



「あっ、また笑った」
カラフルな衣装を着たかわいい少女に出合った。大勢の前で踊ることの恥じらいなのか、カメラのレンズを気にしてなのか、はにかみながらベロを出した。何をしてもとてもチャ~ミングである。
そういえば、私も物事に集中しているとき、無意識によく舌を出す。半開きの口からよだれがたれることもしばしばある。その瞬間、周囲をキョロキョロし、誰も気がつかないことにほっとする。娘に注意された時には、これは親父からの遺伝だと開き直る。父は年賀状を毛筆で書く時、必ずと言って舌を半開きの口から出す。
よさこい鳴子おどり(以下:よさこい)の魅力は、毎日送っている生活からキラキラした夢のような世界に、踊り子ひとりひとりが身をゆだねることができるからだ。踊りモードに顔をメークし、羽衣の衣装を着れば、さぁ、舞台の始まりである。