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素材に恋していた昔

[  K-house 70代夫婦の家(2002年) ]

 

この写真は、14年前に設計した 70代ご夫婦の家 の玄関土間です。モルタルの床ですが、クツを脱ぐ部分に石を埋め込みました。

滑り止めの意味と、「クツの部分はここまで」という印として考えました。お茶室の庭で、石を置いて、「ここは進めません」と結界を示しますが、そんな感じです。

使った石は、伊勢五郎太石。

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五郎太石の事をネットで調べても見つからず詳しい事はわかりません。

3cm~18cmくらいの大きさで、河原にあるような丸っこい石の事を言うみたいです。

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伊勢五郎太石は、錆(さび)石(御影石)で、乾いてる時はベージュっぽい色で塗れると茶色が濃くなります。

乾いている時の色合いが好きで、当時かなりお気に入りでした。

砂利ではなくて、もう少し大きい5cmくらいの石を敷き詰めた感じがとてもよかったんです。

この家の庭にも敷きました。

 

この写真は、玄関土間と室内の床です。床は厚さ3cmの杉板。

厚さのある杉板を使いたいと思っていたんですが、この家が一番最初でした。

 

厚さ3cmの板の上を歩く充実感、板が醸し出す雰囲気、にかなり興奮しました。

 

**

 

これらの写真を整理していて、気が付いたんです。

 

「 土っぽい家を作ろうとしてたんだな 」 と。

 

 

30代・・・ずぅと、古民家とか無垢の素材を使った家に惹かれていました。

「コンセプト」を表に出した建築が好きになれず、その反動なのか、もっと自然な建築がすごく良く思えていたんです。

 

自然素材を使った家は、古民家もそうですが、太い材料、厚い材料、土壁やしっくい壁、和紙や布を使った壁や障子などなど、でできていますが、そうゆう素材でできた家が、「人が住むのにふさわしい!」と思っていました。

今は、そんなに熱くは思いませんけど、当時は、「盲目的」だったかもしれないと気がします。

たとえが極端ですけど、”アイドルの追っかけ”みたいだったのかもしれません。

そのアイドルとは・・・・

無垢という素材。

 

木  土  紙  石

 

わかりやすいですよね。 古い日本の家LOVE ^^

 

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「土っぽい家」 と言ったのは、ある意味、過去の自分への批判でもあります。

自然素材を使いさえすれば”いい家”になるか・・・と言えば、そうではありません。

もちろん、自然素材を使えば「環境」としてはいいんです。工業製品ではないですから、有害性はないわけで。

素材は大切だけど、人に影響を与えるのは 素材を含めた「雰囲気」 なのです。

 

当時の私は、自然素材に惚れていただけで、それを使う事で満足していたのかもしれません。

逆に言えば、「 素材に使われていた 」のかも。

 

今は、素材をどう使うか を考えています。

 

「絶対に使わない!」と言いきっていたビニールクロス・・・

今では人の健康を考えかなり改善されてはいます。基本的には使いませんが、「使ってもいいかも」という気持ちがあります。全面的に使う事はないけど、使い方ですね。

 

コンセプトだけでも、デザインだけでも、素材だけでも、、、

ダメですね。

 

建築って難しい。

人がより良い暮らしする場を作る事。

 

[ 雪見障子 杉板の床 白熱灯のペンダント ]

 

 


 

月に2度、家づくりの相談会 を行っています。

参加されたみなさん、「参加してよかった」と言われます。

漠然としていた事が「こうゆう事か!」と理解でき、次にやるべき事が見えてくるからです。

 

見学会参加者の声

 

4月の相談会は

4/6(土)午前 4/20(土)午前

です。

家づくりで迷っている方、悩んでいる方、来てください。

詳細とお申し込みはこちらから。

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お茶会@新宿「家の話をしましょう」

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各日、先着1組様

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