あきオジの風景

写真、そして、俳句(もどき)
毎日更新しています。

梅咲けば桜が恋しい。追っても追いつけない。

2008-03-05 16:43:22 | 日記
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「嫌な奴」

花を見ても気づかず
人の笑顔に応じることができない
人の不幸を顔に出さず目が笑っている
同情しているのに手を貸さない
人の失敗を心配そうに喜んでいるのだ
その証拠に急がない用事を作ってその場から立ち去ってしまう
傷ついた自分を顔では卑屈な目つきをして笑っている
下品な顔をしているのに気づかない
自分の失敗を「しまった」と思いながら責任を逃れようとする。
まずいと思いながら、仲間の同情を利用しようとする
何か評論していれば賢くなったと思いたくなる。
説明すれば、物知りと思われるのではないかと錯覚する。
他人のことなら小さな間違いでもたちどころに見つけてしまう。
自分の中に育っているのに
それと気づかず
けっこう、いい奴だと思い込んでいる
そんな嫌な奴が自分の中に
練りこまれている。

それも人間
当たり前にあるものなのだ
おかしくもなけれ
卑しくもない
それを受け入れず
見てみぬふりをするからいやらしい
大人の世界がそうなのは
嫌な奴を否定するからだ


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クレヨン(昭和という時代)

金持ちと貧乏
それが隣同士にいた
クレヨンでその家がお金持ちか貧乏か分った
24色のクレヨンを持っていれば金持ち
12色なら貧乏
もっと、貧乏な子は
前の授業で姉が使ったクレヨンを
階段を走っていって借りにいった。
恥ずかしいけれど隣の子がもっているクレヨンを借りたことがある
そんなとき金持ちの子は「貸してやる」と言った
もちろん、返すことなどできなかった。
白と黒はいっぱい使うので
なくなっていたり
ちびていた
だから、指の先で押さえつけて描いた。
もう、図工の授業はめちゃめちゃだった
絵を描くより先に
子どもの小さなプライドががくがくゆれて
早く授業が終わることだけを願っていた。
ときおり、行われる絵画コンクール
絵の具がいっぱいある子の表情のある絵が一等賞
工夫したくても、工夫ができず
ただ、まぜあわせるだけなので、色が汚くなるのは
絵の具を買えない家の子
卑屈な思いを顔に出さず
図画は苦手
絵の授業は嫌いだ
そんな言い方をしていた。
生徒も可哀想だし
先生もどうしようもなくて可哀想
そんな思い出も懐かしい
今なら、24色のクレヨンでも48色のクレヨンでも
何も描くことなどできない子であったことが分るけど
当時は、そう思うことで心が癒された。
クレヨン買ってあげられない親はもっと辛かろう
そう思えるのはずっとずっと季節が過ぎてから
いやいや
親が死んでやっと気づいたこともある