よしーの世界

好きな神社仏閣巡り、音楽、本、アートイベント情報を中心にアップします。

週末はギャラリーめぐり   山本冬彦

2022-01-26 06:38:37 | 
アートも好きな私は美術展に行くのも好きです。日本では有名画家(ダ・ヴィンチ、モネ、フェルメール

等々)の展覧会は大変混み合いますので敬遠してしまいますが、今でも企画展にはよく訪れます。本当は

ギャラリーも行ってみたいと思いながら、敷居の高さについつい行きそびれてました。本書には著者がそ

んな初心者向けに画廊巡りのルールやエチケットから、実際の場所、画廊の特徴、実際に気に入った絵を

購入する方法まで細かく書いてあります。


サラリーマン・コレクターを自称する著者はゴルフ、酒、たばこ、カラオケ、マージャン、競馬などを一

切趣味とせずに、土曜日ごとにギャラリーを巡っているようですが、絵を蒐集するとなれば半端ない資金

がかかりそう。勿論そんな私たちの為に1、2万円台とか、3、4万円台の作品を紹介してくれています。

至れり尽くせり。紹介されている画家たちは全く知りませんでしたが魅かれる作品があります。


そして著者の訴えたいことは現在の美大生や若手作家の厳しい現状で、ほんの一部の有名画家以外は殆ど

稼ぐことが出来ないということです。しかも現代ではフリーター、アルバイトで何とか生活は出来てしま

うので、チャンとした創作活動をしていく環境にないそうです。その認識に立ったうえで個人にアートを

購入して、いい循環が出来てほしいという願いです。


タイトルから気楽で優雅な生活を勝手に想像していましたが、本書から日本のアート界の現実を知り、と

ても興味が持てました。絵は数百万円とか、数十万円とかすると思っていましたが、若手作家の作品なら

ば数万円で本物が購入できる。しかも支援になり、育てることになるという。目からうろこの本でした。


    週末はギャラリーめぐり   山本冬彦        ちくま新書



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