作って遊ぼう&学校の応援

 小学校でオモチャを身近な材料で作っています。また、最近プログラミングで学校支援アプリを制作しています。

牛乳パックでパッチンガエル教室を準備しています。

2022-11-27 14:30:23 | 作って遊ぼう教室
 昨年の5月に投稿した『牛乳パックでパッチンガエル』の教室をします。自分では何度も作っているんですが、何といってもこのコロナ禍初めてする教室なんです。それをどのような1時間に組み立てようかと考えてみました。どこで子どもたちがつまずくか予想したり楽しいことも準備したいと思います。

 《パッチンガエル》って構造的にはかんたんなオモチャですね。牛乳パック一つからいくつも作れそうです。しかし牛乳パックは”小学低学年がハサミで切る”のが大変じゃないかと考えました。その工夫をする必要があります。また、オモチャを見ても”蛙(かえる)”の姿はどこにもありません。イメージ的にも何か工夫が必要です。
 そこで考えたのがこれから紹介する”作って遊ぼう教室”です。

 まず、準備に必要なものです。

〇 牛乳パックはひとり1コです。
〇 輪ゴムは”パッチンガエル”ひとつに1つ必要ですから、必要な個数子どもが取れるよう箱で準備します。
〇 ハサミはひとり一つずつ準備します。
・ 定規とボールペンは準備のときのみ使いますから、教室当日は必要ありません。

次は準備です。
 牛乳パックをハサミで切るのは難しいですから、予(あらかじ)め線を入れたり切り口を作っておきます。

 写真のように”切る線”を引くために目印を入れていきます。牛乳パックの注ぎ口側の注ぎ口のところの紙は使いません。その付け根の側面とつながった境目の線から使います。その線に定規の0cmのメモリを合わせて、6cm幅ごとに”印”を引いていきます。0cm・6cm・12cm・18cmです。この印のところに”切る線”を引きます。グルっと一回りに線を引きますので、側面が4枚ですから、1面に印が2つあって線が引けますから、全部で8回定規で計って印を付けなければなりません。私の場合は”いっぱいの牛乳パック”に印を付けなければなりませんから、ひとつ線を引いたら、その横に牛乳パックをいっぱい並べて、いっぺんに線を引いてしまいます。それぞれの牛乳パックを回してやるとまた線が引けます。4回繰り返すと”一周する切り線”が完成します。元の牛乳パックも後3回まわして線を引くと”切り線”が引き終わります。
 切り線がこのように引き終わりました。

 子どもたちの人数分準備します。

 これをどう切ってもらうかです。写真の一番右[底側]の切り線は切りにくそうです。そこで私のほうで大きなハサミを使ってチョッとだけ切り口を作っておきます。

 その左側も見えていますが、全部の切り線にも切り口のハサミを入れておきます。子どもたちは、ここの隙間(すきま)にハサミを入れて切ることができます。ひとつの牛乳パックで4カ所の切り口を作ります。

 これで準備完了です。これだけの準備をして教室に臨みます。

 ここから先は教室で子どもたちにやってもらう作業です。(想定)

 「こんなものを作ります。パッチンガエルと言います。」「こんな風に遊びます。」と実物でデモンストレーション
 興味を引き起こしてくれたら最高です。

 ハサミと牛乳パックを配布します。
 このように一番底側の切り線を切ってもらいます。
「切り口がありますから、そこにハサミの下側の刃を入れて線に沿って切ってください。一周すると底が取れます。」

 切り口が空けてあるのでそこにハサミの動刃(下側の刃)を入れて切っていきます。一周すると切れました。

「切った後は”押しつぶし”て平(たいら)にします。」
 他の3つの線は平らですから切りやすいですね。しかし2枚をいっぺんに切らなければならないので力が必要です。そんな子どもたちのためにここにも切り口を空けてありますから、一枚ずつ切ることもできます。
「切るのが難しい人は切り口がありますから、さっきと同じように1枚ずつ切ってもいいですよ。」

 そうやって後2回切ると4つの部分に分かれます。一番左側は使いませんから、その右側の3つでパッチンガエルを作っていきます。

 以前の投稿『牛乳パックでパッチンガエル』で2つの作り方を紹介しましたが、まずそのひとつを作ります。Aタイプとします。
 Aタイプは一つの切り片でひとつのパッチンガエルができます。
「ひとつの切り片を出してください。」
「平(たいら)にして四隅(よすみ)をこのように切ります。」

 四隅を切ったところです。この程度切ってください。

 次のようにこの切り片を輪にして切ったところが中央にくるように折りたたみます。

 実はこれに輪ゴムひとつをはめるだけで完成です。簡単でしょう。

 このように溝になっているところに輪ゴムをはめます。

 さあ、遊び方です。
 輪ゴムが伸びる方向にパッチンガエルを広げて、

 輪ゴムが伸びきるようにパッチンガエルを閉じます。


 全体を写真のように折りたたみます。


 輪ゴムの伸びたエネルギーがいっぱいのパッチンガエルです。これをどこかに置くと・・・・・・
 何秒後・何分後かに”パッチン”と飛び跳ねます。
 最初はなかなか飛び跳ねませんが、時間が過ぎると”必ず”飛び跳ねます。
 何回も繰り返すと、だんだん早く飛び跳ねるようになります。
 同じように、折れ曲がったところを何度も折って柔らかくすると早くなります。

 次はBタイプです。切り片1つから2つのパッチンガエルが作れます。
「これをひとつ出してください。真ん中の折り目を切ってください。2枚いっぺんに切らなくても1枚ずつ切ってもいいですよ。」


「2つにわかれましたか。それぞれからパッチンガエルができますから、2つのパッチンガエルができます。」
「そのひとつを出してください。」

「次のように4カ所をハサミで切ってください。深さは1cm程度です。」

 実はこれもほぼ完成です。
「輪ゴムひとつをこのようにハメると完成です。」

「ハメるのはちょっと大変ですが、紙は”折らない”ように気をつけてください。折れてしまったら遊べなくなります。」

 遊び方です。
「写真のように広げると輪ゴムが伸びて、エネルギーがたまってきます。」

「このように折りたたむと輪ゴムエネルギーのいっぱい詰まったBタイプのパッチンガエルができました。」
「これをどこかに置くと何秒・何分後には”パッチン”と鳴って飛び跳ねます。」

 材料がまだありますから、Aタイプ・Bタイプを自分で決めて作ります。作ったらすぐ子どもたちは遊んでくれます。
 私が作ったものです。Aタイプが1つ、Bタイプが4つできました。

 Aタイプは丈夫(じょうぶ)ですが重さのわりに輪ゴムのエネルギーが小さいので飛び跳ね方も音もチョッと弱いです。Bタイプは高く飛び跳ねて大きな音がします。輪ゴムのエネルギーが大きいので、折れやすく壊(こわ)れやすいのが欠点です。オモチャはいずれは壊れるもの・捨てるものですから、しっかり遊べるBタイプが私は”好き”です。

 蛙のシールを準備していきます。

 無料イラストサイトからいただきました。かわいいのやらちょっと不気味のものやらいっぱい準備しました。これを貼ってもらったら、

 楽しいと思います。
 いかがですか。思い出になる作って遊ぼう教室になるかな。

パッチンガエルAタイプの飛び跳ねている動画(52秒)

パッチンガエルBタイプの飛び跳ねている動画(21秒)

 最後まで読んでいただきありがとうございました。

 簡単ですからやってみませんか。お子さんとお孫さんと、または近所の子どもさんと!








 



紙トンボ作って遊ぼう教室に行ってきました。

2022-11-18 21:05:43 | 作って遊ぼう教室
 今日、最寄りの小学校のクラブ活動で紙トンボ作って遊ぼう教室を開いてきました。スマホで写真をと思いましたが、「ねえ先生!」がいっぱいでとても写真どころではありませんでした。
 456年の中高学年生ですが、30を越える人数がいるので、説明を聞いていない、または聞こえていない児童が多くて机間巡視が大変でした。「いっちょんわからん!(熊本弁)」の声もよくありましたが、私としては〝大好きな言葉”です。この言葉の言える児童はほってはおけません。手取り足取り教えます。するとその児童の3m四方もわかってくれます。

 では準備していったものです。一人当たりの材料です。これをビニール袋に入れました。

 中央がトイレットペーパーの芯ひとつです。筒の表面に均等にまっ直ぐな線を3本引いてあります。
 左側は焼鳥用の竹串3本です。尖(とが)っているほうに15mm四方の厚紙に穴を空け接着剤で固定しています。羽根を付けるとき”ノリ付け”できるようにする工夫です。その上にゴム板を刺していますが、これは羽根をノリ付けしたときこれで押さえてすぐ遊べるようにする工夫です。
 中央の短冊3つが羽根を作るときの材料です。短冊の中心(重心)がわかるように線が引いてあります。
 右側が”厚い筒の断片(サランラップの芯を2つに切って、その筒を割(さ)くように3つにきったもの)と画びょう”です。これで羽根が完成したら中央に穴を空ける道具になります。このセットは配布すると回収が難しいので、一ヵ所の机に”穴あけの作業場所”を設置して、ここに来て穴を空けるとしました。そこに私がいて、穴の空けかたを教えます。
注意:羽根は筒の一部のような形なので、机の上ではせっかくの丸みがつぶれてしまいます。筒の一部の台の上に羽根を置くと、チョッと斜めに置いたときしっくり収まります。この状態で中央に画びょうで穴を空けます。
 
 個々の材料を大きく示します。参考にしてください。





 それでは作ります。

 短冊の何も書いてない面にノリを付けます。それを

 このようにチョッと斜めに貼ります。どのくらい斜めかというと、芯の長さのほうに真っすぐな線が引いてあります。その線上に短冊の対角を重ねるように貼ります。児童には黒板に絵を描いて説明しましたが、「わからん!いっちょんわからん!」という児童が多かったです。説明の後走り回って指導しました。

 線は3本引いてあります。短冊は3枚ですから全部貼ってもらいました。短冊は”和紙”の色紙ですから直ぐ乾きます。ちょっとぐらい湿っていても大丈夫です。

 次は3つを切り離します。

 まずは大雑把(おおざっぱ)に切ります。

 切ったところです。
 次はちょっと大雑把に切ります。

 切ったところです。

 次は短冊を貼ったところを正確に切り取ります。少しずつハサミを入れていかないとせっかくの曲がりが伸びてしまいます。1mm1mmと小刻みにハサミを入れていくのがいいです。

 3枚とも切り取って、3つの”羽根”ができました。


 ここで安全対策があります。羽根は回転して飛んで行って目に入るかもしれません。ですから”端っこ”を切っておかないと危ないんです。


 羽根が出来上がったところで、この羽根を竹串の回転軸に刺すために穴を空けます。

 このように筒の断片に羽根を乗せると、チョッと斜めにするとしっくり収まります。この状態で画びょうで短冊の中心に穴を空けます。グイっと力を入れて押します。

 このようになったら穴が空きました。力が無いようだったら、短冊(羽根)に穴の印が付く程度でも大丈夫です。手の取って画びょうを刺してください。ただし、ケガをしないよう気をつけてください。

 羽根を竹串に接着します。接着する竹串の紙の部分と羽根の白い内側にノリを付けます。



 竹串の尖(とが)ったところに羽根の穴を刺して接着させます。

 接着面の上下を指で摘まんで、羽根のカーブに沿って厚紙が曲がりノリが沁み出してくるまで押さえます。

 最後にゴム板を刺して羽根を抑えるようにハメると、ノリが固まっていなくても遊べます。遊んでいるうちに接着します。



 こんなのができました。


 紙トンボを回すと飛び上がる原理です。説明する写真を作ったので見てください。

 回すと羽根に風が当たります。羽根が斜めになっていると、当たった空気は下に曲げられます。その力が羽根を上に持ち上げる力となります。

 遊ぶ時間は15分程度でしたが、羽根が平らになっていたり、羽根と竹串にノリを付けてないものまであって大変でしたが、30数人の教室では徹底しない指導となってしまい申し訳なかった思いでした。またまた走り回って指導したところでした。材料はいっぱい持っていきましたが、すっかりなくなるほど作ってくれました。

 こんな感じで教室を終わりました。

 最後まで読んでいただきありがとうございました。

左手用ハサミ問題(最近、気になるようになりました)

2022-11-13 16:52:04 | 作って遊ぼう教室

 趣味人(シュミット)様からコメントをいただいて、この意見はマイノリティを差別する意見だという指摘を受けました。その通りと反省しています。
 削除したりはしませんが、こういう考え方が差別に繋がるんだと参考にしてください。
--------------付け加えました。

 作って遊ぼう教室を開催するときハサミを持っていきますが「左利きなんです。左手用のハサミはありませんか。」ということが頻繁にあります。
 そんな時「実はおじさんも左利きなんだよ。でも左手用ハサミはつかったことないんだ。〇〇〇こうやって使うと、切りたいところがちゃんと切れるようになるよ。」と説明して普通(右手用)のハサミを使ってもらいます。
 しかし「できない!」ときかない児童が増えてきたように思います。それで仕方なく一本だけ左手用ハサミを買いそろえました。
 これが左手用ハサミ問題です。この児童はこれから成長していずれは大人になります。ず~と左手用ハサミが無ければハサミが使えなくなってしまいます。”工夫”するのが人の本分ですからちょっと私の話を聞いてください。


 私も生まれつき左利きです。小さいときハサミの使い方には困ったことがありました。母は私の下着以外の着るものはほとんど作ってくれました。裁縫をしている姿がいつもありました。実はそういう母に育てられて私も裁縫が”好き”でした。学校で必要な雑巾、破れた靴下、服のほころびなども自分で針と糸、ハサミ、ゴム紐などで直していました。そのとき〝裁ちばさみ”を持つとき「おかしいな、持ちにくいな、親指の付け根が痛い」と思いながら使っていました。今思うと裁ちバサミはぜ~んぶ右手用だったんですね。

 こんな風に握っていたんです。裁ちバサミは左手で握ることは想定されていないんです。右手オンリーです。親指の入るところ、他の指を揃えていれるところと手に合わせて作られています。

 こんな感じです。それを左手で持つと親指には大きすぎるし、指を揃えては入らないという具合です。指の形に成形もされているので、切るときいろんなところが強い圧力で押し付けられ痛みます。

 こんな経験をして工夫したんでしょうね。痛くないように握り方を考えたり、きれいに切るためにこれから紹介するような使い方を考えました。
 それから工作用のハサミに出会いました。
 最初の写真の裁ちばさみ以外は全部工作用ハサミです。指を入れて握るところは両方とも同じ形ですから問題はなくなりました。
 もう一つの問題が発生したんです。

 これです。〝刃線”の問題です。これから刃線について、また右手用と左手用ハサミの違いも含めて解説します。


 ハサミは2つの刃が×の形に重なり合ってできています。その×が閉じることで紙や布を裁断します。写真は横に並べてありますが、右手用は右手で、左手用は左手で持つと〝上”にくるほうが〝静刃”、下にくるほうが〝動刃”です。ハサミは下の刃を動かして切るんですね。
 右手用ですが持ったところが次の写真です。〝刃線”ってわかりますか。静刃・動刃の両方にあります。互いの刃が交差して紙などを切っていくところです。次の写真にピンク色の線で示しています。

 右手用のハサミを右手と左手で持ったところです。

 このように持ってみると工作用のハサミは刃の幅があるので静刃の刃線が切るとき問題となります。動刃は切るものの下に隠れてしまうので問題ありません。静刃の刃線は〝切るところ”に合わせると正しく切ることができるガイドのようなものです。
 この問題は裁ちばさみではありませんでした。刃線が尖っていて包丁のようになっていましたから、どっちから見ても刃線が見えましたから、しかし工作用ハサミは刃に厚みがあって決まった方向からしか見えないので、見えるよう工夫しなければなりません。
 この写真(右手用ハサミ)の場合、右手で持つとハサミが頭(目)の右側にあり静刃の刃線は見えますが、左手で持つと左側となり静刃の刃線は見えません。切るところが確認できないんです。

 このように切るところの線に刃線を合わせることができません。こういう問題が左利きの人には起こります。
 参考に、左手用ハサミを左手で使うとこうなります。

 〝切るところの線”に静刃の〝刃線”を合わせることができますから、正確に切ることが可能です。
 やっぱり左手用ハサミができて良かったですね~となります。さすがに人類は便利なものを作ってくれます。いいことだと思います。

 さて、〝左手用ハサミ問題”です。私が問題だと思ったのは〝人間”のほうです。人間だって新しい進化をしてもいいんじゃないかということです。
 問題点は〝視点”です。「右手用ハサミを左手でもったら左手は頭の左側にありハサミも左側となるので静刃の刃線が見えなかったですよね。」
 「じゃ、ハサミを持つ手を45度右側に傾けたり、ハサミを持つ手を頭の右側に持っていくと静刃の刃線が見えるようになります。」
 「すると、静刃の刃線と切るところの線を合わせることができて、正確に切ることができます。」

 こういうことです。

 幼いときは〝左手用”ハサミもありませんでしたし「困った困った!」ということもありませんでした。知らず知らずのうちにちょっとした工夫で乗り越えてきたんだな~ということに気づかされました。

 ちょっと大きい話になりますが、ひとつ便利なものができてくると、ひとつ大事なものを失っていくこともあるんだなと思い至りました。

 ハサミやノリを使うことで作って遊ぼう教室を楽しんでいますが、”作って”の大切さを改めて感じました。ハサミやノリの使い方を熟練してほしいな~。後継者が育ってくれないかな~!

 最後まで読んでいただきありがとうございました。

付け加えます。----------

 いかがでしたか。私自身の深層心理というかこんなところにマイノリティへの差別が潜んでいるんだな~と反省しました。そのことを次のように考えました。
 どうして間違った考えになってしまったのかなということです。裁ちばさみは指を入れるところが右手を想定した作りで間違いなく右手用ハサミですが、工作用ハサミは2つの指を入れるところに差異はないのでどちら用でもないのです。それを私が勝手に〔右手用〕と言ってしまったのが間違いの始まりです。左利きの私が何の意識もなく工作用ハサミを使っていたのもうなずけます。工作用ハサミは右利きの人はこういう風に使う、左利きの人はああいう風に使うという理解が正しいのだと思います。でも右利きの人のほうが容易ですから左利き用ハサミができたんですね。今は裁いばさみも左手用ができているそうです。
 工作用ハサミを「右手用ハサミ」と言ってしまったところが《問題》の本質だったんです。そこには左利きのマイノリティを軽視して何にも考えていませんでした。自分のことでもあり差別とは違うと思いますが、深層に潜む差別の種かもしれないとチョッと身震いがしました。
 以上、反省を含めて考えてみました。
 お騒がせして申し訳ありませんでした。