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今年は、集中豪雨や極めて狭いエリアで大量の雹が降るなど、人々を驚かす気象現象が続いています。気象庁の予報でも「これまでに、経験したことのない~」といった形容が付く気象が増えました。地球温暖化は、大気の運動に必要なエネルギーを大量に供給していますから、今までの経験で語れない異常気象が起きる頻度が高まっていることは確かです。
6月29日(日)、天気が心配されましたが、新宿御苑へ6歳児と出かけました。外へ出ると、霧雨が降っていて、出かけるのを躊躇しましたが、傘を差すほどでもないので、急ぎ足で駅まで向かいました。
新宿三丁目駅で降りて地上へ上がると、青空も覗いていて、天候は回復傾向にありました。雨上がりで湿度が高く、入苑すると直ぐに、二人とも蚊に刺されてしまいました。早速、ウエットティッシュ式の虫除けで、薬剤を体に塗りました。スプレー式の虫除けよりも、薬剤を吸引しない分、健康に良いでしょう。他の植物園や公園でも、予め虫除けを準備していくと、快適に過ごすことができます。
新宿口近くに、タイサンボクの木があります。他に2カ所ほどタイサンボクの木がありますが、白い大きな花が見頃を迎えていました。年間を通して繰り返し訪れる新宿御苑ですが、その季節を代表する植物を楽しみにして、入苑しています。この時期は、少し花が少ない時期ですが、タイサンボク・カシワバアジサイ・アジサイなどの花が咲いていました。
ツリフネソウは、赤紫色の花が多く、別名ムラサキツリフネとも呼ばれます。上のツリフネソウの花は黄色ですので、本当の名称はキツリフネソウです。雑草としては、他にネジバナ・トキワツユクサなどの花が咲いていました。
下の画像の綺麗な朱色の植物は、花ではなく若葉が赤い色をしています。若葉が赤い色をしている植物は多く、アントシアニンという色素によって赤く発色します。アントシアニンは若葉が成長してクロロフィルを生産するまで、紫外線から葉を守る働きをしているといわれています。
下の画像は順に、キキョウ・カラスウリ・サンゴシトウの花です。キキョウは秋の七草ですが、花は6月下旬から咲き始めます。つる性の植物で、赤い実も風情があるカラスウリですが、その花の形状は独特で、見間違えることはありません。サンゴシトウは、アメリカデイゴの交配種で、その形状と色からもそのことが推測できます。
この時期に、新宿御苑で最も出会いたい花はと問われれば、タイサンボクと応える人は多いことでしょう。アメリカ原産のモクレン科の常緑高木で、大きな白い花が咲きます。6歳児が左手に持っているマイクのような形状のものは、落ちていたものですが、タイサンボクの雌しべだと思われます。タイサンボクの花は、蓮の花のように清楚で美しい花です。
夏がやって来ると、子どもは親水公園で遊ぶ楽しさを思い、また大人にとっても水辺の景色が印象に残る季節となります。池の周囲に植えられている樹木や、青空をゆっくりと動く白い雲が池に映じた景観が、私たちの心を和ませてくれるでしょう。
苑内のヒマラヤシーダ(ヒマラヤスギ)には、とても大きな松ぼっくりができていています。ヒマラヤスギは、ヒマラヤ山脈を原産とする「マツ科」の常緑針葉樹ですので、スギに「松ぼっくり」は、変ですが正解です。
また、最近までチュウリップのような形の花をいっぱい咲かせていたユリノキの巨木には、オクラのような形をした実ができていました。
木陰が恋しくなる季節ですが、見上げれば自在に曲がりくねった松の枝先に、青空に浮かぶ白い雲が、ゆっくりと流れていました。
アジサイの装飾花が退色した頃に、中心にある花が開花しているのが分かります。その下のアジサイは、葉の形状が柏の葉のようですので、カシワバアジサイと呼ばれる品種です。装飾花である花穂が、ピラミッド状となっていて、花の色は白です。下の花は、枯れる前で色が変色していると思われます。
ユリは、北半球のアジアを中心にヨーロッパ、北アメリカなどの亜熱帯から温帯、亜寒帯にかけて広く分布し、原種は100種以上、品種は約130品種(アジア71種、北アメリカ37種、ヨーロッパ12種、ユーラシア大陸10種)を数えるそうです。日本には15種があり、7種は日本特産種ですから、多くのユリの花が見られる国と言えます。
キリスト教では、白いユリの花が純潔の象徴として用いられ、また聖母マリアの象徴ともされています。日本では、「立てば芍薬 座れば牡丹 歩く姿は百合の花」という諺がありますが、美しい女性の容姿や立ち居振る舞いを、比喩的な表現で表した言葉です。 ちなみに、我が家の6歳児の名には、ユリという言葉が含まれまが、「歩く姿は百合の花」と形容するほど、(現在は)おしとやかではありません。
「ねえ、あなたは五木ひろしと犬と、どうして遊んでいるの?」
新宿御苑からの帰り道、人形町の教室に立ち寄るために、浜町駅で降りました。近くの明治座に貼ってあった大きなポスターの前で、パチリ。
しばらく教室にいて帰宅する頃、再び雲行きが怪しくなり、最寄りの駅から自宅まで、雷を伴う激しい雨の中、6歳児と相合い傘で、小走りに帰りましたが、この子は私にピッタリとくっついて、悪天候を楽しんでいるようでした。
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