久しぶりの曲水の宴

2012年04月09日 | 音楽
ながらく更新をしなかった。
昨年の3月以来、何もかもが空虚なものに感じた、否、今思えばそう思う。
実際は、当時、そんな事を感ずる余裕すら自分にはなかった。
焦り、絶望、葛藤、期待......その繰り返しだった。
自分自身の何もかもがすべて浮ついていたと思う。そして今なお.....

薩摩琵琶歌「迷悟もどき」の歌詞が浮かぶ。
「我智、我慢、我力、我心を捨ててみよ」

そんな中で、間が2年空いたが久しぶりに仙巌園曲水の宴が開催された。
陽気に恵まれ、以前と同じようにその庭では、顔見知りのスタッフが集まり、
参宴者も数人知人がいた。
薩摩琵琶の「蓬莱山」を弾奏した。
日々深刻化する被災地の問題、原発問題や国際情勢、来週起こりうる北朝鮮のミサイル問題
などがすべて良き方向に流れてくれるようにとの思いで弾奏した。

薩摩琵琶歌「蓬莱山」は、中国の理想郷をモチーフにし、中国の聖帝堯舜の好治を例えて
天下太平を願う歌である。
そして国歌「君が代」の原曲である。
「天長地久と国も豊かに治まりて、弓は袋に、剣は箱に収めおく」
「諌鼓苔深うして鳥もなかなか、驚くようぞなかりける」

弾奏途中で鶯が鳴き始めたのが分かった。
なんだか楽しくなって、ちょこっとだけ寄り道して鶯を歌わせてやろうか、などと
いう気になり、時間は押していたが間奏の手数をやや長めに弾いてやった。

こんな気分は久しぶりだった。

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