作って遊ぼう&学校の応援

 小学校でオモチャを身近な材料で作っています。また、最近プログラミングで学校支援アプリを制作しています。

中・高校理科「斜面上の物体と力(角度を変えて)」

2023-12-22 22:15:58 | 教材の開発
 やっと「斜面上の物体と力」についてのプログラムが出来上がりました。休みやすみ取り組んで20日ほどかかりました。斜面の角度に従って矢印が変わってきますから、すべての矢印を角度k°を使って計算します。使用するのは cos k° sin k° です。プログラムの最初のほうで ck = cos k° sk = sin k° と計算して変数に記憶させます(cos k°を計算して変数ckに計算値を入れる。)。この変数ckとskをいっぱい使って矢印を作っていきます。矢印の長さの90%は4px(1pxとは画面の最小単位)幅の実線で引き、残りの10%で矢印の先の三角形を描きます。こんなことをこんがりながらも頭をフル回転させてやっていきました。わからないときには「プログラムを書いてみて~どう描画するか?」を試してみました。「おかしかったらプログラムを書き直す!」です。大概は、ckとskを入れ替えるとか、+と−を入れ替えることで解決しました。しかし、どこがおかしいか全くわからず長考も何度もありました。そんなときは、何も考えないでいるとアイデアは自然と降りてきます。考えようとするよりこっちがイイようです。不思議です。頭では考えようとしなくてもいつも考えているんですね。これをちょっとずつ積み重ねて出来上がりました。

 これが初期画面です。

 右側の上から7つのボタンは力の矢印を一つ一つ表示させます。
 上の4つの黒ボタンはボタンに書かれた働きがいくつかの力の矢印で表現されます。
 下の -1 -10 +10 +1 のボタンは斜面の角度k°を変えるためのボタンです。上のボタンがどんな状態でも角度を変えることができます。
 重力の矢印が表示されていますが、右ボタンの重力ボタンの色が反転しています。文字の色の青が重力の矢印の色と同じになっています。他のボタンの色と矢印の色も同じような組み合わせになっています。
 矢印の先にある数字100は、その矢印の力の大きさです。物体の質量を10kgと設定していますので、それにかかる重力の大きさを100N(ニュートン)と便宜的に示しました。(実際は≒98Nとなりますが、チョットでもわかり易く簡単に表しています。)

 このプログラムは、どれかのボタンを押すと、すべての計算をして画面を表示させるものになっています。

 ではボタンを押してみましょう。
 まず”物体を押す力”ボタンです。

 斜面が物体を押す力の矢印が表示されました。画面から”矢印の色とボタンの色”が同じになっていますし、ボタンは反転もしています。わかり易いでしょうか。
 右側のボタンの場合は、他の6つもすべて同じで、ボタンに書かれた力の矢印を、ボタンの色で描いてくれます。

 上の黒ボタンも押してみましょう。
 まずは”つり合い”ボタンです。

 物体は”静止”していますからつり合い状態にあります。物体が触れているのは”斜面”と”ひも”ですから、”斜面と物体”では物体が斜面を押す力と斜面が物体を押す力が釣り合っています。
 ”ひもと物体”では物体がひもを引く力とひもが物体を引く力が釣り合っています。

 ”重力の分解”ボタンです。

 
 ”物体に働く力”ボタンです。


 ”物体が他に働く力”ボタンです。


 このように黒ボタンを押した場合には、働く力の矢印が表示されるだけでなく、右の色ボタンも反転しています。

※ 右ボタンの一番下の”リセット”ボタンは矢印の力を消すためのものです。

 次は、下の角度ボタンを押してみましょう。

 角度が10度になっています。30度から10度ですから、”ー10”ボタンを2回押せばいいですね。-1を20回でもいいですね。
 角度ボタンを1つ押すたびに、瞬時に計算して画面が変わります。タイムラグはまったく感じられません。


 次は14度になっていますから、更に”+1”ボタンを4回押したんですね。
 押すたびにですから、画面も11度12度13度14度と4回変わります。
 更に、



 90度の場合です。


 0度の場合です。


 角度は0~90度の範囲で変化するようになっています。

 以上、紹介しましたが、物体に働く力の理解に役立つものでしょうか。学校や個人学習で役立つものになっていれば嬉しいです。

 実際に使ってみたい方は次をクリックすると表示されます。

http://hirakaretagakkou.web.fc2.com/puroguramu/syamennjyounobuttaitotikara.html



 最後まで読んでいただきありがとうございました。









「厚紙ホイッスル作り教室」を開きました。

2023-12-10 12:31:20 | 作って遊ぼう教室
 12月のクラブ活動は「厚紙ホイッスルづくり教室」でした。これまで水濡(ぬ)れに強い牛乳パックで作ってきましたが、色々な紙箱も表面が水濡れに強い加工がされていることに気づきました。今回は日頃購入している製品の紙箱を使ってホイッスルを作ることにしました。水濡れに強いのは紙箱の表側ですからそこをホイッスルの内側にして作ります。

 それでは作り方です。

 紙箱の裏側にホイッスルの型紙を定規と鉛筆で描きます。まずは一辺の大きさが20mmの型紙です。縦は3分割されていますが全部20mmずつです。横は5分割で20,20,20,20,18mmとなっています。最後が2mm短くなっているのは音を鳴らすための隙間(すきま)を作るためです。なぜってわからなくても大丈夫。出来上がったらわかりますよ。

 紙箱はナフコから購入したニトリルゴム手袋(Dispo製)50枚入りのものです。
 これは全員に切って折り目付きのものを提供しますのでプラスαも含めて35枚ほど準備しました。

 まずは”実線”のところをハサミで切ります。

 全部で8か所です。写真のようにハサミの先端を実線の終点に合わせて切るといいですよ。

 次は”折り目”を付けます。どちらに折るかは気にしないでください。一度折ってしまうと簡単に反対にも折ることができるからです。

 ガッチリ折るには定規を裏側に当てて折るのがいいですが、切れ目も入っているので、そのまま折ってもきれいに折れます。

 左右の両方を折ったところです。きれいに折れました。
 中央のところを4か所を折っていきます。


 折り上がったところです。


 では折りを深めて折り込んでいきます。

 左側が四角くする部分です。右側の”折”の違うところが息を吹きかける部分になります。ここの端っこのところに箱の大きさ”20”と記入しています。折上がりでも20の数字は見えるようになっています。

 紙箱の表面が内側になるように折ります。

 さらに左側の部分の折りを深めて箱にします。


 最後に輪ゴムで固定して完成です。


 児童の皆さんには”一辺20mmの切って折り目をつけたもの”を提供します。もらったらこれを折って固定して形を作り”ピー”と鳴らすことがすぐで切るようにしています。すぐ作って鳴らせることで制作の意欲を高めるために考えました。
 意欲が高まったところで一辺18mm、16mm、14mm、12mmの罫書(けがき)きされた紙箱の型紙を提供します。

 こんなものを32枚ほど作りました。

 これくらいです。

 これほどの量、テレビを観ながらほぼ丸1日かかって罫書きを終わりました。

 今回新しく導入したのが固定する材料です。接着力の大きい”タックシール”です。テープ代わりに使います。

 これを1人に1枚を配布します。
 したがって、ひとり一人に配布する材料は 20mmの型紙、18・16・14・12mmの型紙が罫書きされた紙箱とタックシール1枚です。これにハサミがあれば作ることができます。
 タックシールをこれくらい切って

 折り込んだホイッスルに貼って固定します。

 これが完成品です。


 実際に教室の様子を撮影した写真はありません。とてもそんな余裕はありませんでした。

 まず20mmの型紙で作り方を説明しました。演示するために一辺10cmの型紙を作っていましたので、わかりやすかったようでした。もちろんこれは大きすぎて”鳴る”ことはできません。
 すると、”ピー””ピー”・・・・とあちらこちらから音が鳴り出しました。作れて鳴ったんです。
 あとはハサミが動き始めました。
 コロナやインフルエンザもあるので、吹いて鳴らすことを指導するのは難しかったですが何とか取り組んでくれました。
 最後は余(あま)った材料をいっぱい持ち帰ってくれました。
 2回目ですが、終わったあと「これどうやって作るんですか?」という児童がいました。よく聞くと生け花クラブが終わって「ぜひ作りたい」という児童でした。材料一人分を提供して作り方を教えました。
 もう一人「キッチンペーパーアニマルはどんな人形ですか。私は(9月に)休みましたが、みんなが”面白かったよ”と言っていましたから。」と言ってきました。スマホの写真を見せると「可愛い!」というので「次回、材料を持ってきてあげるね。」と約束しました。
 嬉しい出来事2つでした。

 さいごまで読んでいただきありがとうございました。