goo blog サービス終了のお知らせ 

月刊「祭御宅(祭オタク)」

一番後を行くマツオタ月刊誌

287.大阪府知事のだんじりサポート発言②-祭開催の懸念事項-(月刊「祭」2020.6月7号)

2020-06-20 04:05:00 | 新型コロナと祭、民俗
    
●吉村大阪府知事の岸和田地車サポート発言
 吉村大阪府知事の「岸和田だんじりサポート発言」が祭好き達の注目を集めています。結論から言うと、希望は見えたものの、「祭をやる=屋台・だんじりを大っぴらに出せるか」にはまだまだ疑問が残ります。また、我々のような播州の屋台を担ぐ祭は、岸和田の地車のような曳く祭より開催が困難になると思われます。それらを下の順序で書いていきます。

①吉村大阪府知事の発言した内容
②その発言の根拠と思われる研究(管理人のザックリ解釈)
大阪府庁に質問した内容と回答
クリアするべき懸念事項
播州屋台の祭が岸和田だんじりの祭より開催がより困難と思われる点
今回は、④⑤です。

 大阪府知事の6月17日の「だんじり開催でも全力サポート発言」は、核物理学者の中野氏の自粛意味な発言の後押しを受けていると思われます。その論は、一週間の感染者数/累計感染者数=k値とよばれるものが、0に近くなると感染収束に近づくという理論にもとっきます。その理論によると日本は収束への道のりを歩んでおり、自粛の意味もなかったというものです。
 また、病床数の増加などの動きはいまのところないという府の担当職員の方のご回答をいただきました(6月18日)。
 今回は、本当に祭を「やる」場合の懸念事項と、播州の屋台祭が岸和田のだんじり祭以上に開催が困難になることを指摘します。

 ④クリアするべき懸念事項
感染数や医療状況の懸念事項
①依然として新規感染者数が3月の感染爆発前夜(一月後には300人となった)と同程度の30人以上の日々が続いている。
②新型コロナウィルスは高気温下では活動レベルが落ちるにも関わらず、①の状態が3月よりずっと気温が高い6月で保たれていること
③数学的知見から「日本国内においては」自粛は効果がなかったという主張をしている中野氏だが、国内で感染を抑えられている理由はまだはっきりしていないこと。
④③のような状況でありながらも、夜の町など距離の近い飲食物の共用の場、韓国での宗教団体の感染爆発などの事例から、それに近い条件が揃うと思われる祭の危険性は否めないこと
⑤祭が行われる各地域では、首都圏や阪神地域のような医療資源が整っているとは言い難く、重症化しやすい高齢者は多い傾向があると思われること


祭をする人自身の懸念事項
 ①-④を屋台やだんじりのリーダーに求めるのは、かなり酷なものになります。求められるのは、根性とか心意気ではなく、それらを形にするための科学的な根拠に基づいた努力です。

①酒に酔った人がたくさんいる中で、予防を徹底的にしながらどこまで祭ができるのか? あるいは、必要最低限のお神酒以外、酒を一切飲まないで、屋台、地車を運行できるのか?

②逐一除菌をして、飛沫を他人にうつさないようにマスクをして、間隔をとって(少ない人数で)屋台や地車を動かすなど肉体的につらいものになると思われる巡行を本当にやる気があるのか?

 「できるだけ距離をとって手洗いをしよう」のような子どもでも言える標語ではなく、運行時、担ぎ手、太鼓打、飲食の場、共用物使用時など、あらゆる人、場面、場所での具体的な感染予防策を調べて作り、必要な物品を調達し、周知徹底し実行できるか。

④感染者が出た場合に、地域的な医療崩壊が起きるかどうか検証し、それを防ぐための医療資源を地域行政に確保させることはできるのか。

播州屋台の祭が岸和田だんじりの祭より開催がより困難と思われる点
 今回の話題は大阪府と岸和田でしたが、最後に播州の屋台祭の開催について考えます。結論から言うと、開催は岸和田よりも困難なものになると思われます。それは、次の2点からです。

ⅰ 開催時期
 岸和田などのだんじり祭は9月にも行われます。もちろん10月にもありますが、一番規模の大きな岸和田市岸城神社氏子域、弥栄神社氏子域のものは、9月の祭りとなります。
 一方で播州の屋台祭は9月に行われるものはほとんどなく、殆どが10月の開催となります。つまり、播州の方が岸和田などより新型コロナが活出しやすいとされる寒い時期と重なります。

ⅱ 密着した運行
 岸和田の曳く祭りと比べて、播州屋台の祭は担ぐ祭です。担ぐために、狭い場所に密集して担ぐことが増えてきます。担ぎ手の交代も必要になってきます。
 その時に、屋台が担がれたままだとなかなか、
人がのく→棒を消毒→抗体の人が入る
という順序をとるのは困難を決めると思います。

吉村大阪府知事のサポート発言もありましたが、祭をやるために超えなければならない懸念事項は、重いものが数多くあり、実現は極めて困難だという見通しになると思われます。











286.大阪府知事のだんじりサポート発言① -知事の発言の根拠と府の感染者対策-(月刊「祭」2020.6月6号)

2020-06-20 01:53:00 | 新型コロナと祭、民俗
●吉村大阪府知事の岸和田地車サポート発言
 吉村大阪府知事の「岸和田だんじりサポート発言」が祭好き達の注目を集めています。結論から言うと、希望は見えたものの、「祭をやる=屋台・だんじりを大っぴらに出せるか」にはまだまだ疑問が残ります。また、我々のような播州の屋台を担ぐ祭は、岸和田の地車のような曳く祭より開催が困難になると思われます。それらを下の順序で書いていきます。

①吉村大阪府知事の発言した内容
②その発言の根拠と思われる研究(管理人のザックリ解釈)
大阪府庁に質問した内容と回答
クリアするべき懸念事項
播州屋台の祭が岸和田だんじりの祭より開催がより困難と思われる点
今回は、①②③までです。

①吉村大阪府知事の発言した内容
 発言をしている時の動画がアップロードされていますが、削除されるかもしれません。2020.6.17 MBS 「ミント」のインタビューにおいて、大凡下のようなことを言っています。
①政教分離な大原則があるから、だんじり祭をやるやらないを決めるのは地元の人
②自分はだんじりファン
③やる、やらないどちらの決断を岸和田がしても府として全力でサポートする。
④感染者が出た場合のサポートなどを全力でしたい。
‪といった内容でした。
 ③の発言は、知事が地車の曳行を容認したようにとらえられて、祭好き達のSNSに広がっています。

 個人的には、政治家として、政党としても、吉村知事を信用する気にはなれません。でも、「だんじりファン」と言った時だけは、「政治家の顔」から、祭を見てかっこええと思う「少年の顔」になったように見え、その言葉に嘘はないように見えました。それは、岸和田の地車の魅力がなせる技でもあるのでしょう。
 
 とはいうものの、吉村府知事は経済活動の回復をいそぐあまり、やや希望的観測で根拠としているだろう研究を解釈しているように感じています。それを次に書いていきます。

 ②その発言の根拠と思われる研究(管理人のザックリ解釈)
  吉村府知事が、岸和田だんじり祭の開催を容認したとも捉えられる発言をした背景には、2020年6月11日か12日(リンク先では11日とも12日とも思える表現で書かれている)に行われた大阪府新型コロナウィルス専門家会議において、『「大阪大学 核物理研究センター」のセンター長・中野貴志教授が、「感染拡大の収束に外出自粛や休業要請による効果はなかった」と明言した。』ことによるものだと思われます。
 中野氏は感染収束の指標としているK値(直近一週間の総感染者数/総感染者数)というものを用いて、その効果はないとしたそうです。残念ながら、なぜ、この数が有効なのか有効でないのかは分かりません。
 記事から理解できたことは、下の通りです。
①中野氏が核物理学者であること
②日本は感染をうまく抑えこめていると中野氏が主張していること
③K値で見るとピークアウトは3月28日だと中野氏が主張していること
④三連休の気の緩みは関係ないとと中野氏が主張していること
⑤国内の自粛政策は後から見たら過剰だが、ことさら間違っていると責めるのは間違っていると中野氏が主張していること
⑥朝野座長は飲酒接待の場でクラスターが発生している事実を指摘していること。
 このサイトによると、中野氏の理論は統計的には「今のところ正確」ですが、疫学的(例えば新型コロナウィルスの性質?)からは正確かどうかは分からないと言ったところでしょう。
 また、赤点ギリギリの数学音痴の管理人の見解ですが、中野氏の理論だと日を追うごとに分母が大きくなるので、どうしても楽観的な数字が出やすくなるように思ってしまいます。
 また、結局飲食を共にする場では集団感染が起きる事例は夏でも続いていることなどを考えると、やっぱり厳しいのかなと考えてしまいます。


 大阪府庁に質問した内容と回答 
 そこで、岸和田だんじり祭などを開催して感染者が出た時のためのサポートとして病床数を増やす計画があるのかどうかを聞こうと思い立ち、大阪府の新型コロナ相談室に電話で問い合わせました。しかし、そこから「府民お問い合わせセンター」に電話するよう案内され、そこから災害対策課に繋がれてお話を聞くことになりました。
おおよその質問の内容と、回答は大凡下のようなものでした。なお質問番号は煩雑さ回避のために便宜的につけました。

----これより---
質問1
だんじりなどで感染者が出た場合などの病床数を増やす計画はあるのか

答え
(だんじりをやる場合の対策をしろという)指示はまだ降りてきていない。
また、さらに病床数ふやすことについても今のところはやっていない。
 感染対策課、災害対策課、(新型コロナ対応のためにつくられた?)健康医療チームなどで協力して対応することになると思われる。

質問2
祭に間に合うのか??

答え
答えてくれた人の個人的な感覚としては、軽症者のためのホテルの確保は一月かからずにできたなどノウハウはあると思う
----
今のところ、具体的に動いているという様子ではないものの、軽症者用のホテルの確保などのノウハウには自信が伺えたと感じています。しかしながら、祭の開催の是非を判断するのは、大阪府がどこまでできるかが分かった上で検証しなければならないことだと思われます。

次号では似たような内容と言われかねませんが、やる上での懸念事項と播州の屋台祭が、岸和田のだんじり祭以上に開催に困難が伴うだろう点を挙げていきます。







 
 

284.祭を「やる」場合の留意点(月刊「祭」2020.6月4号)

2020-06-16 21:39:00 | 新型コロナと祭、民俗
●お上は新型コロナ感染拡大の戦犯押し付け先探し中
 オリンピックしたい一部の立場ある人たちに国内で広がった新型コロナですが、やはり感染拡大の責任は取りたくないものです。お上は夜の町、パチンコ店など感染拡大の戦犯押し付け先を目をさらにして探しています。このブログ愛読者は耳タコかもですが、祭の中の神事には当たらないとも言われるだんじり、太鼓台などの祭関係者もその候補になる可能性は極めて高いと思われます。
 管理人としては、ワクチンの流通が9月10月には間に合いそうにない、祭町は概して年長者が多いことを考えると、現状ではするべきではないと考えています。 
 しかし、「やる」選択肢をとる祭、屋台、だんじりがあることも予想されます。その時の留意点をあげたいと思います。

●感染防止策
 最も重要な観点だと思われます。
 挙げてはみましたが、特に担ぐ時、曳く時の対策の実現は難しそうです。
担ぐ時、曳く時
①密集して担いだり曳いたりしない。
②担ぐ、曳くの交代時は触れていたものを消毒する。
③太鼓は対面に座らない。
④全員マスク着用

飲食時、トイレ時
①飲み物、食べ物は一つのものをみんなで食べるのではなく、小分けにして。
②盛り付け、レンジで加熱、蓋、口に触れる部分の重点消毒。
③飲み物も個人用のペットボトルや缶で。
 口にする前に消毒
④食前の手洗いと消毒
⑤トイレのドアノブ、鍵、を触ったら消毒してから用を足す。トイレットペーパーは、カットする金具部分を消毒、一回転分は捨てて使う。

●組織運営
「ワシはやめとく」を認める
「ワシはやめとく」を伝える
 「やる」という決断をしても、高齢者など重症化リスクの高い人との同居など、家庭の事情によっては祭に出ない人もいると思われます。
 
 祭は一年一年が特別なかけがえのないものです。特に青年団長などを努めるのは、地域によっては一生に一度の地域であり、みんなと祭りに臨みたいものです。
 でも、命に変えられるものではありません。自分や家族を守るために「やめとく」の決断をする人も祭り仲間の中に現れるでしょう。
 「やめとく」と言われた人は、その人を許して、また戻ってきたら前と変わらず接する必要があります。
 一方で、いくら大切な友達や仲間が一生に一度の大役を務めるからと言って、ムリは禁物です。例えば自分の親が感染により帰らぬ人となるようなことがあれば、その大役を務めた仲間も後悔の念に苛まれます。




282.他所がやるからうちもやるの危険(月刊「祭」2020.6月2号)

2020-06-12 22:04:00 | 新型コロナと祭、民俗

●ウィズコロナ下の祭開催可否の基準
 少しずつ、今年の秋祭の開催の可否が決まってきました。知る限りではほとんどが中止の決断、そして、それが、賢明と言わざるを得ない状況です。新規感染者数が2桁なのは少ないのではなく、感染爆発前夜の数です。
 さて、ここで気になるのがどうやって開催を決めるかです。
  例えば、昭和天皇の危篤時のような宗教的な議論で開催の可否が決まる場合は、他所の祭の「様子見」も選択肢としては有ると思います。
 しかし、新型コロナで「他のところがやるからうちもやる」は、大きな不幸につながるとこの記事に書きました。今回はその理由をシンプルに書きます。

●なぜ「他のところがやるからうちもやる」は、大きな不幸につながるのか
 この冬から春にかけての大規模な国内での流行は、ほとんどが都市部でのものでした。都市部の場合、人口は多く手狭なものの、比較的(といっても今回は優秀なお上のおかげで不足だらけでしたが)医療施設は整っていると言えるでしょう。
 では、祭がさかんな地方で同様のことが起きた場合どうなるでしょうか。多くの祭のさかんな地域の状況は概して下のようなものでしょう。

①主要都市部より、60歳以上の住民の割合が高い。つまり、重症化する可能性が高い。

②主要都市部のようなPCR検査ができる機関がない(例えば三木市内にはありません。)

③主要都市部のような、入院施設がない。
 兵庫県だと加古川と神戸が拠点?

 祭がさかんな他の多くの地域も、上の①②③に当てはまるところはかなりあると思われます。いいかえれば、祭が盛んな地域の多くは、都市部より重症化リスクは高いけど、医療資源に乏しいと言わざるを得ません。
 
このような中で、「他所がやるからうちもやる」が連鎖すると、「他所もうちも棺桶の山」となるのが、現状だと思われます。

 現状では開催は厳しいです。万が一近隣の他所が出したら、うちは余計に無理と言わざるを得ないのが、祭がさかんな地域の医療資源と人口割合から考えられそうな結論です。

●編集後記
 中国で良心的な医者が口止めされ感染が広がり、国内で良心的な専門家の口が塞がれました。愚かな知事や首相の選手の健康を考慮しないオリンピック志向により感染は見事に広がりました。
 緊急事態宣言が解除され、経済は動き出しています。しかし、「不要不急の出勤」をしている人も増えているように見えます。
 愚かなオリンピック志向、愚かな出勤志向によって祭ができない可能性が高いことに落胆しています。



 

281.緊急事態宣言後に分かる!?勤め先ブラック、ホワイト診断(月刊「祭」2020.6月1号)

2020-06-01 11:15:00 | 新型コロナと祭、民俗
ここでのブラック企業は、おおよそこちらの意味で使っています。
●緊急事態宣言解除後の風景
 緊急事態宣言が解除され、再び経済が動き始めました。新型コロナが某国総理周辺のように忖度して、今は出る時じゃないと活動を自粛してくれたらいいのですが、そういうわけにはいきません。忖度してくれるのならば、オリンピック 感染もなかったはずです。
 
 つまり、緊急事態宣言が解除された後の方こそが、よら感染の危機に晒されているとも言えるでしょう。しかし、企業によっては、これまでの感染対策をやめてしまうところがあると聞きます。そこで、あなたの身の回りは大丈夫かどうかのチェックシートを作ってみました。 

★あなたの企業は大丈夫?★

下の①から④の質問にどのていどあてはまるか、点数を下の基準でつけます。それを合計してください。

基準
5めっちゃあてはまる
4そこそこあてはまる
3どちらともいえない
2あまりあてはまらない
1あてはまらない

①今まであった感染症対策グッズ(除菌シート、消毒液、マスクの配布)がなくなった。

②マスク、手洗いなどの対策をしていない人を注意しなくなった。

③リモートですむものを、リモートでするのをやめた。

④ラッシュ時の通勤を控えることもできるのに、できない雰囲気がある。

⑤研修などで会社に忠誠をちかわすための声出し訓練を集まってやらせている。

⑥危機感がないと社員を非難したり、逆に怖がってたら何もできんと言ったりするわりには、具体的な感染防止の方法を示してくれない。

番外:マスクをアベノマスクに指定してくる

6点から10点
 かなりのホワイト企業かつ、会社の経済的な余裕があるかも。

11点から15点
 そこそこホワイト企業、でも、経済的な余裕か、ブラック化の兆しがある?

16点から20点
 ブラック、ホワイトどちらにも転ぶ可能性あり。改善への声を出さないと集団感染の温床に??

11点から25
 ブラック要素が強めかも。経済的な利益や旧来の慣習を重視するあまり、対策が疎かになっている可能性があります。

26点から30点
 かなりのブラック企業か。経営自体がやばくて、感染症対策まで手が回らないか、そもそも、その必要性を感じていないかのどちらかです。弁護士やハローワーク などへの相談をオススメします。

番外が4か5
 あなたの会社の意思決定社は人に言えない悩みを抱えているかもしれません。

編集後記
アメリカのアフリカ系アメリカ人殺害事件に端を発する暴動が止んでいないようです。トランプ大統領のツイッターでの暴力を示唆する発言で、火に油状態です。
 トランプ大統領をホワイトハウスの住人で間だけでも、ブラック企業、ホワイト企業の言葉が意味するものを取り替えた方がいいかもしれません。



279.祭開催の決定は慎重に。まだ、感染爆発前夜(月刊「祭」2020.5月6号)

2020-05-28 21:16:00 | 新型コロナと祭、民俗
●祭開催の決定は慎重に
 めっちゃ祭したいのはやまやまです。管理人も十年前なら「感染上等、うつったらその時や」の勢いだったと思います。
 でも、こちらで示したように、現在の日本国内の状態は感染爆発前夜と同じ新規感染者数です。少なくとも新しい生活様式が唱えられている中ではかなり、屋台や地車を出すのがかなり、難しいというのが実情です。

●暑いタイでもウイルスは生きている、涼しくなった9月10月要注意!
 下の記事によると、確かに新型コロナウイルスは高い気温だと死滅しやすいようです。確かに現在感染拡大している国、例えばロシアやアメリカはずっと日本より寒いはずです。ブラジルも今から冬を迎えます。しかし、タイなど日本よりずっと暑い国でも感染者はいます。
 少し涼しくなった時に再度感染爆発の危険性もあることを念頭に置かなければなりません。
 「他のところがやるからうちもやる」は、大きな不幸を巻き起こす可能性がかなり高いと言わざるをえません。冷静な冷静な判断をみんなでしましょう。
 




●そろそろ考えねばならぬこと
 現状だと祭の通常通りの開催は厳しいというのが実際のところでしょう。その中で、いつもお世話になっている方が苦境に立たされるのも事実です。本来なら行政の責任ですが、彼らに期待するのは得策でないのは身をもって知りました。
 各氏子でできることを模索する時期が来ているように思います。

①いつもお世話になっている的屋(テキヤ)さんなどの商品をオンラインで購入できないか

②いつもお世話になっている飲食店、テイクアウトをできるだけ

③お宮さんへのお賽銭はずみましょう

④縮小した祭の映像記録を業者さんにたのめないか

276.祭ができる条件(月刊「祭」2020.5月3号)

2020-05-20 21:49:00 | 新型コロナと祭、民俗
●緊急事態宣言の解除
 新型コロナウイルスの感染者数増加が、現在(2020.5.20)は落ち着きつつあります。東洋経済オンラインによると、5月18日の新規感染者は30人ということで、3月4日の34人に近い数にまで戻ってきました。緊急事態宣言の解除も秒読みと言える状況です。
 しかし、新規感染者が34人の3月4日から約一月後の4月5日には378人になりました。つまり、新規感染者が30人代という数字は、全く安心できる数字とは言えないと思われます。つまり、今、感染爆発前夜に戻ったというのが実際のところかもしれません。経済を回さないわけにはいかないから、仕方なく解除するというのが、今回の実情と言えるでしょう。
 しかし、少しずつ減る感染者や患者数に、また祭ができるかもしれないという希望も微かに、本当に微かに見えてきたように感じます。そこで、昨年のように楽しい祭ができるには、どのような状況になっていたらいいのかを考えてみました。

●祭ができる条件
  屋台、だんじりの祭は、飛沫を飛び散らし、不特定多数の人が密集して行われます。また、祭自体は屋外であっても、飲食は大人数が集まる室内で行われるのが常の姿です。となると、一人でも感染者や無自覚の保菌者がいることで、大規模な集団感染が起きることが予想されます。
 つまり、新しい生活様式とは相入れない祭をするのはまだまだかなりハードルが高いと言わざるを得ません。
 下の①②いずれかで、祭ができると個人的には考えています。しかし、このハードルは今の日本や世界にとっては極めて高いものと言わざるを得ません。






世界中から新型コロナウイルスを撲滅させる

下のア、イ、ウ全てクリアしつつ①を目指す。
ア、
国内新規感染者0人が一月続く+入国者の全員検査、陽性者の隔離
イ、ワクチンと薬の開発、流通
ウ、大規模感染が起きることをみこしての検査体制の整備、隔離ベッドと医療施設の整備、早期段階での感染者全員治療体制





●祭関係者が政(まつりごと)関係者に求めること
 現実的には②を達成、①に移行というのが祭のみならず、文化的な元の生活に戻すための道のりと言えるでしょう。
医療
 報道などによると、初期の段階でアビガンなどの薬を投与すれば、治癒率がかなり上がることが言われています。となると、検査数を手軽かつ安全に行うことで、医療への負担も減らせそうです。このような体制の整備は、行政の仕事です。予算はついたみたい。。です。十分なのかどうかは分かりません。

補償
 自粛に対しての補償も必要だというのは、明らかです。持つ者が出してくれよーと思ってしまう一般庶民の管理人です。

より具体的な防疫手段の提示
 新型コロナウイルスの今わかっている性質をもとにして、各仕事、会社ごとに具体的な作業マニュアルの改定が必要です。
 例えば管理人の属するトラック業界では、不特定多数の人が触ったものを自分が触ったら、ハンドルを握る前に必ず消毒が手洗いを行うといったようなものです。


●祭関係者が祭をするために今できること
 「自粛」だけでなく、経済を回さざるを得ない人が沢山います。その中で、「うつらない、うつさない」ために手洗いうがいなど、新しい生活様式とやらを少しでも実現することが必要でしょう。
 あらゆる仕事に防疫という重点分野が増えたとも言えるでしょう。個人が、企業が、根性論に頼らず、科学的に効率よく防疫する不断の努力は、政治の良し悪しにかかわらず必要となってきそうです。
 


番外.祭色兼備のショートムービー

2020-04-30 19:56:00 | 新型コロナと祭、民俗
●祭ができないつらさ
 外に出たい。みんなに会いたい。働かなくては、生活が、、
 やっぱり祭がしたい。
 でも、今は我慢せざるを得ません。

 今こうして見ると、やっぱり祭の風景はいいもんです。制作した祭色兼備は泉州の業者さんですが、北条節句祭など泉州以外の地域の映像も入っています。アカデミー賞級の映像です。

<iframe src="https://www.youtube.com/embed/mvqvI8lbUsU‬" width="560" height="315" frameborder="0" allowfullscreen=""></iframe>


265.中止の勇気(月刊「祭」2020.3月3号)

2020-03-16 21:11:00 | 新型コロナと祭、民俗

●新型コロナウイルス
 新型コロナウイルスの流行をうけ、加西市の北条節句祭が屋台運行、龍王舞などの中止を決定しました。節句祭の一ファンとしては、本当に残念な結果ですが、英断であったと思います。
 
 
 
 
 
 
 
 
●強行開催のリスク
 この流行下でも「祭をやりたい」という気持ちは痛いほど理解できますし、管理人自身当事者なら、強行開催しないという自信はありません。また、「このような時だからこそやるべきだ」という主張も理解できます。また、「こういう時だからこそやるんや」という人を決して嫌いにはなれません。しかし、そこにはかなり大きいリスクがつきまといます。
 
1酒の席などでの感染者
 祭をすると、必ずと言っていいほど公民館などで飲食の場がもたれます。大人数が閉鎖しれた空間でともにすごすことで、感染者の増加のリスクが生じます。
 
2マスコミとお上の「やってますアピール」の標的
 昨今はマスコミは「お上」に物申すことはかなり難しくなっています。一方で「お上」も失政続きで、「傍観してるだけ」の印象を国民が持ちつつあります。
 祭で感染者が出ると、それを批判する記事を書けばマスコミにとっては「ジャーナリズムやってます」のアピール、お上はその祭に近いしい政治家などを離党させれば「身内にも厳しくやってます」のアピールになります。
 
●中止、延期の勇気
 今回ばかりは、馬鹿げたやってますアピールに祭が使われないためにも、そして、祭好きの人の命ためにも、中止延期の決断もまた、勇気ある決断と言えます。
 
 

264.祭の延期-京都祇園祭編-(月刊「祭」2020.3月2号)

2020-03-08 19:10:00 | 新型コロナと祭、民俗
 
 ●祭延期の歴史

 コロナウイルスの蔓延により、春祭の開催が危ぶまれています。中止か開催かの二択ではなく、延期や一部開催という選択肢を歴史から見ていきます。

 今回は祇園祭編です。




 
 
 2014年の祇園祭山鉾巡行は台風の接近により開催が危ぶまれました。しかし、その決断は「小雨決行大雨強行」という、激しい祭への意思を示したものでした。
 祇園祭は風流な祭と言われたり、神田囃子と比較してその音楽は都の貴族文化をのこした優雅なものだと言われたりします。しかし、その見解は「浅い」と言わざるを得ません。巡行自体が序破急を意識したものになっています。たしかにくじ改め前の囃子は穏やかなものかもしれませんが、山鉾は巡行終了間際の囃子はかなり激しいものになっています。
 
 
 このような「激しい祭」が、世情の流れに飲まれることなく、生き延びたのも柔軟な祭礼日変更の歴史があったからとも言えます。
 
祇園祭山鉾巡行の日付変更
 ここ(祇園祭山鉾巡行の日付変更)は、名著・河内将芳「絵画資料が語る祇園祭 -戦国期祇園祭礼の様相-」(淡交社)平成27年の内容をかいつまんだものとなります。はっきり言えば、この記事より本を手に取られる方が有益な時間となることでしょう^_^;
 
神輿より一日遅れの山鉾巡行 
 現在の祇園祭では先の祭、後の祭、ともに山鉾の巡行が終わってから神輿が動きます。現在は7月の17日と24日が先の祭、後の祭になっていて、旧暦時代は六月の七日と八日でした。
 しかし、この頃は台風や大雨が頻繁な季節です。六月七日に大雨が降った時の祇園会の様子が 中原師守『師守記』康永四年(1345)六月七日と八日条にのこっています。この時は「山鉾」かどうかは分かりませんが、「山以下作物」とあるので、なんらかのものが作られて運行する習慣があったことはみてとれます。
 まず七日条を見ると、洪水により神輿がわたるための浮橋がらかけられなかったけど神輿は「舁渡」ったそうです。
 しかし八日条には
今日、山以下作物これを渡すとうんぬん、昨日雨により斟酌(事情などを、くみとること)、今日これを渡すとうんぬん
 とあり、大雨で神輿は予定通り七日に渡ったけど、おそらく大型と見られる「山以下作物」は次の日に渡ったということです。
 
●冬の祇園祭
 そして、名著・河内将芳「絵画資料が語る祇園祭 -戦国期祇園祭礼の様相-」(淡交社)平成27年には、冬の祇園祭についての記録が紹介されています。
 『康富記』文安六年(宝徳元年、1449)十二月七日条には、次のように書いています。
祇園神輿迎なり、さる六月、山門訴訟により延引せしむるものなり、例のごとく三基御旅所に出でしめたまう、桙(ほこ)山以下風流先々のごとく四条大路をわたるとうんぬん
 
 また、同年十二月十四日、つまり後の祭と思われるところには、「風流山笠桙已下三条大路を渡るとうんぬん」とも書かれており、山門・比叡山の僧侶達の訴訟により天台の別院であった祇園社も祇園会を延引せざるを得なかったことが読み取れます。
 
 その後も河内氏は先程の著書の中で、文安六年(1449)以降は応仁・文明の乱を挟んで元亀二年(1571)までは六月七日、十四日に祇園会がおこなえなかったこと、六月にすら行えなかったことが27回もあったことを書いています。
 
●祭を守るために
 我々が愛する山車やだんじり、屋台の祭は必ずしも日程を、死守したわけではないようです。死守したのは祭の法灯であり、その法灯を絶やさぬように、世情の流れに飲まれぬ舵取りをして今も続いていることがわかります。
 春祭を開催し、感染者が出ることで、場合によってはコロナ拡散の責任をなすり付けられる危険があることが考えられます。延期などの措置をとってもやむなしといったところでしょう。