「定年ゴジラ」

「定年ゴジラ」　重松　清

この本を読んでいて、うるうるきてしまいました

東京郊外の『くぬぎ台』というニュータウンに住む、定年を迎えたおじさん達のお話です。

＊＊＊　第六章　くぬぎ台ツアー　＊＊＊

ある週刊誌で「ニュータウン・ミシュラン」という、ニュータウンを採点する企画で、この『くぬぎ台』を取り上げることになった。

ニュータウンを開発する時は、その当時の理想のライフスタイルにしようとベストを尽くし、家族の為、子供がのびのび育つようにと考え、都心から2時間もかかる郊外に家を構えた人達。

住民を調査対象の「サンプル」としか見ない調査隊の学生に、パトロールと称して『くぬぎ台』を車でまわりながら、通勤の大変さ、家を建てた頃の思い、子供の為と思って引っ越してきたのに、子供も成長して結婚などで家を出てしまっていること、などを語ります。

分譲時期で1丁目から5丁目まで、各丁目で世代が分かれていて、若い5丁目から自分がたどってきた生活を振り返ります。

サンプルかもしれないけれど、その中にはたくさんの人の人生がつまっていると伝えられました。