このいいことなんか何もない世の中で

生きていても何もいいことがない目的も何も分からないこの世界で、毎日なんとか楽しく生きていく。

必殺!三味線屋勇次

2012年07月12日 | 映画・DVD
先日逝去された山田五十鈴氏を偲んで (コレ)、血の繋がら
ない息子を演じていた中条きよし氏出演のこれを久々に
観ることにした。

1999年。
必殺劇場版6作の後に製作された。
必殺仕事人の柱の一人「三味線屋の勇次」を初めて劇場版
の主役に据えた、いわゆるスピンオフ的な劇場版仕事人。
スピンオフとか書くと勇次ファンの方に怒られてしまう
かな。(実際、「必殺仕切人」では主役を演じている)
ま、あまりそこには拘らず、劇場版7作目としましょう。

7作の中では、
 三>一>七 (三味線屋勇次)...
の順番で好き。

必殺シリーズの中では、さして本シナリオが群を抜いて面白い
という訳でもない (失礼)。
この映画の魅力は、主人公勇次 (中条きよし氏) のみならず、
キーパーソンの弥助 (阿部寛氏)、おとよ (天海佑希氏) らの
演技力、存在感に尽きる

これが屋台骨を支えているから、非常に見応えがある作品
なっていると思う。

脇を固める出演者の顔触れもいい。

仕事人に名取裕子氏、藤田まこと氏。
藤田氏は、劇場版第6作 (「必殺!主水死す」) で死んで
しまったことになっているので、流石に主水としてではなく、
阿部氏のかつての仕事人仲間として出ている。
(そこまでして出すか!)

悪役も凄い。
石橋蓮司氏、中尾彬氏、清水健太郎氏。
強力、強烈過ぎ。笑
冒頭であっという間に殺られる役に火野正平氏がいるのも
忘れてはならない。

劇中で、頼み料を受け取らずに仕事を引き受けようとする
お喜和 (名取氏) に、勇次が、
これは金じゃねぇ。この世に恨みを残して死んだ頼み人の
 叫び声だ
。聞いてやらなきゃただの人殺しになっちまう。」
と言い放つ場面がなんとも痺れる。仕事人の真髄

最期までおとよの父親の敵討ちであることを明かさなかった
弥助と、殉じたおとよがなんとも切ない。

必殺は、やっぱなんと言っても一人一殺が基本だと思う。
(そうでもないですかね。確かにそれだとテレビでは毎週
敵の数が固定されちゃいます
が…)
この映画では、ほとんどの仕事人が複数の相手を沈めて
いるのに、主役の勇次はラスボス一人を沈めるのみ
(後は素人同然の弟子が一人倒すだけ)
なんたる燃費効率の良さ。笑

やはり勇次のような道具だと、何人も相手にできないもん
なぁ。→だから一人一殺がいいと思う訳です。

勇次総括:
弥助が告ろうとしていたのに先に本人に気持ちよく
 暴露しちゃう勇次

・敵討ちは人殺しと言って弥助の頼みを断ったのに、
 結局敵討ちする勇次
・墓代かもしれないのに、死人の家から勝手に金を拝借
 して「分かったよ」と、頼み料にしてしまう勇次

・人にヘルプを頼んでおいて、自分は直接は一人しか
 殺らない勇次。

そんな勇次が大好きです。

まぁ、最後におとよのかんざしを使って吊り上げるのは
良かった。
でもやっぱ背中には「南無阿弥陀」と書いてあって欲し
かったけどね。

長くなりました。
東氏、松岡氏の仕事人はどうなりますかね。


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