よしーの世界

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信長の革命と光秀の正義   安部龍太郎

2022-01-02 07:56:53 | 
小学生の頃から日本史が好きで大河ドラマ「国盗り物語」は欠かさず観て、小6では学芸会に戦国時代を

オムニバス方式で演じました(劇中、友達が間違えて敵方武将に報告に向かい父兄には大うけでした)。

私の英雄は織田信長で日本人離れした斬新な発想と見事な統率力に、只感心していましたが、不思議だっ

たのは絢爛豪華な安土城とか、自身の奇抜な衣装に、大量の鉄砲を揃えるのにどれだけの経済力を有して

いたのか謎でした。


本書の焦点は大航海時代のポルトガル、スペインと信長の関係で、日本や明を植民地化するためにイエズ

ス会が近づいてきたことを著者は史料から読み解いていきます。信長がいくら先見の明があっても財力が

伴わなければ鉄砲をはじめとした武器を大量に調達するのは不可能だったでしょう。その武器が無ければ

名だたる各地の戦国武将との戦いに疲弊してしまったと思われます。


今まで近衛前久を私は知りませんでした。安部氏の前著「信長はなぜ葬られたのか」で初めて知った気が

します。光秀の器量では天下を取ることは叶わず、朝廷の意向が強く働いたことは以前から感じていまし

たが、具体的な動きが本書に描かれていてスッキリしました。


歴史はその時の実権を握っている政権の意向や新たな史料の発見、読み込みによってドンドン変化してい

きます。恐竜でさえ、その姿が何十年の間に驚くほど変わってしまいました。「愚者は経験から学び、賢

者は歴史から学ぶ」とビスマルクは言っています。私たちの知ろうとする向上心が時代に変化をもたらす

はずです。


  信長の革命と光秀の正義   安部龍太郎            幻冬舎新書
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