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「じゃじゃ丸忍法帳」 レビュー (ファミコン)

2017-11-24 21:00:40 | ファミコンレビュー
じゃじゃ丸くんシリーズ
RPG
開発はNMK
発売はジャレコ
1989年3月28日

あらすじ
『なまず大夫』を倒し、『さくら姫』を取り戻した『じゃじゃ丸』
久しぶりに城に戻ると殿から重大な事件がいくつも発生していると知る。
『じゃじゃ丸』はそれらすべてを解決できるか?

第一章:「忍術の書」がカラス天狗に奪われた!!
 じゃじゃ丸は奪還できるのか?

第二章:江戸の町が「大入道」という妖怪に乗っ取られた!!
 そいつは町の人々を妖怪化させているという
 じゃじゃ丸は「大入道」を追い払い元の江戸の町にする事ができるのか?

第三章:周辺の町で女が連れ去られ雨が降らないという事件が発生。
 それは「竜神」様の仕業ではないかという噂が立つ。
 その噂の真相を確かめ、女たちを助け出せるのか?




特徴

1~3章を任意で選ぶ事が出来る。
但し、その章をクリアして別の章を選ぶとレベル、武防具、アイテムはリセットされる。

※1~3章をクリアしてからプレイする事になる第4章は3つ目にプレイした章のレベル等を引き継ぐ。
 1~3章で習得する術は若干異なる。

パスワードコンテニュー。

お店や建物の人などにはグラフィックがある。
ちなみに既に装備している武器や防具は
親父が「売りたくない」などといって売ってくれないという
一応親切な仕様である。

「さくら姫」は戦闘時に「あい」というコマンドがある。
実行するとランダムで「じゃじゃ丸」と「さくら姫」の能力があがったりする。
『攻撃力上昇』『素早さの上昇』『身軽さの上昇』
『体力の上昇』『術(MP)の上昇』『効果なし』の6種

敵を倒すと「つづら」が出て来る。
開けるか否か決める事が出来る。
その際、敵が出る場合があり、そいつを倒すと後の倒した敵の経験値を得る事になる。
つまり経験値は上書きされてしまうのだ。

ドラクエで例えるのなら
「メタルスライム」を倒したら、宝箱がありそれを開けると「スライム」が登場。
そして「スライム」を倒したら、「スライム」分の経験値しか得られないのだ。
「メタルスライム」分の経験値は消滅。
不用意に宝箱を開けると損をする仕様である。

よくRPGである状態異常の「毒」はないが
それに代わる物が「取り憑き」である。
怨霊を憑依されるとフィールド、町、ダンジョン問わず歩くたびにダメージを受ける。
治すには神社で買える「お札」を使用するか「はらたま」という術を使う事だ。

ゲームではなくソフト的な特徴も…
この時のジャレコ製ゲームはナムコと同様大き目であり
ナムコとは違う要素としては端子部分にカバーが付いていた



↑:カバー付き



↑:こんな感じで分離する。


点数は10点

良い点
・じゃじゃ丸くんシリーズ


悪い点
・レベル等を引き継げない。
・エンカウント率が高い

良い点の解説
・じゃじゃ丸くんシリーズ

「俺は『じゃじゃ丸』マニアだ!
 どんなゲームでも『じゃじゃ丸』シリーズなら遊ぶ!」

っていうぐらい『じゃじゃ丸くん』好きならばプレイする価値はあるんじゃなかろうか?



悪い点の解説
・1~3章でレベル、アイテムを引き継げない。
どういう事なのかというと
章をクリアするとレベル1に戻されアイテムもすべて没収されるという事だ。
せいぜい仲間になった『さくら姫』のみが継続するぐらいだ。

「ドラクエ2」で例えるのなら
LV1から始まり『スライム』を倒したりしながらレベルを上げ
『サマルトリア』の王子を仲間にしてある程度進めて、『マンドリル』も余裕で倒せるほど強くなったのに
章を跨いだたら『サマルトリア』の王子はいるものの
武器防具がなくなりまたLV1からやり直しをさせられるという戻し作業をさせられるという話だ。

魁!!男塾」を
思い起こさせるドグソ仕様である。
まぁ、何でこんな事をせざるをえなくなったかというと分からんでもない。

1、2、3章となるたびに、敵の強さが上がる形式をとると3章から始めるのが困難になるからな。
だから章毎の難易度を均一化する為に初期化するという手法を取ったという…

話は分かるが、別章になるとレベルが1に戻されるんじゃプレイヤーのモチベーション下がるだろ。
バランスを取るような事出来なかったのかね?
登場する敵の強さが一定割合で強化されるみたいな…
それもバランスの面で難しいのかもしれないけど…
だったら、章を選べるなんて廃止すればよかったのに。
製作側の手抜きのようにしか思えん。

・エンカウント率が高い
戦闘を終えても5歩以内で再びエンカウントというのが高確率で発生する。
一歩歩いてエンカウントという事態も結構ある。
逃げた後だと確率が上がる印象
そして、このゲーム、エンカウント率低下アイテムor術がない。



他には見られない事としては…
レベルアップして術を覚えるとき、お釈迦様が出て来て

「術を授けてやろう」

というんだけど…
画面が白くなって何か怖いわ(笑)
別章になったら同じ技覚えさせやがって…

後、キャラの死亡時や全滅時

「○○は死んでしまった」とか「全滅した」

ってメッセージをゆっくりと表示する仕様もね。




このゲームの特徴部分で大滑りしているから良い評価を出来る訳がない。
なかなか類を見ない酷い滑り方である。
滑るだけに飽き足らず転倒して骨折している…そんなレベルだろうか?

選択できる章だって別段シナリオが優れている訳ではないので
このゲームをクリアした後で優先してプレイしたくなるほどの物はない。
何か問題が生じたからそれを解決しにいくって話にしか過ぎず
攻略する順番で第4章の内容が変わって来る…なんて気の利いた事もない。
最終章でのレベル、武器、アイテムは引き継ぐのでそこだけ異なるといえるのかもしれない…
(だから何?)

ドラクエIV」みたいに
キャラが別なら次章でレベル1になっても許せるんだけどなぁ…

『ドラクエIV』の場合、次の章に進むと

「どんなキャラなんだろう?」「どんな物語なんだろ」と
新鮮味があってワクワクさせてくれたものだが…


『じゃじゃ丸忍法帳』の場合、次の章に進むと

「うげぇ…同キャラなのに全て没収かよ…」
「これ2つ目の章だろ…この気持ちをもう1回体験しなけりゃならねーのかよ…」

心機一転どころかウンザリ感が漂う。

まぁ実質オムニバス形式をしっかり完成させたのは
後に発売されたドラクエⅣだったという事で
天下のドラクエにパクられたって事で誇ってもいいんじゃね?(鼻ホジ~)
せめてレベル、武器、アイテムを初期化しても気にならないシステムなどがあれば…
(そんなのってある?)


で、そんな特徴部分除くと1989年のRPGにしてはゲームシステムは「平凡以下」に尽きる。

もう「ドラクエIII」が発売された後だからね。
それでこの出来ってのはなぁ…
戦闘中、和風RPGで敵が必ず1体しか出ないというのは「桃太郎伝説
戦闘中背景が出るってのは「ドラクエI」要素
仲間が増えるというのは「ドラクエII」要素

要素だけかぶったけど悲しいが本作独自の光る部分は皆無である。
だから髭人として本作はゲームとして考えると

「桃太郎伝説」と「ドラクエⅠ」と「ドラクエⅡ」を足して
『30』で割ったような出来って所だろうか?


「ドラクエII」と言えば
パスワードの打ち込みの形式が「ドラクエII」に酷似している。
文字の配置やら『だ行』『を』『ん』がなかったりするのもね。
このファミコン中期の終わりの時期に、「ドラクエII」を意識するって?
だったらついでに「ドラクエIII」要素も意識しておけばよかったのに。

良い点の通り
本作をプレイするのは
「じゃじゃ丸シリーズ」を意地でも制覇したい方にだけオススメ出来る…
かなぁ?

というか、折角のシリーズの評判を貶めただけだよな…
うん…(悲)


小技
このゲーム、『逃げる』コマンドは選ぶたびに行われる。

つまり、「じゃじゃ丸」が『逃げる』を選び、逃げきれなかった場合
「さくら姫」のコマンドになりその時、Bボタンを押すと
再び「じゃじゃ丸」のコマンドが表示される。
つまりこれを繰り返せば逃げ切れるまで何度でも『逃げる』事が可能なのだ。

「君が去るまで逃げるのをやめない!!」

という感じである。

※『攻撃』など他のコマンドは二人いる場合、二人の行動の選択後に行われるので
 キャンセル技は不可

こんな技よりエンカウント率を低下させてほしかった…




PS)各章初めの城に戻ると殿さまが回復させてくれる。
 が、死んだ奴は生き返らせてはくれない。
 当然、「さくら姫」が死んでいても同様である。

 自分の娘が死亡しているのに全く言及しないってどういう事やねん。

 あ…
 そりゃ、そんな事態がバレたら『じゃじゃ丸』は自身が
 切腹は当然だし時代から考えれば
 一族郎党も根絶やしにすらされかねないからな…
 必死こいて『じゃじゃ丸』が隠しているんだろうな…

 じゃじゃ丸「殿!姫は町で買い物に出ております~」
 殿「では、城下に出てみようかな」
 じゃじゃ丸「いやいや!
  ちょっと聞いた所なんですけど
  お殿様にプレゼントを買おうかって迷っていらっしゃるので
  殿が城下にいかれては私が言った事がバレてしまいます」
 殿「そうか…残念だな…」
 じゃじゃ丸「この事は『さくら姫』には内密ですよ~。
  プレゼントを受け取った後は必ず知らないような反応をお願いします」
 殿「わかった…」
 じゃじゃ丸『ふぅ…姫が死んでいるなんて死んでも言えん…
  言ったら死ぬどころじゃすまないけど…』

 みたいな言い訳工作をしているのかもしれない(笑)



ここからがネタバレ


















道中、「さくら姫」が仲間になるけどさ…
今までのシリーズでさらわれていたようなキャラなのに戦えるのなら
ちょっと鍛えていれば「なまず大夫」にさらわれずに済んだんじゃねーの?
ってか、体力が0になると『死ぬ』んだよな。「さくら姫」もさ…
こんな生死を賭けた命がけの冒険より
「なまず大夫」に囚われていた方がよっぽどマシだったんじゃないだろうか?



最終章の第四章は「般若島」と呼ばれる島に
そこに「妖魔大王」というのがいる。
「般若島」は通常であれば近づく事が出来ないのだが
第一章~第三章までの妖怪退治を行った事により
妖魔の力が弱まっているから行けるようになったのだという。
じゃじゃ丸達は「妖魔大王」を倒し平和に取り戻せるのかって話…

で、中ボスラッシュみたいのを経て「妖魔大王」に会うと

妖魔大王「とうとう来たか・・
 わしの可愛い3匹の妖怪を倒せた奴はお前達が初めてだ
 その力を悪の為に使えばいいものを・・なぜお前達はわしに歯向かうのだ!
 悪の素晴らしさを見せてやろうぞ!」

戦闘開始。


歯向かう…ねぇ…
例えば最初がこんな展開なら分かる。

殿「妖魔大王という妖怪が各地で悪事を働いておる。
 その妖魔大王を退治してまいれ」
じゃじゃ丸「殿様分かりました!今すぐ妖魔大王の元へ」
殿「待て…じゃじゃ丸よ。そう急くな。
 妖魔大王の勢力は強大だ。
 まず勢力を1つずつ削いでいき、
 弱体化した後に妖魔大王を倒すのだ!」
じゃじゃ丸「分かりました!殿様。
 暴れている妖怪たちのせいで苦しめられている人たちを救い
 妖魔大王を退治してまいります!」

というようにあらかじめ最終目的が妖魔大王だったのなら話は分かるんだけどな。
実際は
妖魔大王の存在を今まで知らず色んな所で人助けしていた事自体が
結果的に「妖魔大王」の邪魔をしていたってだけだし、
部下自身が勝手にやらかした事であり直接「妖魔大王」が下していた訳ではないだろう。
故意じゃないんで謝る気持ちにもなれんし、打倒妖魔大王って燃える訳でもない…

髭人『…。
 もうこんなゲーム、はよ終われ』

そんな心境の中ラスボス戦突入

撃破

妖魔大王「み 見事だな。じゃじゃ丸 さくら姫よ
 このとうり わしの負けじゃ
 しかし 忘れるで ないぞ
 悪が はびこらない 世界など
 決して 存在しない 事を!

 さあ 二人とも 行くがよい
 悪の 力が 無くなった
 この般若島は もうすぐ
 海の 底に 沈むであろう

 わしも 暫く 眠りにつくことに しよう
 では さらばじゃ! ・・ 」

脱出(オート)

じゃじゃ丸「おっ! 般若島が 沈んでいく・・」
なまず大夫「さぁ お二人さん
 そろそろ 城に つくぜ
 このことを 早く みんなに 伝えてやんな」

じゃじゃ丸「さぁ さくら姫 城に 戻ろう!」
さくら姫「えぇ」

ナレーション「こうして 全ての悪は 滅び去った
 そして国中の町や村には
 大いなる平和が訪れた
 さて もし この二人が
 その後 どうなったかを 知りたければ 村中で一番のっぽの
 年老いた 楓の木に 尋ねてみるが良い
 彼ならば 風の 噂に
 聞いているかも知れない から・・」

スタッフロールへ…


結構!結構!!大結構!!
このゲームのその後なんざ知りたくなどありません!!
ま、「忍法帳」の続編は出なかったことから
その楓の木は切り倒されたんじゃなかろうか?
それナイス判断!


システム面は散々上記で挙げた通り
ネタバレ含みのストーリー面で言えばこの「じゃじゃ丸忍法帳」は

物凄く閉鎖的。

もうちっとキャラを含めた世界観を広げても良かったんじゃないのかって思うけどね。
「じゃじゃ丸」「さくら姫」「なまず大夫」ぐらいの3つしか出て来てねーし
(せめて「お雪」か?)
名有りのキャラはちょっとは出て来るが
シリーズレギュラーになるようなインパクトがあるキャラはいねーし
モブ店員はデカイ絵があるのに、名有りキャラにはねぇし…
その名有りキャラもいる事はいるが一言二言ぐらいしか台詞ねぇし特徴も薄い。

全体的な展開を見ると
ただの人助けでしかなく各章の話やキャラが絡み合うこともない。
章をクリアする順番を変えたところでさほど意味はない。
第4章の時の習得術が若干違うというだけでしかない。

次章ではレベル、アイテムも含めて全て白紙化される。
そんな「初心忘れるべからず」をプレイヤーに2回もさせる必要あんのかよ…

単純に各章で主人公が違うで良かったじゃん。
第1章が『じゃじゃ丸』第2章が『さくら姫』第3章が『なまず太夫』
で、第4章で合流。
それならレベル1からでも納得できた。
何故に敢えて外すような真似をしたんだろうか?

それと折角、「桃太郎伝説」「ドラクエI」「ドラクエII」を意識してんのなら
これら3作品の共通点をパクってもよかったんじゃなかろうか?
その共通点とは…

おいろけ的要素だ。

「桃太郎伝説」は条件はあるが女湯に入れれば1枚絵があるし
「ドラクエI」や「ドラクエII」は『ぱふぱふ』なんてものがあった。

仲間が『さくら姫』っていう女子だし、風呂に入るイベントがあってもいい。
丁度、店の人間に1枚絵があるんだからそれを何故に『さくら姫』に存分に使わん!
モブ店員に絵なんざいらねーだろうがッ!

「安易にエロに走る訳にはいかない!」
「子供達が楽しむ『じゃじゃ丸くん』シリーズを
 そんなスケベオッサンの慰みものはしない」

って事なんだろうか?
まぁ、プライドがあるのは結構な事だが誉める所も

「エロすらない」

と言わざるを得ないのが本作の実情である。
ゲーム自体がアカンのだからそういった低俗な小細工で人を釣るしかないんやで…
いや、逆にそれやっちゃ誉める所が

「エロしかない」

とも言われるか…(苦笑)
そこは製作者の方針に委ねられる所ではあるな…
(2018年、3月9日追記。
 そんなエロしかないRPGのレビューをしたよ…
 どちらがいいかはプレイヤーに任せられる。
 ちなみに和製RPGとかエンカウント率が高いなど本作と共通点が多い…)

何にせよ
最終的にこのゲームで掬い取ってあげられる要素がねぇ…


本ソフトのレビュー最後に、髭人から本作に対して
このゲーム上で実際に出て来るメッセージを引用しつつ締めるとしよう。

各章のボスを倒した後、ダンジョンを出るとその章が終わるのだが…
ダンジョンを出るまでは操作可能。
その時にコマンドで「道具」を選んだ時のメッセージ。




「もうこんなものはひつようない」





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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (Unknown)
2020-12-24 15:39:06
このゲーム作ったのはNMKです。

それにジャレコという理由で叩くのはやめろ。
返信する
Unknown (Unknown)
2020-12-24 16:11:51
それにこれ作ったNMKはジャレコ販売で「P-47」と「天聖龍」というアケアカで配信されてる良作横シュー作ってるから。

近々アケアカでNMK販売・開発「サンダードラゴン」も配信される。

ちなみに同じNMK開発、タイトー販売の「SD刑事ブレイダー」もじゃじゃ丸と同じぐらいのアレ(笑)
返信する

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