愉快的生活~上海~

2009年4月から始まった上海生活の中での新たな出会いや発見、中国語の勉強法など。

風に立つライオン

2015-01-16 17:17:41 | 読書
まっさんこと、さだまさし氏の名曲の一つに、「風に立つライオン」という歌があります。
さだまさし氏の曲の世界そのものの、物語仕立てのこの曲。
アフリカで巡回医療に携わる青年医師が、日本に残したかつての恋人に宛てた手紙が曲の枠組みとなっています。
とても穏やかな歌詞でありながら、アフリカにいる自分の目から見た豊かな現代の日本人を憂う内容を強く伝えるメッセージソングになっています。

そして、この曲に惚れ込んだ、俳優の大沢たかおさんからの強く熱いリクエストでようやく書き上げられたのが、小説版「風に立つライオン」です。
この3月には主演が大沢たかおさんのキャストで映画が公開されます
もういまから、楽しみで、楽しみで・・・

戦禍のアフリカで犠牲になる人々を過酷な医療環境の中で治療にあたる医師と、命を助けられた戦争孤児との人間のつながりを軸にして描かれる「心のバトン」。
そして、そのバトンはこの豊かな日本で起きた東日本大震災の被災地へと引き継がれる・・・。

「生きるとは?」を熱く語り、自分は何ができるのか?と深く問いかけるこの一冊。
最後は涙なしでは読めません。

一人でも多くの人に読んでほしい一冊です


gift

2015-01-06 15:41:12 | 生活 ~日本~
gift, 贈り物というのは、物質的なものだけとはかぎらない。
有形・無形のものを私たちは、日々色んな人から受け取っているんだなあ、と思う。

特に自分の親からもらう贈り物は、その人の人生を左右することもあるだろう。

私の父は私が19歳の時に50歳という若さで亡くなってしまったのだけれども、一緒に居た時間が19年しかなかったのに、
本当にたくさんのものを私に遺してくれたんだと、つくづく思うようになった。

幼少時に上海の日本人租界に住んでいたという父は、「これからは中国だ」と
口癖のように私に話して聞かせていたのを今でも鮮明に覚えている。
父の仕事の関係で、子供の頃から台湾の人との交流が深かった我が家。
子供だった私も、そんな環境を当たり前だと思っていた。

進学を考えたときに、自然と選択肢になったのは、外国語大学だった。
それも「中国語専攻」が第一志望。
そこから、私の外国語に親しむ一歩が始まったように思う。

父が亡くなって20年余り。
まさに父が私を導くように、その後の私は、北京、バンコク、上海、とそれぞれの土地にどっぷりと浸かって生活をし、その言語を身につけた。
そうやって、「外国語」というツールを手に入れたことで、世界が一気に近いものとなり、個性豊かな友人たちとの交流や、また言葉で人のお役に立てる喜びを得られた。

私の人生の方向性をこんな風につけてくれていた父のギフトに、今更ながら感謝するこの頃です。

ときに、遺産やgiftとは、物質的なものを思い浮かべがちだけれども、私の場合の遺産とは、父が私を導いてくれた道。

今年、2015年は、その道に磨きをかけるように、努力と精進をしよう。
ついつい、それまでの「貯金」で生きてしまいがちだけれども、ちゃんとメンテナンスをしなければ。
せっかくもらった人生。磨きをかけるか、そうでないかは自分自身。

今世で父がきっと巡り合わせてくれた旦那様と共に、この先の人生も充実した時間を送らなければ、父に会わせる顔がありませんものね