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ゆったり、いそがず、あわてず、おだやかに…

毎日の生活の中で感じる森羅万象を、自分の想いとして文字・写真で表現する。

昼下がりの一本道

2008年05月14日 22時11分05秒 | 散文詩


3時になったので
妻とふたりで
お茶を飲む

のんびりと
なんの屈託もない
かといって
話しが弾むわけでもない

テーブルの上の茶碗が
ときおりカタコトと鳴り
お茶をすする音がするだけ

今は自由な時間がいっぱい
お茶を飲む時間
新聞を読む時間
テレビを見る時間
存分にある

お茶を飲みながら
意識がただよいだす
その中へ
時には過去が入り込んでくる

過去の亡霊は
ときには激しく叫ぶのだ

――こんな昼間から
――お茶なんか飲んでいていいのか
――働け、働け、コラ、サボるな!

ただよう意識の中で
こちらも大声を出す

――バカ言うな
――もう腰が曲がるほど働いてきた
――ゆっくり、お茶を飲ませろ
――お前さんこそ、サボるな
――こんなところへ出てくるな!

そうだよな、現役のころは
3時だ、お茶だ、などと
言ったことも、飲んだこともない
ただ、前を向いて歩いていただけだ

妻が、フッと笑った
――どうしたの
――ちっともお茶が減らないよ

老年になった今でも
汗して働いていたころの気概は
ずっと持ち続けているらしい

リタイヤするまで
燃やし続けたエネルギーは
少しずつ昇華し
気概だけが残ってきているのであろうか

もういいのだ
もういいのだ
妻とふたりして
ゆっくりと、ゆったりと
お茶を飲んで
一本道を歩いて行けば
それでいいのだ

生垣たちよ、ごめんな!

2008年04月27日 21時24分33秒 | 散文詩

ごめんな!

春とともに、せっかく伸びた君たちの若芽を
ばっさりと剪定してしまった

きっと、君たちは恨んでいるだろうな
「ボクたちの希望を奪うな」って――ね

でも、君たちは生垣だから
あるがままにしておくことはできないのだよ

見た目を清々しくさせ
君たちを巣くう虫たちから救うために
剪定や消毒をしなければならない
そのために剪定したのだよ

若芽は剪定したが
君たちはしっかり根を張って
幹を太くしている

君たちの誇りまで切り刻んでいないよ
今までどおり生垣として
夢を捨てずに
誇りを持って
生きていっておくれ

でも、今日は君たちの希望である
若芽を
ばっさり、ばっさりと切ってしまったね

ごめんな!

パソコンは楽しさを広げてくれる!

2008年04月19日 21時17分43秒 | 散文詩

パソコン好きが集まっての仲間たち
みんなシニアだ
頭を寄せて相談した

パソコンの楽しさや面白さを
シニアのみなさんに伝えていこう
シニアの老後を豊かにしていこう
――と、シニア向けパソコン相談会を
定例に開催している

毎回、お見えになる常連さん
89歳で元気なおじいちゃん
弁当持参で勉強するおばちゃん
質問項目をいっぱい書いたメモ持参のおとうさん
いろいろな人たちが見える

来場されたみなさんの目はキラキラ
せっかくだから、いっぱい吸収していこうという
意欲がにじみ出ている

応対する私たちスタッフもシニアだ
文字どおり手弁当のボランティア
会場はご厚意で無料提供いただく
お金の無い私たちにはありがたいこと

私たちへの報酬は
物質でもお金でもない
来場されたみなさんから喜ばれ感謝されている
その温かい気持ちこそが
私たちがいただくエネルギーだ

これからも、ずっと、ずっと
相談会は続いていくだろう
シニアのみなさんから求めがある限り
そして、自分たちの幸せのためにも――

桜たちの よろこびと かなしみと

2008年04月13日 21時11分19秒 | 散文詩
桜はまだ三分咲き
満開までには
まだ時間がかかるだろう

並木道の桜たちは
風の冷たさに
肩を寄せ合っているかのようだ

幹を太くしながら
風雪に耐え
ようやくにして
春を迎えたのだ

君たちは、何年も
花を咲かせ続け
人々に
心の豊かさを届けている

毎年、毎年
花は同じだが
樹木は
少しずつ、少しずつ
痛みを増しているようだ

そうかもしれない
良くなったとはいえ
排気ガスはもろにかぶり
心無い人は
花枝を折っていく

でも、桜たちよ、元気でがんばれ
今年も満開に咲かせて
多くの人々を楽しませておくれ

そうして、数日のうちに
花びらとなり
風に乗って去っていってしまう

これが自然の定めというものか!