花のアート写真工房

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ほんわか昭和ストーリー~その5「柳行季(やなぎごうり)のトランク」

2009年12月30日 15時06分28秒 | ほんわか昭和ストーリー

       

 柳行李は、2世代前に一般に使われていた収納ケースのことである。今はプラスチック製のもの、その前は、ブリキ製のもの、そして、その前のものであった。
 柳行李の特徴は、通気性があり、軽く、かさばる物にもある程度対応できることである。今日でも、その愛好者のために細々と作られている。

 この柳行李のトランクは、フーテンの寅さんが愛用した皮製のトランクよりも前に日本で使用していたもので、和製のトランクと言うべきかも知れない。

 それは、戦中、戦後のいざという時に持ち運びしやすいように、丈夫な皮のもち手がついている。ちょっとした生活の知恵がかいまみえる。その編みこんだ縫い目にしみこんだススやシミをみていると、その時代の荒波を生き抜いた歴史を感じる。
 実際、父から戦後の食糧難のとき、トランクに着物を詰め込んで、買出しに行ったと聞かされた。