前の投稿で厚紙でも壊れることを心配せずに遊べるものをつくることができました。たこ糸を通す穴の部分だけ厚紙を両面から貼り合わせて厚くした工夫です。
今回は「ブ~ン」という風切り音を大きくしたいと考えてみました。回転板の角(かど)が高速で空気を切り裂いていくので、押された空気が”密(みつ=圧縮した状態)”になり、角が通り過ぎたあとは”粗(そ=膨張した状態)”になります。回転することで空気の”粗密粗密・・・・”が生じます。これは空気の粗密波=“音”ですから「ブ~ン」と鳴るわけです。粗密の規模が大きくなれば大きい音になり、粗密の交代が早いと高い音、遅いと低い音になります。
このことから、①空気(風)を切る部分が長かったり、②空気と対面する面積が大きいほど粗密の規模が大きくなり大きい音になると考えました。回転板を長方形にすると、長い辺の方が①の部分になります。厚紙を3枚重ねて②の面積が大きくなります。
〔関連パソコンページ〕
こんな考えで、《長方形のブンブンごま》をつくります。
では、作っていきましょう。
厚紙以外で必要なものです。
〇厚紙をハサミで切り取ります。
・長方形の回転板の大きさを、長辺=10cm 短辺=2.5cm とします。
・3枚重ねるので、これを3つ切り取ります。
〇そのうちの1枚だけに次のような線を引き印を付けます。
・線は、対角線を2本と長辺方向に中央線を1本引きます。その3本が1点で交わりますが、そこが”中心”であり”重心”です。
・ここを中心として回転板が回転するように穴を空けるところに印”を付けます。中央線上で中心から4mmのところ2ヵ所です。
3本の線と2つの印はわかりましたか。ボールペンや鉛筆で定規を使って正確に付けてください。
実際に厚紙を切って、その一つに書き加えてみました。
〇ノリを付けて、3枚を重ねて貼り合わせます。
線や印を付けた面が見えるように貼ります。回転板はバランスが大切ですから、ずれたりしないように正確にぴったり貼ります。
貼ったところです。厚くなったのがわかります。
〇ノリが乾くまでしばらく待ちます。(5分以上)
〇がびょうを刺して、”印”のところに穴を空けます。
がびょうを1回刺したぐらいでは穴は空きません。厚紙が3枚重なっていますから、力を入れて刺したり抜いたり何度も繰り返すと、だんだん深いところまで刺さってきます。根気よく頑張ってください。2ヵ所です。
2ヵ所の穴が空きました。しかし、がびょうの刺し跡では細すぎてたこ糸は通りません。
〇穴をたこ糸が通るように大きくします。
・まずは、がびょうを刺してグリグリすり鉢のように回します。すると穴の出口と入り口が広がります。
・次に、つまようじ(できれば竹製)や千枚通し、竹串(くし)などの尖ったものを穴に刺し入れます。力を加えて刺したり抜いたりします。すると、穴の中央部分が広がって、最後には貫通(かんつう)するようになります。
・この2つの工程を繰り返します。貫通したら〔たこ糸通し穴〕ができました。たこ糸がすんなり通る大きさです。
〇たこ糸を1mに切ります。
〇たこ糸の2つの端を回転板の2つの穴に差し込みます。もしも入らないときは穴を大きくするか何か尖ったもので押し込んでください。
〇穴に通したたこ糸の端2つをまとめて指で摘まんで結びます。一重結びでもほどけません。
これでブンブンごまの完成です。
さあ、「ブンブン」と鳴らして遊びましょう。
〇たこ糸の輪っかを両手の指2・3本にかけます。
〇図のようにたるませると、回転板が中央にきて垂れ下がります。この位置で回転させます。
〇両手を小さく回して、回転板をグルングルンと数十回まわします。
すると、たこ糸に”より”がまわした分だけかかります。
ここで、「ブンブン」の準備ができました。これから鳴らしていきます。
〇「ブンブン」の鳴らし方
①両手でたこ糸を強く引きます。”より”がほどけて、回転板がまわります。
②”より”がほどけ終わるタイミングで、引く力を弱めます。回転板はまわり続ける(=慣性)ので、先ほどと逆の方向に”より”がかかります。
③まわっている回転板が止まるタイミングで、引く力を強めます。”より”がほどけて回転板がまわります。この時の引く力が大きいと「ブン」と鳴ります。
②[ほどけ終わり][力を弱める][“より”がかかる][回転が止まる]
③[回転が止まる][力を強める][ほどける][回転する]「ブン」と鳴る。
②[ほどけ終わり][力を弱める][“より”がかかる][回転が止まる]
③[回転が止まる][力を強める][ほどける][回転する]「ブン」と鳴る。
・
・
(繰り返す)
③のとき「ブン」と鳴るので、繰り返すと「ブンブンブン・・・」と鳴ります。
③のとき、もっと強い力で引くと「ブン」と大きい音・短い時間で鳴ります。
“より”の回数は一定なので、高速で回転すると、短い時間で“より”はほどけてしまいます。
長方形と正方形を「ブンブン」で比較してみると、確かに長方形が大きく鳴りました。私の耳の感覚ですから、自身はこれで納得しました。疑問がありましたら、ぜひ追試で確かめてください。
作って「ブンブン」を楽しんでくださいね。
うまくできましたか。
〔作り方・遊び方〕をPDFファイルにしたものをつくりましたので、よかったらダウンロードしてください。
今回は「ブ~ン」という風切り音を大きくしたいと考えてみました。回転板の角(かど)が高速で空気を切り裂いていくので、押された空気が”密(みつ=圧縮した状態)”になり、角が通り過ぎたあとは”粗(そ=膨張した状態)”になります。回転することで空気の”粗密粗密・・・・”が生じます。これは空気の粗密波=“音”ですから「ブ~ン」と鳴るわけです。粗密の規模が大きくなれば大きい音になり、粗密の交代が早いと高い音、遅いと低い音になります。
このことから、①空気(風)を切る部分が長かったり、②空気と対面する面積が大きいほど粗密の規模が大きくなり大きい音になると考えました。回転板を長方形にすると、長い辺の方が①の部分になります。厚紙を3枚重ねて②の面積が大きくなります。
こんな考えで、《長方形のブンブンごま》をつくります。
では、作っていきましょう。
厚紙以外で必要なものです。
〇厚紙をハサミで切り取ります。
・長方形の回転板の大きさを、長辺=10cm 短辺=2.5cm とします。
・3枚重ねるので、これを3つ切り取ります。
〇そのうちの1枚だけに次のような線を引き印を付けます。
・線は、対角線を2本と長辺方向に中央線を1本引きます。その3本が1点で交わりますが、そこが”中心”であり”重心”です。
・ここを中心として回転板が回転するように穴を空けるところに印”を付けます。中央線上で中心から4mmのところ2ヵ所です。
3本の線と2つの印はわかりましたか。ボールペンや鉛筆で定規を使って正確に付けてください。
実際に厚紙を切って、その一つに書き加えてみました。
〇ノリを付けて、3枚を重ねて貼り合わせます。
線や印を付けた面が見えるように貼ります。回転板はバランスが大切ですから、ずれたりしないように正確にぴったり貼ります。
貼ったところです。厚くなったのがわかります。
〇ノリが乾くまでしばらく待ちます。(5分以上)
〇がびょうを刺して、”印”のところに穴を空けます。
がびょうを1回刺したぐらいでは穴は空きません。厚紙が3枚重なっていますから、力を入れて刺したり抜いたり何度も繰り返すと、だんだん深いところまで刺さってきます。根気よく頑張ってください。2ヵ所です。
2ヵ所の穴が空きました。しかし、がびょうの刺し跡では細すぎてたこ糸は通りません。
〇穴をたこ糸が通るように大きくします。
・まずは、がびょうを刺してグリグリすり鉢のように回します。すると穴の出口と入り口が広がります。
・次に、つまようじ(できれば竹製)や千枚通し、竹串(くし)などの尖ったものを穴に刺し入れます。力を加えて刺したり抜いたりします。すると、穴の中央部分が広がって、最後には貫通(かんつう)するようになります。
・この2つの工程を繰り返します。貫通したら〔たこ糸通し穴〕ができました。たこ糸がすんなり通る大きさです。
〇たこ糸を1mに切ります。
〇たこ糸の2つの端を回転板の2つの穴に差し込みます。もしも入らないときは穴を大きくするか何か尖ったもので押し込んでください。
〇穴に通したたこ糸の端2つをまとめて指で摘まんで結びます。一重結びでもほどけません。
これでブンブンごまの完成です。
さあ、「ブンブン」と鳴らして遊びましょう。
〇たこ糸の輪っかを両手の指2・3本にかけます。
〇図のようにたるませると、回転板が中央にきて垂れ下がります。この位置で回転させます。
〇両手を小さく回して、回転板をグルングルンと数十回まわします。
すると、たこ糸に”より”がまわした分だけかかります。
ここで、「ブンブン」の準備ができました。これから鳴らしていきます。
〇「ブンブン」の鳴らし方
①両手でたこ糸を強く引きます。”より”がほどけて、回転板がまわります。
②”より”がほどけ終わるタイミングで、引く力を弱めます。回転板はまわり続ける(=慣性)ので、先ほどと逆の方向に”より”がかかります。
③まわっている回転板が止まるタイミングで、引く力を強めます。”より”がほどけて回転板がまわります。この時の引く力が大きいと「ブン」と鳴ります。
②[ほどけ終わり][力を弱める][“より”がかかる][回転が止まる]
③[回転が止まる][力を強める][ほどける][回転する]「ブン」と鳴る。
②[ほどけ終わり][力を弱める][“より”がかかる][回転が止まる]
③[回転が止まる][力を強める][ほどける][回転する]「ブン」と鳴る。
・
・
(繰り返す)
③のとき「ブン」と鳴るので、繰り返すと「ブンブンブン・・・」と鳴ります。
③のとき、もっと強い力で引くと「ブン」と大きい音・短い時間で鳴ります。
“より”の回数は一定なので、高速で回転すると、短い時間で“より”はほどけてしまいます。
長方形と正方形を「ブンブン」で比較してみると、確かに長方形が大きく鳴りました。私の耳の感覚ですから、自身はこれで納得しました。疑問がありましたら、ぜひ追試で確かめてください。
作って「ブンブン」を楽しんでくださいね。
うまくできましたか。
〔作り方・遊び方〕をPDFファイルにしたものをつくりましたので、よかったらダウンロードしてください。
次の図をタップするとダウンロードできます。
コメントありがとうございました。
子供の頃の思い出っていいですね。
お話しのとおりにボタンの穴にたこ糸を通してやってみました。私の家にあったボタンの一番大きいのが直径2cmほどですから、うまく熟練すると「ブン」と鳴りますが、続けるのは至難の技です。「ブン」が短時間ですから、引く力の強弱をすごい勢いで繰り返さなければいけません。100円ショップに行って大きなボタンを探すのがいいようです。せっかく教えていただいたのでそこまで挑戦します。ありがとうございました。