髭を剃るとT字カミソリに詰まる 「髭人ブログ」

「口の周りに毛が生える」という呪いを受けたオッサンがファミコンレビューやら小説やら好きな事をほざくしょ―――もないブログ

「飛龍の拳 ~奥義の書~」 レビュー (ファミコン)

2014-06-20 21:00:14 | ファミコンレビュー
カルチャーブレーン(このゲームの時点では「日本ゲーム」)の名物シリーズ第一弾
心眼システムというのを用いた「対戦格闘ゲーム」
1987年2月14日発売(バレンタインデーだな。)

あらすじとしては…
龍飛峰で育った「龍飛」が育て親の寺の住職である
寿安老師(じゅあんろうし)が襲われ
その寺にあった「奥義の書」が何者かによって盗まれた。
ただ1つだけ老師が心眼の書を取り戻し

「少林寺の元涯(げんがい)に渡せ」

と言って息を引き取った。
「龍飛」は奥義の書を取り戻すべく、旅に出る。まずは少林寺へと旅立った。

点数は30点

良い点
・心眼システム
・チュートリアルがある。

悪い点
・道中のパターンが乏しい
・キー操作がやや曖昧。
・パスワードの曖昧さ

良い点の解説
・心眼システム
「飛龍の拳」最大の特徴が心眼システムである。
敵味方の頭部、腹部、足部の3ヶ所にマークが点灯する。
これが「心眼」と呼ばれるもので、そこに隙があるという印である。
自分に表示されたら指定された十字キーを入れることで
ガードすることが可能なのである。

頭部なら「↑」
腹部なら「←、→」
足部なら「↓」

逆に相手に表示されたら指定された十字キーをいれながら
攻撃ボタンを押すことで相手に攻撃を与えることが出来る。

Aボタンはパンチ。Bボタンはキックになる。

頭部なら「↑+AorB」
腹部なら「←or→+AorB」
足部なら「↓+AorB」

他にも投げとかあるが細かいことはゲームをプレイされたし…
その中でタイトルになっている「飛龍の拳」は
相手に攻撃を入れることで溜まるKOゲージが最大にたまったとき
「↑+A+B」で発動できる。上空に舞い上がり、高速回転ながら蹴りを放つ。

・チュートリアルがある。
このゲーム、他のゲームに見られないシステムを使っているために
チュートリアルがあるのである。
ファミコンには珍しく、非常にありがたい。
以降のシリーズでも見られる新規に対しての親切設計である。
ただ、この後半はチュートリアルにない攻撃方法を
仕掛けて来る敵が現れるので独自で回避法を探すしかない。

悪い点の解説
・道中のパターンが乏しい。
「道中」とはアクションステージの事で
そこで中ボスが持っている5種のアイテムを集めて扉に行くことで
その面の格闘大会に参加することが出来るのだが
決まった敵しか出ないのである。
スパルタンXの雑魚ばりに突進することしかしてこない雑魚。
他の道中にも出てくる5種類しか出てこない中ボス。
仕掛けは穴ぐらいしかなく面白みはない。

・キー操作がやや曖昧。
しっかり入力しないと後半、対応するボタンを押しているのに攻撃を受けることがある。

「俺が遅かったからか?いや、間に合っていただろう」

しかも、後半になると良い点でも書いた通り
チュートリアルにない攻撃方法を仕掛けてくる敵がいて…
ただ心眼に従っているだけでは避けられずダメージを受ける。

「←or→+A+B」でジャンプ出来るはずである。

大体そういった類の攻撃は敵の必殺技であるから大ダメージが必須である。
敵がそのモーションに入ったのを見てすかさず入力するも棒立ちの龍飛

「ジャンプだよ。ジャンプ!アホ龍飛!何でジャンプしねぇんだ!」

って状況に陥ってダメージを受ける(笑)
だからしっかりとキー入力する必要があるのである。
おかげで指が痛い…

・パスワードの曖昧さ
このゲーム。
パスワードを手に入れられるのだが、道中3面で全滅してパスワードをとったのだが
それで復帰した面は道中2面だった。途中で手に入れた奥義の書も紛失している始末。
これはどういうことなんだろうか?よくわからない現象である。

後、個人的にいえば「4文字」という非常に短いパスワードであるが
4文字と言えどパスワードだ慎重をきそうとする人なら

「メモ取るか?」

と、メモ帳とペンを取りに行っている間に、パスワード画面が切り替わる。
これは自動的にだ。
いくら4文字で忘れる奴などいないと言ってもずっと表示し続けろよ。
嫌がらせか?






髭人は「IIIII→本作」という順でプレイしてきたのだが正直衝撃を受けたね。
何たって

「おい。コレⅢのモーションと同じじゃねぇか」

Ⅰだけ見れば、以降の作品に「重大な影響を与えた」と言えるが、
別の言い方をすれば「使いまわした」とも言える。
グラフィックは各シリーズ異なるが動きに関してはまるっきり一緒である。
素人目にも分かる。
このゲームのタイトルにもなった「飛龍の拳」ならそれでも分かる。
が、他キャラの技も多いのだ。

・空手家の北斗の拳ばりの垂直移動キック。
・格闘家のリングロープに乗ってからの攻撃
 &サイコクラッシャーアタックのような突進攻撃
・ムエタイの飛び膝蹴り。
・プロレスラーの心眼なしからの掴み→投げ

自分が最も驚いたのがムエタイは攻撃が成功すると
足をブルルルッと残像が見えるぐらい高速に動かすのだが
「Ⅲ」のムエタイでも見られた謎の現象だ。

「Ⅲはそこまで同じことをする必要があんのかよ」

このⅠで完成していたと言えるのなら
それ以降のシリーズって必要だったんかなって思うけどな…
ボンバーマンみたいなものか?

これを考えると以降のシリーズのレビュー、減点対象だなぁ…
Ⅰからプレイしている人は

「Ⅰとまんまじゃねぇか!」

ってツッコミ入れただろうし…
そうそう。効果音も「スーパーチャイニーズ」を思わせるのが少々あった。
スーパーチャイニーズは「1」はナムコであるが
「2」以降は「カルチャーブレーン」だもんな。
(開発は一緒だったという考え方は出来る)
やっぱりつながりはあると思える。

このゲーム。
電源付けるとすぐに「飛龍の拳」の解説がある。(原文の為、平仮名とする)

「ひりゅうのけんとは…
まいあがるりゅうのすがたをおもわせるきゅうきょくのひっさつけんである。
ちからをさいだいにたくわえることがひつようだ。」

あ~あ…「必殺拳」って言っちゃったよ。
俺、「III」のレビューで苦し紛れに
『龍の拳の表現するために人間では足を用いる』つったのに…
「拳」って言っちゃったよ。
せめて「究極にして必殺の一撃である」にしていればなぁ…
もしかして「けん」は平仮名だから、
漢字にすると「剣」とか「権」とか「件」とか「犬」とか「肩」とか…

いや、「必殺拳」と言っても「必殺の拳法」を指すから問題ないと言えるのかな?
「北斗神拳」や「南斗聖拳」つっても蹴り技があるしな。
現実の拳法だって蹴り技はあるだろう。

けど、このゲームの場合、必殺技なんだよな。
以降のシリーズ。仲間も「飛龍の拳」を放つが悉く「蹴り」
一人ぐらい「拳」がいても良かったんじゃないかなぁ?

言葉の意味としては問題ないにしてもやっぱり

「飛龍の『拳』なのに『蹴り』」

ってのは払拭しきれないよな。
いくら小難しい解釈とか無理矢理、屁理屈を使ってもさ…



ここからがネタバレ






















しかし、龍飛は父親がいないということになるけど
案外、ラスボスの「フーズ・フー」が実は龍飛の父親だったぁぁぁぁ!
なんてお約束みたいな展開だったんかな?

しかし、このⅠ~Ⅲまでプレイしてきて思ったのだが
「化け物とのコマンドバトル」とか「鎧や武器の装着」などの要素があったけども
付け焼刃の追加要素を入れるより
何でもっと「心眼システム」を練ろうと思わなかったのか非常に残念である。
結局これらの物は、さほど引き継がれてないもんな。失敗という認識で間違いなかろう。
以降の作品は未プレイであるが某掲示板で

「飛龍の拳シリーズ。全ハード含めて1番出来が良かったのはⅡだ」

などという意見が目立つので察することが出来ると言えよう。



(ここから2016年10月追記)

2016年9月30日に「飛龍の拳 スペシャル ファイティングウォーズ」をレビューした事により
髭人はファミコンの「飛龍の拳」シリーズを制覇した事になるが…


髭人はファミコンの「飛龍の拳」シリーズを

「III」→「II」→「I」→「ファイティングウォーズ」

という極めてよくわからん順でプレイして来たのだが…




そうそう…
「カルチャーブレーン」の
「飛龍の拳」シリーズと「スーパーチャイニーズ」シリーズの推しはすごかったなぁ…
テレビ東京系の朝のゲーム紹介番組に毎週のように出ていたし、
番組内の観覧者対戦企画の常連ゲームだった。
スーパーファミコンの対戦の「SD飛龍の拳」か
同じく対戦の「スーパーチャイニーズファイター」が比較的多かったのを記憶していた。
ちなみにこの番組を毎週のように見ていたがこの番組には観覧者の子供たちの歓声が入る。
スーパーファミコンの格闘ゲーで両者で盛り上がったなんて実際に聞いた事ないし
ネット上でもお目にかからない。
だからきっとやらせだろうな…

ちなみにその番組で最も歓声が上がったのは…

「銀河お嬢様伝説ユナ」の変身シーン

だったと髭人は記憶している。
勿論、胸や局部が完全に出ているわけではなく
体が光っていてわからなくなっているがボディラインは分かるだけの状態である。
その時、大抵歓声ってのは「おー!」とか「わー!」とか入るがただ声を上げているだけ
この時ばかりは「おぉぉぉ!」と身を乗り出している感が半端ではなかった(笑)
少年とは言えやっぱり男部分が勝つってことだわな(笑)
ただ今のゆるゆるの露骨なエロ表現から考えればその気持ちは分かる(笑)

おっと、話が逸れた。
髭人はどーも言いたいことを思いつくとすぐに書いてしまう。
実に悪い癖だ。

話を元に戻そう。
だが、正直言って両作共に人気作とは贔屓目に見ても言い難い。
そのゲーム紹介番組で「スーパーチャイニーズ」の方を
しきりに「スーチャイ」「スーチャイ」なんて言っていたけど

「公式だけで流行らせようとして一人勝手に盛り上がっているのって
 ただただイタイだけだな」

と、当時の冷めた俺は考えていた。今でも案外変わらないかな?
というか、両作品の不幸は

「可もなく不可も無くという作品」
(不可の方が多いけど極端な不可じゃないんだよな)

ということなんだよね。
事実、友達とのゲームの話題で両作品が上がったことなんて生まれてこの方なかった。
故に記憶に残らないんだよね。

その証拠にレトロゲーの掲示板などに「良ゲー」とも「クソゲー」とも話題に上がらない。
検索してみてファンだけが集まってひっそりと語り合っているという感じ。
レビューサイトなど、関連サイトが少ない事からも印象の薄さや熱意の無さが伺える。
公式自体が「飛龍の拳」や「スーパーチャイニーズ」の作品や
劇中のストーリーの歴史をまとめるぐらいの事やれや…
(クソゲーwikiにはPS版の「バーチャル飛龍の拳」が挙がっていたが、
 シリーズ後期だから何分、知名度がない)
ただ、

「シリーズが多かった」「テレ東の番組の押しがすごかった」

ということだけで内容は殆ど覚えていない。
昔プレイした事がある自分でさえ

「『飛龍の拳』の主人公の名前なんだっけ?」

という始末だった。
まぁ、「クソゲー」と称されるのは作った側からすれば腹立たしい事かもしれないが
話題にもされず記憶にすら残らないゲームというのはそれはまた悲しいことだろう。

この「飛龍の拳」シリーズの歴史も迷走していたようにしか思えんしなぁ~。


I」…心眼システム登場

II」…対戦プレイ可能に、5人の竜戦士が出そろい、皆、鎧を付ける。

III」…鎧+武器を装備

ファイティングウォーズ」…心眼システム特化の対戦

という特徴が挙げられる。

その後、スーパーファミコン版「飛龍の拳S」で出た。
「ゴールデンファイター」と「ハイパーバージョン」の2種。
しかし、後者は前者の改訂版といったものらしいその割に
ハイパーバージョンもフルブライス。(アコギな商売だねぇ)
未プレイであるためプレイ動画やレビューを見たけど
やっぱり悪いところ放置でスーパーファミコン化したように見えた。

その次が「SD飛龍の拳」

作品の最大の特徴である「心眼バトル」をしないただの格ゲー。
「ストリートファイターII」のように深みのあるゲームではないし
キャラ格ゲーというところだが
当時、スーパーファミコンのキャラ格ゲーと言えば
「ドラゴンボール」「幽遊白書」「セーラームーン」「らんま1/2」などがあり
知名度から言って「飛龍の拳」に太刀打ち出来る訳はない。
下手したら

「飛龍の拳?『北斗の拳』のスピンオフとか別シリーズとか?」
(ちなみに、スーパーファミコンで『北斗の拳』は出ているが
 いずれもクソゲー扱いされている)

って思われる事もあるかもしれない。
それとゲームとしての評価も芳しいものではないようだ。

それで、PSになって無理矢理ポリゴン化しただけの「バーチャル飛龍の拳」は上の括弧内で上げるとおりクソゲーと呼ばれる。
その後、「任天堂64」やら携帯ゲーム機で出して
ゲームボーイでの2000年の「飛龍の拳SD外伝」が出て
様々な作品が出た「飛龍の拳」シリーズは人知れずひっそりとその幕を閉じた。

ちなみやはりに「III」の続編がその「飛龍の拳SD」だそうだ。
出来は芳しくないとの事…

「III」のエンディングでデカデカと続編示唆をして10年半後…

ファンを待たしに待たしてねぇ…
悲しい話だわ。



ここまで色々と酷評したけどさ。
もっと心眼バトルを煮詰めれば
独自の魅力を持った面白い対戦格闘ゲームになったんじゃないかって思えるのだがな。
心眼システムをただ格闘に移行しただけでは表示されたマークに対して
即座にボタンを押すだけの
「反射神経ゲー」になってしまうがそこはキャラとかで調整するわけだわ。
例えば、ゲージ使用でガード崩し攻撃が出来るとか、
態と攻撃をさせてから反撃に転ずる当て身キャラとか
普通のキャラでは攻撃できないところから攻撃できるリーチキャラとか
攻撃が遅かったりと粗が目立つが一転反撃すると強い一発逆転キャラだとか
超接近しての投技キャラだとか。
駆け引きを楽しめる良ゲーになったんじゃないかなぁ?(素人考えだけど)

「蹴りだけど、これが飛龍の拳だぁぁぁ!」

ってみんなに納得させられるようなゲームになる事も十分可能だったと思うんだよな。
後で「I」をプレイしてよく思ったのが
「III」までモーションを使いまわしているのである。
「II」や「III」での

「鎧つけてカッコイイ!!」

なんて子供騙しなんかしないで
システムや戦闘面を更に練る事が急務だったんじゃないのかねぇ。
当時「サムライトルーパー」やら「聖闘士星矢」など『プロテクター』を装備して
パワーアップなんてのが流行っていたけどさ。
「飛龍の拳」では
鎧つけて、刀や槍を持ってもやっていることは生身とほとんど変わらないんだもの。
ガードしたり避けたりするという見た目が変わるだけ。
技の「飛龍の拳」は演出が強化されただけで殆ど変わらない。
寧ろ投げが使えなくなってしまう時点で戦闘システムとしては
劣化していると言わざるを得ない。

ってか武器持っていたら「飛龍の拳」じゃなくて「飛龍の剣」になるじゃねーか!
 (ただ、刀+鎧装備時に『飛龍の拳』を繰り出すと
  空高く舞い上がり回転して武器を構えながら
  やっぱり「蹴り」を放つんだよな。何やねんそれ…)


素人の髭人ですら「操作性の向上」「キャラ(戦闘スタイル)毎の差別化」は
シリーズを重ねるごとに向上させるべきだったと思う。
それを「ファイティングウォーズ」で芽を開かせようかという所だったのになぁ…

「ファイティングウォーズ」はファイトスタイルの『プロレス』が
投げてダウンした敵を絞めて追加ダメージを与える方法が
バランス崩壊を起こしているので戦闘となるとそれ一択となりがちである。
バランス等を修正する必要はあるがその方向性は間違っていなかったと思う。

だがスーパーファミコンになった途端…また鎧が戻って来てしまう。
実に悔やまれるものだ…
戦犯は「鎧」と言っても過言ではないのかもしれない。
鎧袖一触とはこのことか…(どーでもいい)

心眼システムは結局、未完成のまま時代に翻弄されて終焉を迎える。
プレイヤーにチュートリアルなんてやって心眼の訓練をさせていたけども
そもそも製作スタッフ自身がゲームに対しての
心眼を鍛えるべきだったんじゃないだろうか?

飛ぶことなく地を這いずり回るだけだった悲運のゲーム。
それが

「悲龍の拳」

って所か。
そうそう。「カルチャーブレーン」は2016年現在、
2007年12月に「カルチャーブレーンエクセル」が創業し
「カルチャーブレーン」の作品を引きついでいる。

「カルチャーブレーンエクセル」HP


旧「カルチャーブレーン」HP(つながるかどうかは知らん)


今では細々と携帯ゲーム機で女の子向けゲームを作っているようだ。
10年もソフトが出ていない以上、
既に「飛龍の拳」に携わった製作スタッフとかいないか。
何らかの事情で作れるような状態ではないと見ていい。
もう「飛龍の拳」が再び舞うことはないだろう。


ガジェット通信で「飛龍の拳」の同人作品が取り上げられていた。

飛龍の拳、同人作品の話

ただ、「飛龍の拳」は記事のタイトルにあるような超名作ゲームではない。

シリーズを重ねただけのただの「ゲーム」

それ以上でも未満でもない。
そう…戦闘中に聖水が左から右へと浮遊して消えていく。
このゲームを如実に表していると言ってもいいだろう。

「飛龍の拳」はそんなシリーズである。




折角、生み出された心眼システムの「奥義の書」を
遂にスタッフは見つけることを遂に出来なかった…



合掌。






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