ここまで沢山の本を出している噺家も珍しい。しかも自らの語り口調で、落語を語り、楽屋、芸人、時
代、風俗を語り、自らの人生を語っている。厳しく、時には面白おかしく芸を語っており精進した圓生
師の姿がくっきり浮かんでくる。それにしてもいつも思うのは圓生師の記憶力の良さで、子供の頃から
の自分を取り巻く人々、芸人たち、街角の風景を見事に描写している。
筆頭にはやはり三遊亭円朝がおり、明治から大正、昭和と名人たちがずらりと並び、師匠が直接影響を
受けた噺家達。そして桂文楽、古今亭志ん生との話。落語協会会長時代、会長を辞任した後の協会の話
など興味が尽きない。特に会長を辞任した後の真打乱造には手厳しく、師匠の芸に対する姿勢がよく分
かる。
昔の楽屋内の事、ラジオ放送草創期、レコード録音と初めて聞く珍しい話は本当に楽しく、うわさに聞
く御前落語の発端から、うかがい知ることのできない中身、後日談まで夢中で読んでしまうものが多い。
非常に面白かったのが、噺家芝居、通称「鹿芝居」でこれは抱腹絶倒!師の目指す笑いの一つがここに
ある。当時の様子を知るすべが少なく、師匠の語りと数枚の写真(貴重!)による想像の世界でしかな
いが、当時の噺家達の必死さが見て取れる。
古い噺家を観る時(聴く時に)その時代をある程度知らなければ、噺に入りこむことが出来ない。すべ
てを知ることは不可能だが、その時代の空気を感じたい。最近の落語もいいが、六代目 三遊亭圓生師
は今見直しても抜群にいい。ユーチューブでも見ることが出来るので是非。
寄席楽屋帳 六代目 三遊亭圓生 青蛙房
代、風俗を語り、自らの人生を語っている。厳しく、時には面白おかしく芸を語っており精進した圓生
師の姿がくっきり浮かんでくる。それにしてもいつも思うのは圓生師の記憶力の良さで、子供の頃から
の自分を取り巻く人々、芸人たち、街角の風景を見事に描写している。
筆頭にはやはり三遊亭円朝がおり、明治から大正、昭和と名人たちがずらりと並び、師匠が直接影響を
受けた噺家達。そして桂文楽、古今亭志ん生との話。落語協会会長時代、会長を辞任した後の協会の話
など興味が尽きない。特に会長を辞任した後の真打乱造には手厳しく、師匠の芸に対する姿勢がよく分
かる。
昔の楽屋内の事、ラジオ放送草創期、レコード録音と初めて聞く珍しい話は本当に楽しく、うわさに聞
く御前落語の発端から、うかがい知ることのできない中身、後日談まで夢中で読んでしまうものが多い。
非常に面白かったのが、噺家芝居、通称「鹿芝居」でこれは抱腹絶倒!師の目指す笑いの一つがここに
ある。当時の様子を知るすべが少なく、師匠の語りと数枚の写真(貴重!)による想像の世界でしかな
いが、当時の噺家達の必死さが見て取れる。
古い噺家を観る時(聴く時に)その時代をある程度知らなければ、噺に入りこむことが出来ない。すべ
てを知ることは不可能だが、その時代の空気を感じたい。最近の落語もいいが、六代目 三遊亭圓生師
は今見直しても抜群にいい。ユーチューブでも見ることが出来るので是非。
寄席楽屋帳 六代目 三遊亭圓生 青蛙房