
中国の役人は賄賂を渡さないと仕事をやってくれないという。伝聞情報であるから真偽のほどは定かでない。この話を聞いたときは、「中国の役人は、国民から無理やり金をむしり取る鬼みたいな連中だな」とものすごく不愉快になった。
それがどうだ、日本の役人――国家公務員も国民の汗である税金を平気で無駄遣いしているのだ。中国と違うところは、国民から直接むしり取っていないことだけだ。
事の次第はこうだ。民主党の長妻議員が摘発したもののようだが、財務省をはじめとした役人連中が残業した後タクシーに乗って自宅へ向かう。その際、運転手から見返りに金品をもらっているようなのだ。
今日のニュースは中間発表のようだが、「13省庁の502人が200万円を超える金品を受け取っていた」という。中には「居酒屋タクシー」と言われるように、車の中で酒やビールにつまみまで出しているタクシーもいたのだ。
でも、インターネットで見れば、財務省の中堅幹部のひとりは5年間に約750回、埼玉県の北部まで帰るのだが、1回、2~3000円で計225万円もの現金や金券を受領していたという強者が居た。この中間幹部は、もはや重大な犯罪人である。
これらの調査結果は氷山の一角だと思う。実際の数はこの10倍もあるのではないか? 財務省のひとりだけが200万円を超す金品を受け取ったのではなく、もっと大勢の人たちも金まみれになり、もっと多額の金品を懐に入れているのではないだろうか。
日本の中枢で働く国家公務員が、この程度の倫理のかけらすらないとは――もう開いた口が塞がらない。たぶんこうした連中は、昼間は適当に時間をつぶし、大した仕事もしないのに遅くまで居残って、堂々と税金支払いのタクシーでご帰還しているのではあるまいか。先の財務省の中間幹部は5年間で750回タクシーに乗ったというが、単純計算すればおおよそ3日に2回乗っている計算だ。もう連夜タクシーで帰ると言っても過言ではないぐらいだ。
もう人をバカにしている。それほど大事な仕事を連日連夜やっているというのか。仕事の管理をしている上司は無能者なのか。部下を廃人にするほど働かせているのか。そんなことは絶対あり得ない。
この事件を、各省庁の大臣や次官はどう決着をつけるのであろうか。獅子身中の犯罪者をうやむやにしてお茶を濁してしまうのか。今までもこの類の事件では、金品を返納させたとか首になったとかという話を聞いたことがない。今度も同じか?
「赤信号、大勢で渡れば怖くない」――もう、ばかばかしくて税金を払う気が萎んでしまう。納得のいく説明をぜひ聞きたいものだ。