よしーの世界

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稼ぐまちが地方を変える   木下斉

2021-03-14 07:46:32 | 
本書を読んで日本の地方も少しずつ変わってきていることを実感した。しかもそれらの変化は政治家や

官僚によってではなく、市民によるものが圧倒的に多い。いくつかはテレビ等で取り上げられて知って

いたものもあるが、著者が紹介している成功例は相当数あり、驚きを禁じ得なかった。


そして読後に感じたのは多数の人々の共感から物事が動いていったのではなく、少数の人々の実行力に

よって形作られていった事実。今までは特に「街造り」においては行政が主導して、多数の市民の賛同

を得たうえで予算化されることが前提のように思っていたが、行政が主導したことによって失敗した過

去例をいくつも挙げられていることで、その本質を知ることが出来る。さらにシステム作りが重要で、

利益を生み出すことが大切だと著者は説いている。


日本の政治家は高齢で柔軟な発想が出来ない、官庁は前例主義で未来を見据えて事業を起こすことなど

不可能だ。自分たちの住んでいる地域を良くしていく事は、変えたいと思い自ら動いていることの出来

る住民の力だと痛感し、若い著者の発想と実行力に感嘆した。


私も今住んでいる地域の居心地の良さに安心しながら、自分で出来ることを模索していきたい、と本書

を読んで改めて思いました。


稼ぐまちが地方を変える         木下斉        NHK出版新書
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