長いですが、最後まで読んでください。
昨日は診察日でした。
MRIの予定でした。
パパは会社から私は家から行くので
いつものように診察室の前の待合室で2時に待ち合わせをしました。
12時10分
パパからのメール:今から病院に向かいます。
私は昨日ちょっと出遅れてしまい2時40分頃待ち合わせ場所に着きました。
当然パパは到着していると思いました。
でも姿がありません。
やはり待ち合わせをしていたパパの妹が来ていました。
彼女もパパの姿が見えないことを心配していました。
MRIが混んでいるのかもと思い
MRI棟に確認に行きました。
すると受付の女性が言うのです。
「ちぇぶ夫さま、今日は予約は入ってませんよ。」と・・・
おかしいという事になり、今度は病院に来ているかどうか
調べてもらいました。
診察券を再診受付機に通していれば病院に来ているという事なので
すぐに確認できます。
結果
「病院に来ている記録はありません。」ということでした。
そこでハタと気がつきました。
いつもならパパは病院に着いたとき必ずメールを入れてきます。
「病院に到着」
とか
「今からMRI」
とか・・・
それなのにそういうメールが着ていませんでした。
『どこかで倒れてしまったのか?』
『事故に巻き込まれたのか?』
嫌な事ばかり頭をよぎります。
とにかく会社をちゃんと出ているのか確認しようという事になり
会社に電話をかけました。
そして驚くべき事実が・・・
「今日ちぇぶ夫さんはお休みしてますよ。」
今朝いつもと同じように
「行ってきま~す。」って出かけたのに・・・
「2時に診察室の前でね」って約束したのに・・・
朝見たTV
女子アナが自殺したというニュースが頭をよぎります。
今日の占いカウントダウンで私の星座みずがめ座は
「大切な人とのお別れの予感・・・」
でした。
パパの携帯に電話をかけます。
留守電です。
「今どこにいるの?みんな心配しているよ。迎えに行くから居場所を教えて!」
メールを送ります。
午後3時35分
パパからのメール:「ありがとう」
今生きている、何とか早く会わなくちゃ。
何度も早く会いたいから居場所を教えてとメールをしました。
午後3時42分
パパからのメール:「ごめん」
このメールを最後に携帯での連絡はまったく取れなくなりました。
どうしていいかわからなくなっていると
看護士さんがとにかく主治医とあって話したほうがいいと言ってくれて
主治医と会いました。
そこでまた驚愕の事実が・・・
主治医「MRIは2週間前に終わってますよ。」
私「エーー??」
主治医「結果は良好、再発の兆候なしでした。」
私「はぁーー???」
もうまったく意味がわかりません。
だって私はMRIのとき急に悪い結果が出たりしたとき一人じゃ
決められない事とかあると思うから
そういうときのために3ヶ月に1度だけ病院につきそってたんですよ・・・
とにかくこの時点で病気の急な進行を悲観して失踪したわけではないという事
がわかりました。
事件や事故に巻き込まれているのではなく
彼が自分の意思でいなくなった
ということがわかりました。
どうやって探せばいいのか
まずはドコモショップに行きました。
携帯のGPS機能で探せるかもしれないと思ったからです。
しかし
「携帯がすぐに留守電になるところを見ると電源を切っているか
電池が切れたかのどちらかの可能性が高いです。」
とショップのお姉さんに言われました。
親戚や彼の友達に電話をかけようと思いました。
誰かに連絡しているかもしれないと思ったから。
親戚はすぐに連絡できたけど
私は彼の友達の連絡先をほとんど知りませんでした。
そういえばこんなとき彼が行きそうな場所もひとつも思い当たりません。
そうです。
私は彼のことをほとんど知らないということに気付いたんです。
それでもなんとか彼の友達の連絡先一人だけ見つけ出し
その人からお友達に連絡してもらう事ができました。
しかし手がかりはありませんでした。
午後5時半
あたりはもうすぐ暗くなります。
早く何とかしなきゃいけません。
こうなったら頼りは警察しかありません。
私たちは新宿警察に行きました。
捜索願を出すためです。
朝からの出来事をいろいろ聞かれた後
「自殺の恐れはありますか?」
ときかれました。
病気のこともあるし、
「まったくないとは言えません。」
と答えました。
急がなきゃいけないという事で
警察から110番通報しました。
これで警視庁管内は捜索してもらえます。
しかしそれだけでは全国手配にはならないのだそうです。
私たちの行ったのは新宿署。
自宅は神奈川県、病院も職場も管轄外
その場合自宅か病院か職場がある場所の管轄の警察からじゃないと
捜索願は出せないのだそうです。
『ホントに警察使えないなぁ。』
と思いました。
最初話していたおじさんの警察官は
「そういうわけなので自宅近くの警察署に行って捜索願を出してください。」
といいました。
『えー?その間に何かあったらどうしよう!お願い早く捜してよ』
と思っていると
横から女性管理職の人が割って入ってきました。
「そうなこと言って、神奈川県まで言ってる間に何かあったらどうするの!!」
そうだよねそうだよね。
どうしたら一番早く捜索願を出せるの?
「ここからだったらご主人の職場が一番近いからそこの管轄の警察に行くのがいいですよ。」
と教えてくれました。
まぁちょっと近いだけで言ってることはさほど変わらないんだけど
その女性管理職さんその後に言った一言が・・・私を泣かせました。
「大丈夫、守るべき家族がいる人は変なこと考えたりしないから。
きっと元気に戻ってくるから。大丈夫ですよ。」
って言ったんです。
彼女の言葉に元気をもらい
管轄の警察署に向かいました。
途中の電車の中で携帯がなりました。
娘からメールです。
「パパから電話がありました。今新横浜でこれから帰るって。携帯壊れて連絡できなかったんだって。」
とありました。
またもや意味がわかりません。
娘に電話をかけました。
娘は家に帰っていてどうやら公衆電話から家の電話に連絡が入ったようです。
1時間後パパは無事に家に帰ってきました。
私が帰ると玄関で待っていたパパは
「ごめんなさい。ごめんなさい。」
と言って頭を下げました。
なぜこんな事になったのか・・・聞きました。
「フッと海が見たくなった。」
のだそうです。
一人でおばあちゃんのお墓参りに行って子供の頃育った近所の海を見ながら
一杯飲んで帰ってきたそうです。
今の治療がただ維持療法であること、
大学病院が込んでいて、MRIの予約が思い通りに取れないこと
主治医が最近冷たいような気がすること
やはりいろいろ小さな不満があったようです。
主人の話を一通り聞いたあと主治医とも電話で話しました。
あまりにも安定しているから
もう長い間落ち着いていて良い状態なんだけど
本人にとっては新しくいい情報がない状態が続いているから
こういうときに鬱っぽくなったり
急に不安を感じたりする患者さんは少なくないという事でした。
先生は心配して待っていてくれたようで細かい話までたくさんしてくれました。
「主人は先生が最近冷たいと感じているようです。」
と話すと、
「やはり今安定しているから、ヘビーな話の患者さんが続いて疲れているときなんかは、ちぇぶ夫さんの時サクっと終わらせている事はあるかもしれません。」
と言っていました。
とにかく主治医にも主人の気持ちは伝えました。
診察は来週受ける事になりました。
今日は昨日私が助けを求めた夫の友達が
心配して夫に会いに来てくれました。
今日1日会社を休みふるい友人と過ごした夫は
元気を取り戻したようです。
今までこういうことがなかったけど、会社からも治療からも
逃げたくなってしまった夫の気持ちも少しだけどわかります。
でも私がどれだけ心配したか、どんな思いで彼を捜したか
その時の気持ちを思い出すと、なんとも言いようのない気持ちになります。
でもまぁそんな事言っててもいいことはないので
終わりよければすべてよし!
ここに書き記す事でこの出来事はおわり
また明日から新しく毎日楽しくすごそうとおもいます
長文お読みいただきありがとうございました。