オーディオ測定、オーディオ用測定器の解説

 測定器と、他は過去に学んだことへのコメント。

低抵抗の測定

2012年01月17日 | 測定/オーディオ

 先日ヤフオクを見ていたらヒオキの低抵抗計の出品が有り、それにはメーカー独自の専用プローブが付属していなかった。それを買えば10000円くらいはすると思われるのでそれを考慮すれば、本体への入札はせいぜい10000円程度かと思ったが、落札価格は3万円を超えていた。随分高い買い物と思う。

 この種の測定器はさほど使用頻度が高くないし、これが無いと困るというものでもないので、以下に替わりの測定法を紹介する。

 近頃の安定化電源は定電圧(CV)として使えるが定電流(CC)としても使えるものが多い。ヤフオクに出てくるのはキクスイのものが多く、キクスイは取説をウェブサイトで公開しているので、定電流としての使い方もウェブサイトで知ることが出来る。こうして測りたい部分に予め分っている電流を流す。抵抗値に応じた電位差が生じるのでそれをディジボルで測れば良い。つまり試料のプラス側に二つのワニグチ、マイナス側に二つのワニグチをくわえ込むわけだ。面倒のようだが、出来なくはないし、ダブルブリッジの測定も同じく四つのワニグチが要るのである。

 安定化電源の替わりに定電流電源を使えれば、電流値を設定する手間がほんの僅か少なくはなる。定電流電源は人気が無いので安く買える場合が多い。

 試料に流す電流は少ないほど温度上昇も少なくなるが、ディジボルの感度が要求される。試料の耐電流容量とディジボルの感度を考慮しながら決めればよい。通常、低抵抗の部分は電流を多く流せる場合が多く、100mAくらいなら何でもない場合が多い。1Aでもへいちゃらの場合が少なくない。これでパワートランスのヒーター巻き線などは5Aくらいの容量のものでも普通に測れる。

 正確さが気になるかもしれないが、もともと低抵抗を測る専用の測定器でもプローブの接触抵抗が有って、正しく測るのは難しいのだ。それに抵抗値そのものが周囲温度で動くものなので、あまり厳格に考えても意味が無い。上記の方法で普通に2%くらいの誤差で測れる。




 
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