オーディオ測定、オーディオ用測定器の解説

 測定器と、他は過去に学んだことへのコメント。

スペアナによる歪率の測定

2012年01月09日 | 測定/オーディオ



スペアナによる歪率の測定

 オーディオマニアは、歪率で音が変わるわけじゃない、てな、わかったふうなことを云う。だったら作りっぱなしでいいじゃないか、と思うが、こちらが歪率を測ってやり、タマのアンプとしてはまぁまぁいいほうじゃないですか、と云うと、嬉しそうな顔をする。何でだろう。やっぱり測ってみないと遣り残したことが有る、と思ってるんじゃなかろうか。

 ところで、その歪率だが、大別すると、二つの測り方が有る。いろんな人が何度も解説しているので、詳細は省略するが、要は基本波を抜くか抜かないかということだ。歪率計は前者の方法で後者はスペアナ(FFT)を使う方法だ。

 写真ではNFの広帯域発振器の20Hzを測っている。通常このような低い周波数だと、三万円クラスでは軽く1%を越える筈だ。サーミスタを使うのでそうなる。ところがこの発振器では三次歪がマイナス60dBくらいであるのが分かる。二次歪がそれより更に6dB程度低いのでまぁだいたい0.15%位だろう。広帯域発振器としては歪がかなり低い。ところでスペアナで歪を測る場合は二次と三次だけを見ればだいたいよく、四次や五次は相当低いので無視出来る場合が多い。二次~五次までを個別に測れるタイプの高性能歪率計をお持ちの方はお分かりと思う。


 歪率の定義は 二次からN次までの高調波のそれぞれの自乗の和の平方根を基本波で割ったものだ。この計算をやるとすぐ分かるが歪率計で測った歪率よりスペアナで測った歪率のほうが低い。

 

 
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