(写真とっておけばよかった、残念)せっかくなのでネットから拝借


(出典:利根川の橋)

そうこうしているうちに「そば処ひなた」に到着。


「バッカス」面々お待たせしました。

早速このエイドで目玉のそばを食すことに。大根おろしたっぷりのぶっ掛けそばでした。

「うっ、うまい!」

腰があって、そば粉の香りたっぷりでキンと冷えたそば。美味かった。ここまで上ってきて良かった。

このエイドではちょっと時間をかけて休む。それぞれが身体に変調をきたしてきたようだ。実は私もこのあたりからお尻に違和感が・・・


休んでばかりもいられない。本日最大の難関に挑もう。次のエイドは大笹牧場、約10kmの道のりだが高低差は約800m!?そんなこと考えもせず、いや考えたくなかったんだろう、気持ちの中でいろんな想いを打ち消しながらただひたすら目の前の道を上り始めた。

じきに大笹牧場への分岐路、地元の皆さんが応援に出てきてくれています。
「頑張れ!ここからがきついよ!
ありがとう!ここからがきついよはいらんよ!
と、心で叫びながら九十九折の坂道へ傷ついた身体をいざなう。

疲れきったこの身体に、こののぼりはきつい。モールトン苦手なダンシング?、そうだ。苦手なダンシングに便利なグッズ、こんなときのために買ったじゃないか。

「モールトンってサスが効いてるからダンシングすると力が逃げちゃうよね」

「そうだよね、でもそんな時はこれをつけるとリジットみたいにしゃきっとするよ」

なんて通販の広告のようになってしまったが、アイデア商品満載の「加茂屋」からリリースされている「クライムハード」

フロントの調整ねじの部分に差し込むだけでシャキッと。なかなかの優れものだとこの坂で体感した。

クライムハードを使ってもハードな上り坂、先を行ってるはずのバッカスジャージが一人目の前に迫ってきた。S田君である。いつも元気なS田君、聞くと暑さにやられているようだ。のんびり行こうよと声をかけながらちょいと先を行く。そのうち私の足・尻・心臓がやられ始め、STOP!
ちょっと休もう。まだ時間はある。そう思ってしばし休憩。そのうちにS田君復活してきたようで私の横をゆっくりと走っていく。

ふっと目を落とすとなにやらうねうね動くものが。ナメクジ?やまひる?ひるじゃかなわん!でもまだしんどくてモールトンにはまたがる元気がない。久しぶりの押しとなってしまった。少しの屈辱感を味わいながらひると思われたものから逃げること1kmくらい、またバッカスジャージが目の前に止まっていた。

「S田君大丈夫か」

声をかけるとそれはS田君ではなくマスター!?両方のももがつってしまったらしい。

「ゆっくり来てね!」

と声をかけてやっと復活してきた身体をモールトンの乗せる。後方でマスターを気遣う女性の声。ブリッツェンジャージを着たスタッフだった。さすが強い。追い越すときにモールトンをみて
「可愛い自転車ですね、頑張ってください!」
「はい!」
といい返事ができなかった初老の私ははにかみながら必死に上り始めた。

思えば山岳に入ってからモールトンをみて、かっこいいですねとか可愛いですねとか、うれしい言葉をかけてもらった。やっぱり珍しいんだろうね。変わっているとも言えるか。


晴れていた空も若干雲に覆われてきた道、前方の空が急に開けてきた。
お~!牧場だ!着いたぜ大笹に!長い道のりだった。

エイドに到着し皆もまた疲れきった表情で私を迎えてくれた。

ここのご褒美は冷たくて濃厚な牛乳とソフトクリーム。

疲れてほてった身体を癒してくれました。

ここで尻のすれ、靴擦れが発覚。ポジションがうまくでていなかったのと久しぶりのロングとで擦れてしまったらしい。その後1週間悩まされるとはこのとき少しも思ってなかった。

さて、あとは5~6kmの最後ののぼりで今回の頂、六方沢へ。牧場の中の気持ちの良いであろう道をひたすら上る。良いであろうとは、どうもこの地域雲の中に入ってしまったらしい。霧なの?雨なの?と思っていたがどうやら雲を構成する水蒸気のようだ。

尻や靴の擦れを何とかごまかしながらやっと六方沢の橋に到着!やったー!後は下りだけ。その気持ちが景色を見ることを忘れさせていた。まっ、霧でなにも見えなかったんだけど。

下山は危険なため10人の集団でスタッフの先導つき。安心な反面小径車には不利な面も。同じスピードではロードの700cよりも遥かに多く回転する406の車輪。必然的にブレーキをかけ続けると熱くなる。30km/hの制限は逆に小径車の首を絞める。案の定途中の休憩ポイントではリムが熱くて触れない状況、タイヤの圧を若干落とし対処する。

ロードにはないいろんな経験をし、戻ってきました霧降アイスアリーナ。

この時点ではもうモールトンでは山岳ないな、と思った。しかし、この経験を活かして山岳仕様にまたしてしまうんだろうな、とも思った。

もう一度走りきったすがすがしい顔をした面々を載せておく。みんなありがとう!走りきれたのはみんなのおかげです。


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5 コメント

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Unknown (kirimax)
2011-09-05 10:05:09
やっぱり山にはドラマがありますね。読んでいて面白いです。
ブロで登るには、やっぱり無理かな~?
下りは説得力を感じました。
ブレーキの摩擦により空気圧を下げるなんて、思いもしなかった。
同じ時空でお互い自転車に乗っていても、えらい差です。
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Unknown (俺の樹)
2011-09-05 19:01:48
う~ん しっかり手に汗握り読ませる緊張感がある!
さすが山岳!!……う~ん なんかやりたくなってきたぜぃ(…って 自分の体型も顧みず……)

真骨頂は ペンチ氏がブリッツェンジャージを着たスタッフ女性より「可愛い…」と声かけられ「はい!」といい返事ができず はにかむクダリ……その場面をシッカリ目撃したかったモンですなぁ~ヽ(^o^)丿

それにしても 大根おろしたっぷりのぶっ掛けそば & 冷たくて濃厚な牛乳とソフトクリーム 喰らいたい……
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Unknown (ペンチ)
2011-09-05 19:58:51
>kirimaxさん
う~ん、すべての行程をブロさんで行くには無理があるかな。車のサポートがあれば可能だけど誰が運転する?

>俺の樹さん
さすが食い物に喰らいつきましたね。各エイドで出されたものはどれも美味しかったですよ。バナナがなかったことに仲間から文句が出てましたが。


お二人に高評価を頂きましので読み返してみました。誤字が目立ちますね。しかし時々自分でも、良い言い回しだね、なんて思ったりして・・・
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Unknown (俺の樹)
2011-09-07 05:44:59
走りきったすがすがしい顔をした面々の真ん中に写ってるお方が
VAL'S BAR のマスターですね!
夕べ「とちテレ」にご出演されていて はっと思い当りました

よさげなBAR……今度 連れてってください!
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Unknown (ペンチ)
2011-09-07 06:18:45
>俺の樹さん
おっ、食い物だけでなく飲み物にも喰らいついてきましたね。

気がついたとおりVAL'Sのマスターです。

feebを扱うイタルスタイルとVAL'S BAR。ちん・ポ隊には似合わぬおしゃれな宇都宮に誘いましょうか。
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