花のアート写真工房

Ⅰ:透明水彩画集
Ⅱ:旅エッセイ(海外編)

【アートに対する情熱は、青春そのものです!】

上海水郷フォトエッセイ~その1「ツアーは運命共同体!①」

2009年04月08日 17時28分42秒 | 旅エッセイ②~上海
           
           

           

 2008年10月に「さわやか水郷の江南地方8日間」の旅に出かけた。出発ロビーに座りながら、見ず知らずの乗客を観察した。私と同じくらいお腹が膨らんだ中年男性が気になった。たすきかけにカメラを2台ぶら下げ、私と同じ様に写真目的の旅行とすぐわかった。たまたま機内の席が近く,私のほうから声をかけた。まずカメラ機材から話を始めた。同じ趣味の人との会話は、話題に事欠かない。彼は世界の各地を旅しているとの事。私は、8日間全部食事がついて39800円と言う安さから選んだ。時間はあるがお金がない私には、サン・キュッ・パーのお買い得感に霊感商法のように引き込まれた。あとで他のツアー客にも聞いてみたが旅慣れた人が多かったのに驚く。
 見ず知らずの人々が、8日の間、寝起きを共にするのだから出発前のそわそわ感も当然なのかもしれない。
 それは、宴会前の静けさに似ている。冗談を言っても何かぎこちない。これから起こりうるポテンシャルエネルギーの高揚の前ぶりのように低く感じる。
 ツアーは、旅先で繰り広げる光景もさることながら、人と人の出会いが織り成す人間模様もドラマであり醍醐味である。 
 そのつづきは「ツアーは運命共同体!②」で!!

上海水郷フォトエッセイ~その2「ツアーは運命共同体!②」

2009年04月08日 17時28分18秒 | 旅エッセイ②~上海
          

          

          

 10月の上海は、暑くもなく寒くもない。私は、生活感漂う路地裏とかそこに住む人に関心があり、今回もそれを捜し求めて精力的に歩いた。
カメラの被写体を求めて、周囲をキョロキョロしながら歩いていると、突然つまずき体ごと倒れた。周囲にいる人々は、「カメラ大丈夫」「カメラよかったですか」ときずかってくれた。私もとっさに「カメラ大丈夫」と答えた。10人ぐらいの方に声をかけていただきありがたかったのですが、誰一人私のからだのことを心配してくれる人は現れなかった。私もカメラをかばうあまり、大げさな転び方だったのでしょう。
 ツアーで8日間旅をしていると、いろいろなハプニングに遭遇する。そのつど皆さんのありがたさを感じる。それは、大海原で航海する乗組員の連帯意識かもしれません。
 もっと飛躍して、広い宇宙の太陽系の小惑星である地球に住む人が、どうして争うのか?どうして餓死するひとがいるのか?
 why?why?why?

上海水郷フォトエッセイ~その3「まばゆい出会い」

2009年04月08日 17時27分54秒 | 旅エッセイ②~上海
          

          

          

 上海の近郊である江南地方は、至る所に運河があり、水郷をメーンにした観光地がある。
 私は、生活感漂う蘇州の運河、観光客で賑やかな周荘の古運河、風光明媚な水郷である西塘、烏鎮の水郷、水路がめぐらされた魯迅の故郷紹興など各地を観光したはずなのだが、あまりにも多くの箇所をまわったため、どこがどうだったかなのか思い出せない。特に印象に残った事が断片的に入っただけであった。
 その中で一番印象に残った出来事は、中国女性に身振り手振りで呼び止められた事であった。私のほうから声をかけたいぐらいなのに、相手のほうから「写真を撮ってください」と言わんばかりの内容であった。異国の若い女性からのアピールに私の胸は躍った。彼女は自らポーズを撮ってきた。彼女は、素顔でありのままでじゅうぶんきれいだ。日本語や英語での会話も間々ならず困惑していたとき、ツアー仲間で少し中国語が話せる人を交えて、彼女とお友達になろうと私は懸命にアッタックをするのだが話はかみ合わない。知り得た情報は、彼女は江南大学の学生と言うこととメールアドレスのみ。
 帰国後、早速彼女に写真を添えてメールを試みた。パソコンでの自動翻訳の助けを借り、英語と中国語の文で送っても通じない。手書きのアドレスが間違っていたのか、それとも何かのトラブルであろうか残念!


上海水郷フォトエッセイ~その4「一杯のコーヒー」

2009年04月08日 17時27分27秒 | 旅エッセイ②~上海
            

            

           

            



 日本中どこに行ってもコーヒーと言えばほぼ同じ様な味である。それほど人々に愛され国民的な飲み物になっている。しかし、所変えればそうではない。トルコではコーヒーという言葉が通じない。ネスカフェと言う。味はイマイチ。チャが一般的な飲み物である。韓国では、ハングル語が読めないと注文しにくい。スターバックスを探すのが手っ取り早い。
上海近辺は、200万都市が多くあるが、ちょっとコーヒーでもと店を探してもなかなか見つからない。珈琲に似た漢字が目印だ。
 8日間でいくつかの店に入ったがおいしい珈琲に出会わなかった。最終日に東京のxxxによく似た上海中心部のカフェテラスのある外人客の多い店に入った。造りはスタバのような形式であった。出された珈琲は、ウインナー珈琲を非常に甘くしたようなもので珈琲本来の香りとは程遠かった。後でその近くにスタバがあったと聞き残念でたまらない。
 あるホテルの近くの珈琲と大きく書かれたところに入った。中は広いラウンジになっていて、入っているお客さんはまばらであった。珈琲の種類もいくつかあってモカ珈琲を注文した。なかなか珈琲がでてこない。そしたら、かわいいウエイトレスさんが退屈そうな私に雑誌を私に手渡した。私が余り興味なさそうに思えたのか今度は英語の雑誌を持ってきてくれた。当然、私は写真のみをみた。
 15分位してやっと珈琲がきた。珈琲プラスデザートの盛り合わせとビスッケトと飴をテーブルに置いた。私が注文したのは珈琲のみのはず。そのことを何とか聞くと付け出しのようなものと解った。
 やはり珈琲の味や香りはモカではない。でも、にこっとわらうとかわいい彼女に面して許してあげよう。私は、その時に限ってカメラを持っていなく悔やまれる。 
 私は、珈琲にまさる気持ちよいひと時がすごせた。
 
 

 
 

上海水郷フォトエッセイ~その5「突っ走る三輪車」

2009年04月08日 17時26分55秒 | 旅エッセイ②~上海
            

           

            

 上海の近郊、紹興酒の産地で有名な紹興と言う町を観光した。町と言っても200万人以上の人口を有する大都会である。夕闇くれる頃、三輪車という日本の観光地で見られる人力車と同じような形をした自転車である。
 一緒に乗ろうとしたカメラ仲間は、私と同様メタボで一緒に乗るのをあきらめ、私より身軽の人と同乗した。一応ことわってから乗ったが、それでもなんとなく気がひけた。
 外套に照らされた水路のみなもとその周りに立ち並ぶ家々の明かりがロマンチックであり、また、時折そこに住む人々の生活が垣間見れて情緒豊であった。夕食を囲む団欒には、子供と年寄りの姿を多く見かけた。
 私は、高度成長期の中国では働き手は忙しいのではと憶測した。
 三輪車はスリル満天である。混雑する交差点も車と同じ様に道路を走り、しかも運転する人は左右、後を振り返ることなく突っ走る。乗っている人は、たまったものでない。すぐ横に車が接近する。乗客からは悲鳴とも思える声が聞こえた。もしぶつかったらと思うとぞーとした。と言うのも中国では信号機があっても、ルールが守られるとは限らないからだ。
 ホテルまでの道のりは、かれこれ4,50分かかっただろうか。汗をかきながら目もくれずにペダルを漕ぎ続ける運転手に申し訳ないと思いつつ、私は夜の街を楽しんだ。夜店で買い物をする人や道端で会話する人など,その土地に住む人々の日常が風と共に飛び込んできた。その心地よい風は、その人々と同じ空気感を漂わせた。