脳腫瘍に負けない!!闇を抜けて君に幸あれ 

48歳で脳腫瘍を発病したパパを応援する妻、ちぇぶの日記です。

救い

2006-05-14 00:47:04 | 今までのこと
あの電話がなければ私は持ちこたえられなかったかもしれません。
その日、家族を会社と学校に送り出し一人で家にいました。
一人になると涙が止まりません。
悪いことばかり考えます。
電話は近所に住む友達からでした。
当時それほど親密にしていたわけではないのですが、彼女は電話に出た私の第一声を聞いて「おかしい」と気づいてくれました。
「どうしたの?」ときかれ言葉に詰まりました。
「とにかく一緒にお昼を食べよう」と私を誘い出してくれました。
会って顔を見てこれは尋常ではないと気づいた彼女はとにかく話をしてみてといいました。
ことの一部始終を話すと、彼女は私の背中に手を当てて全部聞いてくれました。
その手がとても温かかったのを今も覚えています。
そして、「とにかくあなたが倒れちゃしょうがないんだから、病院に行きなさい。」と言いました。
「どこでもいいから良く知ってる病院にいって落ち着ける薬をもらってよく眠りなさい。」と言いました。

私は次の日彼女に言われたとおり病院にいきました。
なんと子供のかかりつけの小児科です。
そこの先生は年配の女性で厳しいけれども温かいとても素敵な人でした。
先生に全部話しました。夫の病気のことも子供を抱えて不安で不安でたまらないことも。
先生は言いました。
「その状況なら、そんな風になるのは当たり前です。」
「とにかく眠らないといけないから、落ち着ける薬を出すから今夜これを飲んでぐっすり寝なさい。」と
「この先もっと大変なことがあるかもしれないけれど、そのときになればそのときちゃんとどうにかできるから、人間はそういう風にできているのよ。」と
「あなたは自分の体をいたわらなければいけないのよ。今できるのは自分の健康管理をすることよ。」と

気持ちがすっと軽くなりました。
「そのときになればちゃんとできる。人間はそういう風にできている。」この言葉になぜかものすごく救われました。
その夜先生からいただいた薬を飲んで次の日目覚まし時計が鳴るまで久しぶりにぐっすり眠ることができました。

ぐっすり眠った次の日私はあることに気づきました。
もしも私が死んでしまってもこの状況は変わらない。
今まで私が抱えてきた不安や恐怖を今度は娘が抱えることになるんだと。
なぜそんなことに気づかなかったんだろう。
大切な大切な子供たちにこんな思いをさせるわけにはいかない。
やっぱり私が頑張らなくちゃ。
子供たちのために元気でいなくちゃ。そう思うことができました。

久しぶりに落ち着きを取り戻し冷静に考えることができるようになって
私は新しい恐怖を味わいました。
こんな大事なことも忘れてしまう。
命より大事な子供たちのことも考えなくなり終わらせたいという気持ちに支配されてしまう。これが鬱か・・・と思いました。
鳥肌が立ちました。
気づかぬうちにとんでもないことになっていました。
危ないところで気づいてよかった。
友の電話に感謝です。
もちろん彼女は今も私に寄り添っていてくれてつねに私を励ましてくれます。
こんなところで思いがけず親友をゲットしてしまいました。
神様にも感謝です。

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