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ゆったり、いそがず、あわてず、おだやかに…

毎日の生活の中で感じる森羅万象を、自分の想いとして文字・写真で表現する。

老年の生きがい

2011年07月03日 11時10分12秒 | 自分の本
所属する会のパソコン困りごと相談会があり、相談スタッフとして参加した。手弁当持ちで5時間ほどのボランティアである。

80代の方が相談に見えられた。お聞きすれば、俳句が趣味で、作りためた俳句を1冊の本にまとめたい。しかも自分で入力し、印刷し、製本までやりたい由。なかなか大きな目標を持たれた老人(いや、失礼。こちらも老人ゆえにご勘弁を)である。

知識も計画もしっかり持っておられ、A5判、7句で1ページにしたい。作句年を中扉にして…と語られる。およそ100ページぐらいを予定されているようだ。ただ、パソコンの知識はお持ちのようだが、本作りの要領がよくわからない由。

基本的なお話のあと、7句入りの「ページ設定」をしてあげた。形になってくると、ますます愛着がわき制作意欲が増してきているように思われた。

ひとつの生きがいを見つけて、意欲的に取り込む――もはや老け込んでなんかいられない。完成まで絶対応援してやろうと思った。

多くの人々は(かく言うわが輩もそうであるが)、「自分の本」を制作する機会はそれほど多くはない。今日の相談者のように、本にする原稿そのものが無いという人がほとんであろう。原稿があったにしても、業者に頼んで本制作をすれば予算が膨大にかかってしまう。

しかし、今日の相談者のように、すべてを自分の手で制作すれば、時間はかかるだろうが、楽しみは大きいし、出費は数千円と小遣いの範囲内でできてしまう。

パソコンができる人には絶対お勧めしたい。「自分の本」を自分の手で作りましょう――と。

わが輩は微力ながら指導する立場だが、今日のような相談者にはもろ手を挙げて協力を惜しまない。わが輩も相談者から大きな生きがいをもらっている。楽しみなことである。

「自分の本」をつくる喜び

2008年11月08日 21時12分09秒 | 自分の本


先週、読書週間に合わせて新聞に「自分の本」をつくる喜びとして、自費出版の記事が載った。出版社などの業者に依頼しての本づくりが主の記事である。費用も数10万円から200万円ぐらいかかると書かれていた。

この多額な費用が「自分の本」をつくりたい人たちを悩ませているのである。

私は、以前から少額の費用で「自分の本」をつくろうと提唱し指導もしてきた。基本的には、パソコンを使用して、すべて自分の手でつくろうというものである。そう、内容の吟味や資料の収集、原稿の作成、編集、入力、写真のなどの挿入、校正、印刷、製本まで一貫して自分で制作するのである。

以前、指導していたパソコン同好会では、毎年、会員全員参加の会誌をつくっている。今年、発行すれば6冊目になるであろう。また、パソコン同好会の会長は85歳と高齢であるが、旅行記や自分史などの「自分の本」を10冊ぐらい作成している。もちろんすべて手づくりである。頭の下がるほど、心身ともに若々しい方である。

何10万円、何100万円とお金をかければ、立派な本ができるのは当たり前である。でも、それだけの費用をかけられる人たちは限られてしまう。多額の費用がネックとなって、大多数の方は「自分の本」づくりをあきらめてしまうことであろう。

すべて自分の手で作れば、費用はほんの数万円、いや2万円か3万円で済んでしまう。しかも「自分の手」でつくったという喜びは、もはや表現しようもないぐらい大きなものだ。そうした喜びを一生に一度ぐらいは味わってほしいと願っての提唱でもあるのだ。

先日、妻の仲間たちが小さな同窓会を開いた。そのおりの写真を撮ってきたので写真集をつくってほしいと妻から依頼された。A4変形で12ページほどの小冊子をつくった。もちろん全ページカラー写真で埋まっており、写真集としては立派なものになったなと自負している。妻の仲間たちからは、感謝と賞讃の電話がかかってきている。

私も何種類かの「自分の本」をつくったが、このところご無沙汰している。一番の問題は、費用でも手間でもなく、「本の内容」なのである。いくら本をつくりたくても、内容がなければ「自分の本」にはならない。

しかし、私たちは生きているのであるから、本にする内容がまるでないということはありえない。「生きている証」を自分が生きているうちに、この世に残しておこうと言いたいのである。

もうひとつの問題は、パソコンのできない人はどうするのかということである。方法としては、文字を手で書いてコピーするなどして本にする方法もあるだろうが、ここはひとつ一念発起してパソコンを習得してもらいたい。先のパソコン同好会会長は85歳であっても熱心にパソコンに打ち込んで習得してきたのである。目的を持って習えば、覚えも早いことと確信している。

私は、いくらマイナーな「自分の本」づくりであっても、ささやかではあるが立派な「文化」だと考えている。

「自分の本」をつくろう、生きがいづくりに!

2008年06月17日 21時49分07秒 | 自分の本


「やさしい製本入門」というNHKの趣味悠々の講座が始まっている。全9回のシリーズであるが、まったく知らなかったので昨夜の3回目からの受講(?)である。

私にとって「製本」とは命みたいなものであった。直接に製本作業に携わっていたわけではないが、毎日の仕事に直結していた――現役時代の話である。もちろん、今回の講座のように手づくり製本の話ではない。商業ベースにのる出版での製本の話であるのだが――。

過去、何十年間も製本に関わってきたが、すべてお客様の「本」である。携わりながら、ふと感じることもあった。人さまの「本」には関わってきたが、自分の本は1冊としてない。そんなことに淋しさを覚えたことであった。

でも、出版された人さまと違うことは、「本」にしたくても肝心の内容にするものがないこと。1000冊を作ったとしても配るところがないこと。一番大事な出版・製本の資金がないこと。などなど「ないないづくし」であったので、本づくりは一生ないであろうと漠然とあきらめていた。

それを180度ひっくり返ってしまったのだ。いや、「ないないづくし」が「あるあるづくし」に変わったのではない。ほんのちょっとした内容(たとえば、旅行記、写真集、子どもの記録、エッセーなどなど、なんでも)があれば、それを自分の生きてきた証として「自分の本」(それがたとえ小冊子であろうとも)にしようと思い立ったのである。

6~7年ぐらい前になるだろうか。パソコンクラブを立ち上げ、「自分の本を創ろう」を旗印にして会員を指導し始めたのである。基本的には、ワードで入力・組版し、製本まで一貫して自分の手づくりにしようというものである。パソコンの指導は当然のことであるが、合わせて「門前の小僧、習わぬ経を詠む」ごとくに勝手知ったる本づくりの指導までやってしまったのである。

会員は、それぞれに「自分の本」を作ったが、中のおひとりは「自分史」100部近くを手づくりして配られた。入力・組版、印刷、製本、すべてが彼ひとりで制作したのであるから、その労作に多くの称賛が寄せられたことはもちろんである。現在、私の役目は終わったので、パソコンクラブを卒業させてもらったが、クラブは存続し活動している。

製本、しかも手づくり製本ということはメジャーな話ではないが、生きがいづくりにはもってこいの題材ではなかろうかと場面を替えながら伝道(?)している。今回、NHK趣味悠々での放映に興味津々であり、多くに人たちが放送を観られ「自分の本」を創られることを切に祈っている。

え、ワタシ? いわゆる「自分史」は作っていないが、小写真集、札所めぐり、小記録集などなど何冊か作ってきている。今は、デジカメでの写真をA4に何枚かまとめて編集しプリントして配るとか、何ページかに編集し、印刷・製本して配るとかして楽しんでいる。配布先からも喜ばれるので、ささやかな生きがいとして、こちらも喜んでいるのである。