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「GO GO ACKMAN2」 レビュー (スーパーファミコン)

2024-04-05 21:00:48 | SFCなどのレビュー
「鳥山明」氏による同名漫画のゲーム版
 (Vジャンプで1993年7月号~1994年10月号までの不定期連載で11話
  短編アニメ化もされている)
 サイドビューアクションゲーム

 バンプレストから発売
 1995年7月21日発売

特徴

 ・「GO!GO!ACKMAN」のゲーム

 言っては悪いかもしれないがコレと言って
 このゲーム独自のゲーム的要素は弱く
 色んなゲームの組み合わせ的なものであるために
 「GO!GO!ACKMAN」を題材としている以外に言う事がないのだ。
 ちなみに本作の正式名称は「GO GO ACKMAN2」である。
 ゲームシリーズ共通して「GO」の後に感嘆符「!」が付かない。
 それが何故なのかは不明である。

「GO!GO!ACKMAN」の簡単なあらすじ

 人間の魂を集めそれを大魔王に献上する事で
 お金をもらえ生活費にしている『アックマン』に対し
 それを阻止するべく『アックマン』殺害を行おうとしている『天使くん』を主とした漫画である。

 ちなみにその『天使くん』であるが重火器やミサイルなど火力があるようなものを使ったために
 巻き添えで無関係な人たちを巻き込んで死亡させてしまうのだが
 その死んだ人の魂を『アックマン』が集めていたりもする。


ゲームのあらすじとしては

 人間の魂を集める事でお金を大魔王からもらえる『アックマン』と
 それを阻止すべく『アックマン』を倒そうとする『天使くん』

 前作『天使くん』は大天使である『ミカエラ』と共に『アックマン』討伐を行ったが
 返り討ちに遭ってしまった。

 大天使の『ミカエラ』は最強兵器『メタトロン』を『天使くん』に貸そうという所で
 それを『天使くん』の兄『ボカル』が横取りしようとしてきたのだ。

 『ボカル』はわがままものであったために天界から追放された男であった。
 『ボカル』は天使バンド軍団『メタルエンジェルズ』を率いて
 『メタトロン』を奪おうとする。

 『アックマン』はその『メタトロン』の話を聞いて横取りして
 沢山の人間を殺害し魂を集めて大儲けを企む。

 広がる『メタトロン』騒動。
 最終的に勝つのは誰だ?



前作からの変更点など

 ・武器が標準装備

  前作はパンチやキックなどが基本攻撃であったが
  本作では『剣』が標準装備である。
  

 ・3種類の武器のレベルアップ
  『剣』『ブーメラン』『銃』の3種類があり
  装備している同種武器アイテムを取るとレベルが上がる(最大LV3)
  但し、ダメージを受けるとレベルダウン、異種武器を取るとLV1になる。

  一死すると武器は『剣』に戻る。


 ・ハイジャンプ追加
  上キー+Bボタンでハイジャンプが可能。

 ・つかみ追加
  Xボタンでパンチを繰り出すが
  敵によっては掴むことが可能で敵を投げる事が出来る。


 ・ボス戦敗北時はボス戦から
  前作はボスに敗北するとステージ最初からであったが
  本作はボス戦からプレイ可能。


 操作方法



 左右キー:移動
 下キー:しゃがむ

 Yボタン:パンチ(アイテムがあればそちらを優先)
 Bボタン:ジャンプ
 Xボタン:敵をつかむ(つかめない時はパンチ)
 Aボタン:爆弾(全画面攻撃、個数制限あり)

 下キー+Yボタン:回転回し蹴り
 下キー+Bボタン:スライディング
 上キー+Bボタン:ハイジャンプ
 下→右+Yボタン:コンビネーション
 ジャンプ中Xボタン:ドロップキック
 ジャンプ中下キー+Yボタン:下突き(剣持ち時)

 Bボタン長押し→離す:チャージショット(ジャンプ中不可、溜め中移動不可、振り向きは可能)

 使い魔の『ゴードン』というコウモリがいるが
 倒した敵の魂を回収する存在でありアイテム取得時以外攻撃等には参加しない。



点数は40点

良い点
・グラフィック、演出がいい
・コンテニュー回数無限


悪い点
・ステージ中の会話スキップ不可
・ダメージで武器ワンランクダウン
・不親切な展開
・ボス戦


良い点の解説
・グラフィック、演出がいい

 キャラも生き生きとしていて
 1枚絵などは丁寧である。


・コンテニュー回数無限

 死にやすいゲームなので無限にコンテニュー出来るのはありがたい。
 今作はボス戦から再開。(前作はボス戦でやれてもステージ最初からだった)



悪い点の解説
・ステージ中の会話スキップ不可

 ステージ前後の1枚絵の時点はスタートボタンでスキップ可能であるが
 ステージ中の会話はスキップ出来ない。
 ゲーム部分だけを繰り返しプレイしたいって人には少しイラつく要素と言える。
 死亡後の再開時も同じことを再び言うのを見なければならないので若干テンポが悪い。


・ダメージで武器ワンランクダウン

 前作でも武器を落とすような仕様であったが
 本作でも似たようなものである。
 LV3まで上げられるそうだが、髭人はLV3になったことはなかった。

 ってか、同種武器だとLVアップするけども
 異種武器取るとLV1になる仕様なので
 マップに置かれている異種武器は邪魔な罠アイテムともいえる。
 

・不親切な展開

 軽くネタバレになるが『トロッコ』に乗るステージがあるが
 説明もないまま『トロッコ』に乗り走り出す。
 そのまま乗っていると落ちて死亡である。

 当然、『ブーメラン』や『銃』は紛失で『剣』に戻される。
 何で死んで覚えろという死にゲーなのに武器紛失とかにするのかと…


・ボス戦

 ボス戦はボス戦で戦い方も教えてくれずどうにか倒せという状況である。
 いくつかのダメな要素がある。


 ①突進攻撃多めのボス

  基本、『剣』での戦闘を余儀なくされる。
  武器を維持する事も勿論可能だが
  一死で『剣』に戻されるので必然的に『剣』率が高くなる。
  『剣』で戦うという事はボスとは間合いを取れず接近戦を迫られるという事だ。
  なのにボスはやたらと突撃してくる。
  回避が困難である。
  

 ②よくわからん当たり判定

  ボスには全部ではなく一部ではあるが、
  当たり判定がある部分とない部分がある。
  当たり判定がない部分にはダメージ判定があったりする。
  『剣』で攻撃を加えようと当たり判定部分に接近すると
  敵からのダメージ判定部分にも接近せざるを得なくなり
  下手をするとダメージ判定部分に触れてしまい攻撃を受ける羽目になる。

  
 ③ぐちゃぐちゃになりやすいボス戦

  ①の通り、突進してくるので
  距離を取ろうと離れようとすると別の攻撃をしてきたりしてきて
  それでグチャグチャになりやすく
  パターンを読み切れずごり押しみたいになりかねない。



前作の続編だというのに
悪い部分をろくに改善せずそのまま続けているという感じ。

「まるで成長していない」

という気分を存分に味わわされる。

例えばトロッコなど特殊状態にもかかわらず
操作方法など説明もなく始まっているので戸惑う事うけあいである。
しかも途中でレールが途切れていたりして乗り移りを強要する展開。
トロッコから落ちたら死亡が確実。

それの説明はないし、
「危険!」「乗り移れ!」というような注意喚起、指示もない。

そのような死にやすい状況なのに死ぬと武器などが弱体化するという仕様。
何故、前作のままで行ったのか?

ボス戦は接近戦ばかりでごちゃごちゃしていてよくわからないまま戦い
回避行動をとりつつ剣を振っていたら何となく勝ってしまった。勝ててしまった。
そのような状況では全然、楽しくない。
スカッとした気持ち良さはなかった。

「ロックマン」など、良アクションだと
相手のパターンを見切ってボスを倒すのが一つの快感だというのに
一方で「GO GO ACKMAN2」一体何なんだコレは。
「ロックマン」など敵を倒す良作アクションは初めから飛び道具が使えるから
敵から距離を取りパターンを読む余裕がある。
が、本作は一死で『剣』に戻り接近戦になるから距離が取れない。


何というか…
『剣』と『ブーメラン』と『銃』という
近接武器と射撃武器を
同じメイン扱いにしているからおかしくなるのだ。

「大魔界村」の『剣』って事か?
決して使えないって訳ではなくステージの敵や仕掛けなどの配置で限定的に使える場面は確かにある。
が、ほぼ『剣』を使えってなったら話は別だろう。
ただ、その『剣』装備も「大魔界村」のみで他シリーズではなくなったようだし

後、「魔界村」シリーズは割と宝箱が落ちていて
鎧をいくつも取って強い状態への戻し作業はそんなに難しくはない。
異種武器を取っても武器の段階は維持されるし
この作品のアイテムは結構、出るのが渋い。

『アックマン』が元々『剣』と『銃』を持っているのなら
それを標準装備として使い分けながら進めるようなゲームにするのが自然だったんじゃないのだろうか?


ゲームの2作品目ともなれば前作の問題点などを考えて精錬されるものだが
本作はほぼ変わらん。

新要素として『つかみからの投げ』ってのがあるが
これも射程にして体3つ分の所にポロッと投げるだけだから
沢山の敵を巻き込みまくって倒すなんて遊び方も出来ず
投げ可能な敵もかなり限定されるのでほぼ封印である。


誉められる点と言えば
やはり前作同様
グラフィックの質は高く『アックマン』達の1枚絵を眺めているのはなかなか楽しい。
というか、ストーリーがこの先、どうなるかを知るためにプレイしていただけだったよ。

ただ、よくもまぁ前作のあの出来で続編を出せたものだな感心するところだが
それはやはり当時の「鳥山 明」氏の人気があったが故か…

というか、「鳥山」氏の
「GO!GO!ACKMAN」の連載は前作発売の時点で終了しているからな
(全11話、1993年7月号~1994年10月号不定期連載)。
その後別の方が話と作画を別々で
「Vジャンプ」にて「GO!GO!ACKMAN」をセルコミックで
1994年11月号から1996年2月号まで連載している。

前作発売が1994年12月23日
本作発売が1995年 7月21日

7か月というかなり早いスピードで出ているのは鉄は熱いうちに打て感じというかねぇ…
製作現場はゲームの質よりも出すことが最優先であり
バランスなどを考慮する時間的余裕はなかったとも考えられる。

ちなみに次作である「GO GO ACKMAN3」の発売日は

1995年12月15日

本作発売から5か月未満という驚異的スピード…
所持していて未プレイなのだが本作の出来を考えると結構震えるんだけど…(苦笑)

※↑「GO GO ACKMAN3」クリア後の感想。その心配は杞憂でした。



ここからがネタバレ






















『メタトロン』を最終的に入手したのは『ボカル』だった。
ラストステージでは今まで戦ってきた『ボカル』のグループ
『メタルエンジェルズ』の仲間がボスラッシュで登場する。
そしてそれらを退けた後は…

ボカル「ようこそアックマン~♪
 きょうは~オレが~
 最強になった~
 きねんすべき日だ~♪

 最高のステージを~
 おみせ~し~よ~う~♪」

ライトが一瞬照らされたところの後に爆発が起きる。
ライトを見て冷静に爆発避けつつ浮遊するステージに乗る『ボカル』に攻撃すればいい。
楽勝。

その後が第2形態

『ボカル』は『アックマン』に

ボカル「アックマン~♪
 キサマは あまりにも
 罪を重ねすぎた~♫!

 天にかわり このオレが
 ばつをくだしてやる~♪
 とくとうけるがいい~!」

と、『メタトロン』と呼ぶロボに乗り込み襲ってくる。
ラスボス戦を退ける。

だが、最強であるはずの『メタトロン』は『アックマン』に破壊された。
城も爆発、それで吹き飛ばされた『天使くん』は大天使『ミカエラ』が声をかけてくる。
『メタトロン』は天界でしかフルパワーを発揮できず
地上だと力は半分以下になってしまうという欠陥が見つかったのだという。

それを聞いて怒る『天使くん』

ミカエラ「というわけだ 悪かったな
 まあ きながに がんばれよ
 じゃ」

天使くん「あっ!ミカエラ様!
 ミカエラ様!・・・・・・

 ミカエラ様の・・・
 ぶわぁか~~~~~っ!!」

空き缶が『天使くん』の頭に当たりスタッフロールとなる。
スタッフロールの後

「THANKS
FOR
PLAYNING

NEXT

GO GO
TENSHI
KUN・・?」

と、続編示唆をする1枚絵が表示され終わる。



しかし、ラスボス『メタトロン』は強い。

まず、腕が攻撃を貯め、床にたたきつけるとそれが左右に波に散るので
これは楽に避けられる。
その次である。両腕が飛ぶ。
ダブルロケットパンチって奴である。
それに捕まれると壁にたたきつけられる。
『2』のダメージでデフォルト体力『5』だと3発で死ぬ。
この腕の動きが早く避けづらい。
本体にも胴体部分にダメージ判定があり
腕をジャンプして避けようとすると胴体に当たる事もある。
腹立たしい。


それにしても続編示唆されて
次作が出てちゃんと『天使くん』が操作できるようになっているのは凄いね。
当時のゲームはたまにエンディングで続編示唆されていたものの
続編が出ずに作品自体が終わるなんて結構あったからな。
恵まれていると言える。

ただ、本作「GO GO ACKMAN2」は
優れているとはいいがたいからスルーでいいゲーム。

う~む。
ストーリー展開、キャラ、ゲーム…
いずれも際立ってピックアップしたい部分が見つからないゲーム。

良ゲーではないし、じゃぁクソゲーかって言ったらそこまでこき下ろせるほどひどくもないので
正直、評価に困るんだよねぇ…レビュアー泣かせやで。
『アックマン』だけに少しばかり『ソアックヒン(粗悪品)』って所か…

…………。

こんなダジャレで締めるしかないのが本作なんだよねぇ(←ただの無能レビュアー野郎の詭弁である)
う~む…
死んだ人の魂を集めるのが『アックマン』ならきっと俺は…

バキューン!!



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