映画「半次郎」クランクアップ

2009年10月22日 | 日記
 あっという間の1ヶ月だったような気がする。
 昨年の「チェスト」に続き、今年は「真夏の金魚」「半次郎」とダブルで鹿児島発信の映画製作が行われた。
 
「半次郎」は当初計画段階での資金予算立ての直後にリーマンショックが世界を駆け巡った事もあり、厳しいスタートを余儀なくされた。

 主演の榎木孝明氏は、さすがに鹿児島男児らしく、「もし、己の志しさえ曲がらなければ、この映画はいかなる困難があろうとのクランクアップの日を迎えるでしょう。」と企画段階の時点で語っていた。
周りからは、無謀だとか、やれるものならやってみなさい、だとか、やめた方がいい、なにも今の時期にやらなくとも時期を遅らせれば、などと言う反対意見が続出していた。

正直に言えば、私自身も、タイミングをずらすのも一考かなという気がした。しかし、榎木氏は強い信念で、否、執念に近いものを持って推進した。

 そして、昨日がクランクアップの日。
霧島市隼人の小浜海岸そばでワンシーンを取り終えた。最後だけは見届けてやらねば、という思いがあった。そして最後のカットが撮り終わった。

監督の声が響いた。「はいカット!!  OK!!」
沸き起こるスタッフや通りすがりの見物客たちからの拍手。
常吉役の田上君の顔が涙でくしゃくしゃになった。
スタッフから「常吉!」と声がかかる。

近くで今回キャメラを睨んだ撮影監督 阪本善尚氏の声がした。
「俺なんか、もうとっくに涙も涸れちまってるよ。」
一流の男の台詞である。


今回は映画の主役、半次郎自身が颯爽とした風のような男である以上に、撮影スタッフやキャストの皆がかっこいい大人たちであったような気がする。

感無量である。

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